古川薫のレビュー一覧

  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    久坂玄瑞を通じて描く維新、いろいろな価値観が錯綜している時代ということは理解できた。佐幕にしても、尊王にしても、賛同や反撥、継承発展、否定などの過程を経て醸造発酵していくことがよくわかる本でした。
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    久坂玄瑞の桜のように散った青春が詰まった一冊。
    家族を失った悲しみが彼を攘夷に向かわせたのか…久坂のルーツが見えました。
    いつも鉢巻きをしている熱血漢なイメージの久坂なのだが、本当はそれは若桜の花冠でなければならないという…そこにいるのは才気あふれた多感な若者です。
    淡々としていて、感情移入はしにく...続きを読む
  • 花冠の志士 小説久坂玄瑞
    藩医の子に生まれ攘夷の志士として散った久坂玄瑞の生涯。十代にして漢詩を嗜み、長じては今様を吟じ天下国家を論じる。才能豊かな若者がそのあまりにも短い生涯を駆け抜けた熱い時代の息吹が溢れる歴史小説の佳作であり、前半の吉田松陰の死までが特に興味深い。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    松陰先生の遺言書とその訳。全十六章のうち最も濃厚なエキスのような第八章だけでも読んでもらいたい一冊。自分のような子孫がいない人間にとって「後来の種子未だ絶えず」の部分は心に沁みた。
  • 斜陽に立つ
    読んだきっかけ:興味があって買いました。

    かかった時間:11/1-11/21(21日くらい)

    内容: 「凱旋後、希典は学校などに招かれて講演することがよくあったが、演壇に立った彼は、『私が乃木であります。みなさんのお父さん、お兄さんを殺した乃木であります』と、まず深々と頭を下げるのだった。…...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    学校の課題で この本を知り 読んだ
    吉田松陰のこといえば 松下村塾というのしか 知らなかった
    この 留魂録は 吉田松陰が死に直面した時に 自分自身を冷静に見つめ塾生たちにも問うている 

    これから 生きていく指針になるのではと 再読し 課題に向かいたい
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    高い志を持つほど、伝えること、引き継いでいくことが大切なのかもしれない。亡くなられた日が私の誕生日だったことは知らなかった。
  • 影武者
    古川薫さんは、郷里下関市出身の小説家だそうです。
    いままで知らなかったのだけど、
    毛利の小説が読みたくてこの度手に取って知りました。
    骨のある小説だと感じました。
    舞台が地方だというのもあって、壮大さみたいなものはないけど、
    緻密でとっても好感を抱きました。

    どれも面白かったですが、「遠雷」が特に...続きを読む
  • 斜陽に立つ
    途中なんどか毎日新聞で連載も読んでいたのですが、ふと気づくと本になっていたので早速手に取りました。
    古川氏がこの本の中でとても意識されていた、司馬遼太郎の「殉死」を以前読みました。
    たしかに、乃木大将は「愚将」として書かれていたように思え、そのように私の中でも印象付けられました。
    その汚名をは...続きを読む
  • 斜陽に立つ
    乃木と児玉中心の小説。私は新聞連載で読んでいました。
    司馬先生の「殉死」のイメージに引きずられている乃木ですが、この本は彼の悲劇を暖かい眼差しで描いていますね。
  • 雪に舞う剣
    06'11'18維新短編集。『青梅』高杉晋作をめぐって対立する女たち…おうの、おまさ、望都尼。とくに望都尼とのプラトニックな恋(…っていうか女教師に対する中学生男子の、いけない恋愛感情)をほんのり抱く高杉晋作が可愛かった。古川先生の短編というのは初めて読んだが、長編に比べて遊び心いっぱいで愉快。
  • 高杉晋作奔る
    周囲の人たちの視点で高杉晋作が語られています。最初は商人らしく振舞ってブレーキかけていた白石さんが、だんだん高杉さんにのめりこんでいってどんどん投資していく姿が面白かったです。笑←笑いごとでもないんだけど。おうのちゃん視点が一番じーんときました。
    史実に忠実な感じ。
  • 漂泊者のアリア
    世界的オペラ歌手、藤原義江の生涯。戦前日本の音楽史の勃興をほんの少し垣間見れた気がした。「波乱万丈」という単語で人の一生を安易に表現したくなかったが、結局それ以外思いつかない。この史実をあえて淡々と編んだ作者の選択は最善だと思った。
  • 松下村塾
    相労役を重んじた
    →お互いに学び合う
    →勉学だけでなく草むしりなどもさせた
    禁欲的
    →酒やタバコは否定派
    誰でも受け入れる
    →身分も年齢も関係ない
    →入学金も基本なしで授業料は米も可能
  • 斜陽に立つ
    愚将と言われる乃木希典の物語。
    同郷の作者により、愚将というレッテルを覆すような内容。
    でも、難しかった。
    読むのに苦労した。
  • 影武者
    先に読んだ「花冠の志士」が良かったので、もう一冊。今度は短編集です。
    悪くは有りません。標準点以上と言えるでしょう。でも余り突出したものは感じませんでした。ひょっとしたら長編作家さんなのだろうか。
    ところで、このなかの「奇謀の島」は毛利元就が雄飛するきっかけとなった陶晴賢との厳島の戦いを描いてい...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    『留魂録』は、吉田松陰が1859年10月27日に死刑判決を受けて即日処刑された、その前日に江戸小伝馬町の牢獄で書き上げた遺書である。本書には、『留魂録』本文のほか、解題、史伝が含まれ、松陰の生涯と時代背景についても詳しく解説されている。
    松陰は、同じ遺書を二通書き、一通は萩の高杉晋作、久坂玄瑞らに届...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    文章で読んでいるだけでも教育者としての凄さが伝わってくる。諄々と諭すような講義を面と向かって学んだときの感化力は相当大きいのだろうなあと思った。ただ、松陰先生は行動に関しては粗忽なくらいに機を見ずにやっちゃう人だったのか?友人の仇討旅行につきあう約束をしたけど藩からの手形が間に合わなくて脱藩したり、...続きを読む
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    偉人であるとの先入観を持って読んだため、
    若干肩すかしに感じた部分があった。
    (現在の日本に与えた影響は計り知れないとわかりつつ)
    しかし、松陰とのやり取りで、今も昔も、お役所ってこんな感じだったのねと思った。
    100年後もおそらく同じなんだろうな。
  • 吉田松陰 留魂録 (全訳注)
    吉田松陰の遺書「留魂録」の全訳・解説の本です。以前読んだ「世に住む日々」を深掘りする意味で読みました。「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留置まし大和魂」という有名な書き出しで始まる。歴史的な価値のあるものなのだろうが、その内容は死を前にして少し女々しい感じもしてしまう。又幕府につかまり、余計な事まで...続きを読む