「秦建日子」の『刑事・雪平夏見シリーズ』三作目『刑事 雪平夏見 殺してもいい命』を読みました。
アンフェアシリーズ第二弾映画化作品『アンフェア the answer』を観て、久しぶりに『刑事・雪平夏見シリーズ』を読みたくなりました。
「秦建日子」作品は、昨年9月に読んだ『サマーレスキュー ~天空の
...続きを読む診療所~ 』以来ですね。
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2004年12月、数々のヒットドラマを手がけてきた脚本家「秦建日子」氏によって、バツイチ、子持ち、大酒飲み、捜査一課検挙率No.1、そして「無駄に美人」という型破りな女性刑事「雪平夏見」を主人公とするミステリ『推理小説』が誕生しました。
『アンフェア』というタイトルでドラマ化(関西テレビ・フジテレビ系/2006年1月~3月)されたこの作品は、06年に刊行されたシリーズ第2作『刑事 雪平夏見 アンフェアな月』と共に累計88万部を越えるベストセラーとなりました。
映像で篠原涼子さんが演じた雪平夏見のクールな魅力は、今もご覧になった皆さんの脳裏に深く焼き付いているのではないでしょうか。
そして2009年10月、ついにシリーズ第3作『刑事 雪平夏見 殺してもいい命』が誕生します。
シリーズ中、最も困難にして、最も哀しい事件の行く末とは?
タイトル『殺してもいい命』に込められた思いとは?
前作から実に3年、ずっと待っていて下さった読者の期待を裏切らない、そして単なるミステリの枠にとどまらない、心に沁みる作品です。
多摩川の河川敷で男性の遺体が発見される。心臓の真上にはアイスピックが突き立てられ、口には細く丸め赤いリボンをかけた紙が突っ込まれていた。
紙には、“フクロウ”を名乗る人物からの「殺人ビジネス始めます」 「20人殺したら引退」など連続殺人の宣戦布告とも取れる内容が書かれ、ご丁寧にも領収書まで一緒に入れてあった。
「私こと佐藤和夫は、確かに、フクロウに殺されました」と……。
殺されたのは、「雪平夏見」の離婚した元夫だった。
手がかりを残さない“フクロウ”に、捜査はほとんど進展せず、「雪平」は相棒の「安藤」、「林堂」、「平岡」と共に捜査本部に知られればクビも免れない、許されざる方法で“フクロウ”を見つけようとする。
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『刑事・雪平夏見シリーズ』は、5年前に読んだ『アンフェアな月―刑事 雪平夏見』以来… このシリーズは面白いので、期待して読みました。
映画『アンフェア the answer』でも、「雪平夏見」の元夫「佐藤和夫」が殺人事件の被害者となるのですが、背景も動機も全く違い、映画と小説では全く別な展開になっているようですね。
第1章から第3章までは、本編との関わりがありそうだけど、具体的な接点が不明確な挿話から始まります、、、
読み進めていると、その3話が同一人物の幼少・少年・青年時代の逸話で、その人物こそが“フクロウ”ではないか… と思えてくる展開となっているのですが、それが読者への巧みな罠になっていて、読者は微妙にミスリードさせられてしまいます。
(私はまんまと騙されてしまいました… )
真犯人には近づくけれども… 微妙にズレた推理をさせられるので、終盤が近づいたところでどんでん返しがあって面白かったです。
まさかのまさかの人物が真犯人、、、
それを常にサポートし続けていた、ある人物… いやぁ、ホント意外だったな。
カメラマン「永井隆」のストーカーとしての執拗な態度は、本当に嫌気がさしてきますが、、、
ストーカーとして、更に一枚上手なのは、「雪平」の元夫「佐藤和夫」の再婚相手「由布子」でしたね… 怖っ!
気になるのは「雪平」の愛娘「美央」の運命、、、
自宅で眠っている「美央」に対し、犯人が「枕元にしゃがみこみ、あることをした。」となっており、
銃撃戦の末、倒れた「雪平」が「美央」を心配した際、同僚が「詳しいことは言わなかった。」とある、
えーっ、どうなっちゃったの!?と気になるままエンディング… 続篇を読めって、ことですかね。
ホントに気になるなぁ。
以下、主な登場人物です。
≪警視庁≫
雪平 夏見(ゆきひら なつみ)
捜査一課検挙率NO.1の“無駄に美人”な刑事。
40歳。
安藤 一之(あんどう かずゆき)
捜査一課刑事。
雪平の相棒。
林堂 航(りんどう わたる)
捜査一課強行班三係。
2年前の幼女誘拐事件後に異動となった。
平岡 朋子(ひらおか ともこ)
捜査一課強行班三係。
イブも正月も仕事を入れる。
山路 徹夫(やまじ てつお)
捜査一課長。
沢井(さわい)
捜査一課の刑事。
島田(しまだ)
捜査一課の刑事。
鯰江 規雄(なまずえ のりお)
玉川南署刑事。
雪平とは同期で、彼女の結婚式にも出席した。
実家は鍵屋。
相田 紅彦(あいだ べにひこ)
捜査二課警部補。ネット班のチーフ。
40代半ば。
緑と青のツートンカラーの派手な眼鏡をかけている。
上司にも平気で突っかかる、雪平と似た部分がある。
浜名(はまな)
北品川署の警部補。
小森(こもり)
検死官。
阿部(あべ)
碑文谷署の巡査部長。
≪事件関係者≫
小田 愛美(おだ まなみ)
永井をストーカーで訴える。
伯父は刑事部長の羽田。
デザイン事務所に勤めている。
永井 隆(ながい たかし)
カメラマン。
愛美の働くデザイン事務所で仕事をして以後、付きまとうようになる。
迫田 勝(さこた まさる)
迫田探偵事務所の所長。
依頼されるのは8割方浮気調査。
羽沼 弘毅(はぬま ひろき)
30歳前後。
表向きは小さな金融会社の社長。
佐藤 和夫(さとう かずお)
雪平の元夫。
別の女性と再婚して間もなく、“フクロウ”に殺される。
岩根 貴洋(いわね たかひろ)
中堅家電メーカーの人事担当役員。
リストラの実務を担当している。
“フクロウ”に殺される。
川手 桃子(かわで ももこ)
猫の愛護ボランティア活動に勤しむグループのリーダー的存在。
40歳、主婦。
玉田 元(たまだ はじめ)
平岡の元彼氏。
金融マン。
平岡が刑事だと知って別れたいと言った。
佐藤 由布子(さとう ゆうこ)
和夫の再婚相手。
30歳。
1年半ほどの交際を経て結婚した。
雪平に美央と3人で暮らさないかと提案する。
赤木 友江(あかぎ ともえ)
4年前に雪平が射殺した少年の母親。
修善寺温泉で住み込みの仲居として働いている。