長谷敏司のレビュー一覧

  • ストライクフォール2
    前作の衝撃の展開からの主人公初勝利。だが歓喜はそこまでで、本作はその後の厳しい現実を描いた物語である。弟と成り変わるという行為はかなり衝撃的であり、賛否両論あったように思う。確かにシチュエーションとしては素晴らしいが、主人公である雄星自身の名誉はどうなるのか?ずっと「代役」のままで良いのかと悶々とし...続きを読む
  • ストライクフォール
    《宇宙の王》よりもたらした万能の泥。それを利用した兵器チル・ウエポン。長きに渡った宇宙戦争が終結を告げ、それにより戦争はストライクフォールという疑似戦争の競技へと成り代わった。この物語はストライクフォールのプロに魅せられた兄と、そんな兄よりも一歩先にプロデビューした天才の弟の物語である。

    憧れの兄...続きを読む
  • ストライクフォール3
    3巻にして初試合という、シリーズやジャンルで見ると何ともスローペースなのだが、1、2巻の積み重ねは大きく、じっくり描くことの大切さを教えてくれる。若き俊才アデーレがケイトリンを撃破したというのは、最初は地味に感じたものの、じっさいに読んでみるとその衝撃度は極めて大きく、チーム内の苛烈かつ貪欲なポジシ...続きを読む
  • あなたのための物語
    尊敬もへったくれも無い、生々しくて痛々しい「死」の描写から始まる。
    主人公のサマンサの周囲や社会、死に対する抵抗《プロテスト》な生き様が、余計に読んでいて精神にハードパンチしてくる。

    『小説を書くためだけに開発された仮想人格』の「ワナビー」はサマンサのために、彼女を喜ばせるために、膨大なサンプルを...続きを読む
  • BEATLESS 下
    感情ではハッピーエンドと感じられないけど頭で考えるとこれこそがハッピーエンドだと思うし、100年後にはもしかしたらすんなり感情でも受け入れられるのかも知れなくて、このエンディングは最強。
    ハッピーエンドだと望みたい。
    この物語をハッピーエンドにできるアラトくんが凄い。
  • 円環少女 11新世界の門
    くやしい
    これだけ面白い物語がくせの強い文章と不可分で楽しめないひとには楽しめないだろう事実がくやしい
    まったく傑作
  • 円環少女 12真なる悪鬼
    神が降臨してさまざまに伏線回収いよいよ終局へ
    ファンタジー的な舞台世界の
    落ちるべき在り様がはっきりしてきてさびしい
    現状ではヒロイン2人の動機がそこに添えておらず
    成長物語としては中途半端だが
    最終巻を待ちたい
  • 円環少女 13荒れ野の楽園
    完結
    壮大にばらばらになるでもなくずるずる引き延ばすでもなく
    きれいにまとままってめでたい
    エンタメ度高いりくつっぽいファンタジー(すなわちSF)バトルというライトノベルとして傑作
    変態的な描写が読者を選んでしまうのは残念だが作者のおもしろがり重心かかった個性であれば仕方ない
    キャラクタとしては英雄...続きを読む
  • 円環少女 1バベル再臨
    全13巻再読 代表1巻
    『ストライクフォール』がいまいちだったわりに
    あの作品もこの作品も『円環少女』には劣るぜと唱え続けて
    この作品にSF大賞も星雲賞も向けなかったSFかいわいは無能といい続けているので
    読み直す
    やっぱり小学生は最高だぜ

    ヒロインが小学生だったり
    主人公がライトノベルとしては大...続きを読む
  • ストライクフォール3
    宇宙でロボットバトルをここまでSF(かがくてきな嘘)にそくしてまじめにするとは
    という喜びの点で
    SF能力バトルという面での『筺底のエルピス』に対するそれと同じくする
    主人公機がまさに文字通り世界を変えるほど重要なのにある種放置されていたり
    ヒロインずがわかりやすく理解不能なのもまこと味わい深い
  • あなたのための物語
    初敏司。ネットにて面白そうだったので、購入。第30回日本SF大賞候補。人間とは何か。死。テーマが深遠過ぎて…作者ホント凄いなぁ。《wanna be》のサマンサへの想い——。最後は辛かった。作中“何故、物語を読むのか?”という考察がなされているが、これからじっくりと考えたい。
    最後に、何より自分の健康...続きを読む
  • BEATLESS 下
    上巻は冗長に感じたが、下巻に入ってスピード感を感じて読むことができた。上下巻でかなりのボリュームがあり、人と人とそっくりなアンドロイドとの共存を考えさせられる物語だった。アンドロイドものとしては秀逸だと思う。
  • メタルギア ソリッド スネークイーター
    オセロットのウエスタンかぶれは遺伝だったのか…

    ゲームだと爆発するエキセントリックな人たちという印象が強いコブラ部隊(語弊)ですが、小説ではそれぞれ肉付けがされていて人間性が感じられます。
  • 伊藤計劃トリビュート
    いかにも伊藤計劃トリビュートらしい中編集。
    戦争をAIから取り戻す「公正的戦闘規範」、AIが推奨される選択肢を掲示する世界「ノット・ワンダフル・ワールズ」が特に面白し、伊藤計劃らしさがある。
    分厚さもありSFはじっくり読み込んでしまうので時間がかかったが非常に面白かった。
  • 伊藤計劃トリビュート
    意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。

    ノット・ワンダフル・ワールズ
  • 伊藤計劃トリビュート
    文字通り、伊藤計劃トリビュートの作品集である。文庫本で700ページを超える厚さであるが、作品数は8つの中篇集である。どの作品も伊藤計劃の影を感じさせる作品であり、作家らがいかに伊藤計劃氏の影響を受けているのか感じられる。しかもどの作品も驚くほど面白い。各作品に引き込まれるように読んだ。ページ数は多い...続きを読む
  • 伊藤計劃トリビュート
    私的には話がすごく粒揃いだった。
    未明の晩餐はぜひ長篇でもやって欲しい。もっとよみたくなる、話だった。
  • My Humanity
    作家初読み。これはすごい、面白い。テクノロジーで変容する世界と、変化する社会の中を生きる人間の希望、戸惑いや悩みを丁寧に描いたSF短編(中編)集。

    「地には豊穣」
    脳に経験を伝達するITP技術の発展は多様な文化や民族性を淘汰するのか。技術の便利さのみを信奉してきた主人公は、自らに強調された祖国人の...続きを読む
  • My Humanity
    人の経験を脳内に描き込める言語。監視し判断する超高度AI。生物のように増殖し、人の生活圏を脅かすナノマシン。人は便利な道具を作り使う。道具は人の生活を生態さえも変えていく。支配しているのか、されているのか? 主従が逆転してはいないか? テクノロジーの進化は止まらない。それを是とするか、否とするか"人...続きを読む
  • 戦略拠点32098 楽園
    ライトノベルである。それ故に読み口は軽いがテーマは面白い。
    かなりの遠未来、銀河同盟と人類連合がいつ終わるとも判らない消耗戦を続けている(スターウォーズが銀貨英雄伝説かという舞台立てですな(^^ゞ
    人類連合の戦略拠点上にある「楽園」と呼ばれる惑星が舞台。四季折々にいろんな花が咲き実を付ける惑星だが、...続きを読む