池上永一のレビュー一覧

  • バガージマヌパナス わが島のはなし
    沖縄の島でゆるーく遊び暮らしている19歳の娘 綾乃。ある日夢の中に神様が現れ、ユタ(巫女)になれと命じられる。

    島の雰囲気、暮らし、伝統、その気温までも感じられる。
    少女がユタになる成長物語というよりは、沖縄の島の雰囲気を味わう本だと思う。

    それにしても、オージャーガンマーが可愛らしい。
    忍耐を...続きを読む
  • 風車祭 下
    わたしがこの話を興味深く感じ、書店で下巻を手にとるにいたらせたその理由は、
    明和の大津波や巨大な台風災害を、話の重要な部分で
    かなり大きく取り上げていること、
    また島の歴史や伝承、民謡、昔話や祭りなどが、
    細かに豊かに記されていることです。


    石垣島を舞台に島人が書いた空想小説。
    作者のかたの、生...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    温暖化、政府の政策、新しい経済概念
    同じ東京での格差
    それぞれの立場で生きている感情が絡み合って面白い
  • シャングリ・ラ 下
    近未来都市トーキョーなのに、いきなり平安衣裳とか出てきてギャップに笑う。まあ、よくも悪くも角川のコンテンツをいろいろぶちこんだ感じで、設定はよく練られているんだが。戦闘シーンの描写が浅いし、紙芝居みたいに超展開なのでかなり無理があるかも。

    キャラクターの掛け合いは面白い。
    敵味方が意外な共闘をみせ...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    地球温暖化のために、超高層建造物へ都市機能を移行させた未来都市の東京。
    いかにも、SFライトノベルやハリウッド映画にありそうな設定。アニメっぽいと思ったが、もともとアニメ雑誌連載だからと納得。実際、アニメ化もされてるらしい。

    『テンペスト』が面白かったので、期待。
    少年院帰りのヒロイン國子がジャン...続きを読む
  • 風車祭 下
    下巻。
    マブイってのはなかなか面白い概念だなあと思います。
    日本でも魂が抜けるとかいうけど抜けた魂を拾いにはいかないしな。ピシャーマは可哀想なお嬢さんなのですが彼女の恋物語に終わらない所がスゴイ。ギーギーとかフジオバァにヒロインの座は奪われているし。というか霊魂のヒロインが生きているオバアより存在感...続きを読む
  • レキオス
    沖縄生まれの沖縄育ち。
    中学の同級生にはアメ女の友達もいるし、ユタの親戚もいる。
    休日には意味もなく長いフェンスを横目にドライブすることもあり、現在「天久開放地」で働いている。……
    そんな純正ウチナーンチュの私がこの作品を満喫できずに、誰ができましょうか。
    池上先生、ありがとう。超・私得な舞台設定を...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    温暖化が進み、炭素経済が支配する近未来の設定。東京では高層化人工地盤「アトラス」が建設され、地上の市街地の強制的な森林化で熱帯病の温床の死の森に。抵抗する住民は政府に対してゲリラ活動…、というかなり殺伐したストーリー。しかし、主人公や登場人物の設定は、いかにもアニメの原作で、スケールの大きな世界観と...続きを読む
  • シャングリ・ラ 下
    かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。
    世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。
    そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラ...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。
    世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。
    そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラ...続きを読む
  • 風車祭 下
    タイトルの風車祭は、沖縄で97歳の生誕祝いの祭りだそうです。
    舞台は現代の沖縄(石垣島)で、不思議で美しい幽霊との出会いを切なく幻想的に、そしてところどころでコミカルに書いた作品です。
    沖縄が舞台という事で、言葉もところどころで沖縄の言葉が出てきて、陽気でどこかあっけらかんとした雰囲気が味合えます。...続きを読む
  • 風車祭 上
    タイトルの風車祭は、沖縄で97歳の生誕祝いの祭りだそうです。
    舞台は現代の沖縄(石垣島)で、不思議で美しい幽霊との出会いを切なく幻想的に、そしてところどころでコミカルに書いた作品です。
    沖縄が舞台という事で、言葉もところどころで沖縄の言葉が出てきて、陽気でどこかあっけらかんとした雰囲気が味合えます。...続きを読む
  • トロイメライ
    池上氏の大ベストセラー「テンペスト」とリンクする傑作短編。当時の那覇の街が活気に満ちて描かれる。次は「黙示録」。
  • シャングリ・ラ 上
    分厚さに持ち運びがおっくうになって積読されてた本。ようやく読みました。

    久しぶりに当たりのファンタジー本を見つけた気分。
    設定も良いし。書き方もうまい。
    「炭素経済」は実際に起こりうる未来だし、実際に環境税(炭素税)を導入している欧州では、排出量取引はそれなりの市場になっている。たぶん、そのあたり...続きを読む
  • バガージマヌパナス わが島のはなし
    お気楽なわが道をいく不良娘が神様の啓示を受け、ユタになる話。
    前半の彼女と神様のやりとりなどわらえるところあり、後半、ユタになる決心をしてからは拝むということの大切さは心が切なくなるものがありました。
  • シャングリ・ラ 下
    解説の筒井康隆氏が指摘しているとおり、かなり過剰です。いろんな要素がてんこ盛りに盛り込まれ過ぎていて、次から次に話が展開していきますし、辻褄の合わない部分も山のようにありますので、読んでいてとても疲れました。「んなアホなぁ!」と突っ込んだこと数知れず(笑)。
    ただ純粋に娯楽小説として捉えれば、現代的...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    この作品が初池上作品ですが、説明文が多くてちょっと読みづらい文章だなあと思いました。
    内容的には環境第一という思想へのアンチテーゼのようなお話でとても興味深く読めました。
    ハイテクあり、呪術的神話的要素あり、と盛り沢山の内容ですが、ブーメランで戦車真っ二つにするってのはちょっとリアリティなさ過ぎって...続きを読む
  • シャングリ・ラ 下
    長かった。解説にもあったけど、すごく面白いコンセプトなんだけど、何となく劇画的、というかご都合主義というか。
    東京、という街が力を持っていて、そのキーとなる部分が皇居であり、またこの血筋、というのも。
    考えられているシステム、というか未来像としてはあながちない話でもないと思うし。
    楽しく読めましたが...続きを読む
  • シャングリ・ラ 下
    上巻ではまだ多少のリアリティが感じられた...いや、東京に森林が覆われてるだとか、その上にとてつもない大きさの建造物があるとかぶっ飛んだ設定ではあったものの、まだ実現できそうな気はありました。
    しかし、アトラス戦の辺りから徐々に徐々に、そしていつのまにか「死んだはずなのにコイツは何回甦ってくるんだ?...続きを読む
  • シャングリ・ラ 上
    世界観としては、リアリティがありつつも少々ファンタジック気味に感じますが、そういうものだと受け入れてしまえば、素直に楽しめる気がします。
    なかなかイメージしにくくて理解しづらい炭素経済も、なんとなくの流れを感じる程度で、十分ストーリーは楽しめます。
    実際、私もあまり理解できていませんw
    経済用語、...続きを読む