この人は『テンペスト』を書いて話題になった人です。
まだ読んだことはないので、ものは試しということで読んでみました。
この作品は設定が未来のSFファンタジーです。
地球温暖化を阻止するために、政府は東京をそのまま超高層建築物である『アトラス』に移行して、地上を森林化する政策を取ります。
世界は炭素
...続きを読む排出量を証券化して、それを指標とした経済である炭素経済へ移行し、炭素を削減することで利益を生み出し、日本はいつの間にか資源国となっております。
東京は森林化で難民が続出して、その難民が政府と激突します。
難民のリーダーが、元女子高生、少年院から出所したばかりの少女です。
その少女が実は…、というお話です。
結構設定が凝っております。
主人公の少女の育ての親が、実は伝説のニューハーフ。
お祖母さんが難民の反政府組織のリーダー。
いろいろなキャラが出てきて話を盛り上げるのですが、実はそんなに盛り上がらないっていうのが問題です。引き出しは多いのですが上手く料理出来ていないっていう、新人作家にはよくあるパターンです。
解説でも、かなりオブラードに包んで、そのようなコトは言っておりましたが…。これ、上手い作家がマンガの原作にしたら結構良いのでは?と思ってしまうのでした。
ひとつ一つのエピソードをもう少し突っ込んで書いて、更にキャラをもう少しだけ追っていけば、ずっと良い作品になったのでは?と思います。
ホント、もうちょい!ってかんじの作品なのでした。