広瀬正のレビュー一覧
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序盤の登場人物が入れ替わり「あれ?」と思っていたが
あまりのあっけなさに終盤に向けて再登場するあたりで
「やっぱり」と感じたが、謎解きを経てラストシーンを考えると
何気ない仕草も意味深。Posted by ブクログ -
ツィス音(二点嬰ハ音)が聞こえる、と訴える一人の女性。そこから大騒動が始まります。徐々に騒ぎが拡大し様々なところに影響を及ぼしていく、その過程は面白いし興味深いです。こんなところにも関係してくるのか、と。国や世界を巻き込んでのパニック作品は多々あれど、音による災害というのは聞いたことないですし。けど...続きを読むPosted by ブクログ
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2009年3月15日購入。読書期間2009年4月10日〜18日。
表題作のほかに短編を含む。
表題作は面白い。しかし、難しい。
誰もが一度は考えたことのあるだろう鏡の国に迷い込んでしまった主人公の話。
鏡に写る世界とはどういうものなのか、鏡の反射などについて詳しい記述があるため、難しいが理解しやす...続きを読むPosted by ブクログ -
ジャズ評論家として夙にその名を知られるK大学教授浜野先生は,かつての教え子の一人が,やっと発明しましたといってタイムマシンを持って訪ねてきた時,ひと通り説明を聞き終わると,
「ちょっと僕に使わせてくれないか」
といった。
先生は,タイムマシンを使えば,今は亡きチャーリー・パーカーの演奏をなまで...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった。物理のレポートのために借りたのに、肝心の物理については全力で読み飛ばしてしまった(笑)
でもなんか…うーん、よくわかんないけど面白かった。上手く言い表せないなぁーPosted by ブクログ -
<忘れもしない昭和九年九月二十日,私は映画を見に行きました。もしその日,映画を見に行かなかったら,私は歌手にならなかったでしょう。というのは,その映画が歌手の成功物語だったから,などというのではなく,映画を見終わって出たとき,ちょっとした事件が起こり,そのおかげで,私をレコード界に入れてくださった,...続きを読むPosted by ブクログ
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が,その彼を徹底的に打ちのめしたのは,やがて見えてきた商店街の看板だった。まず酒屋の看板が目に入った。つづいてスーパー・マーケットの切り文字,黒枠のついた葬儀社の看板。ぜんぶ鏡文字だった。酒屋の前に積んであるビールのケースの字もマークも,中にならんでいる日本酒のびんの字も,何もかも,左右反対だった...続きを読むPosted by ブクログ
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パラレルワールド・テーマの長編。
最後の1行が効いている。ただし、数ページ前に伏線あり。このパターンには見覚えがある。
乾くるみ『イニシエーションラブ』だ。
ただ、こちらの効果はSF的な眩暈であるところが異なる。
ただ、この仕掛けでは長編を支えるのには弱い。
広瀬正らしい戦前―東京の街、ラジオやテ...続きを読むPosted by ブクログ -
レベル3到達が報じられた,十一月のはじめ,Sテレビ“ツィス情報”の視聴率は四〇パーセント台にはね上がった。
そして,ふつうだと六時五十五分ごろのセット・イン・ユース(総視聴率)は六〇パーセント程度なのだが,そのセット・イン・ユースが八二パーセントに達していた。ということは,つまり,いままでその時...続きを読むPosted by ブクログ -
短編集だが、300ページ弱、という短篇としては長い(しかし質的には短篇と言える)『鏡の国のアリス』が大半を占めている。
その『鏡の国のアリス』。
最後の1行によるメタ小説的な仕掛けに膝を打つ。
作者は何よりこれをやりたかったのか?
そのための『鏡の国のアリス』(夢を見たのはアリスか赤の王様か)だっ...続きを読むPosted by ブクログ -
この方の小説を読むのは2作目です。前読んだ本の後書きに(星新一さんだったと思うのですが)この方は本のタイトルの付け方が悪い、とありました。…確かに。もっと良いタイトルあると思うんですけどね…
もし、過去のあの時違う行動を取っていたならば。今の自分は無いかも知れない。自分を取り巻く環境は変わってい...続きを読むPosted by ブクログ -
う〜〜ん、やっぱりピンと来ません。
ストーリはすっかり忘れていて、ほぼ初読と言っても良い状態。最後のドンデン返しもすっかり忘れていました。
不満なのは視点の狭さなのでしょうね。
多くの優れた海外SFは様々な視点から描かれる事が多い。それに対し、この本では視点が集団の狭い人間に限られている。ツィス音...続きを読むPosted by ブクログ