伏線確認のためについ読み返してしまう。面白い。つまり怖い。
高速怪談
さらっと流してしまった。映像で見たらドキドキするのかも。
深夜の高速道路で始まる怪談会。サービスエリアで漫画家の石黒は、思いついて女の絵を描いた。死に顔のような女の絵である。
それをきっかけに、真柄が編集長だけ見える、グラビア
...続きを読むに映り込む女の話をする。その女の特徴は、石黒の描いた絵と同じだという。
堀は自分が堀ではなく殺人犯だと話し、持ってきたリュックに石黒の絵にそっくりな女の首が入っているという。
全部作り話だったが、最後に事故で跳ね飛ばされた通りすがりの女が車のフロントガラスに激突。その死に顔は石黒の絵とそっくりだった。
笛を吹く家
叙述トリック。幽霊屋敷に魅入られた子どもはいなくなる。暴れる子ども、修一を母親は幽霊屋敷に連れていく。小さな子どもかと思わせて、修一は37歳だったというオチ。
ククダの仮面
オチは読めた。
映画祭で賞をとった自主制作ホラー映画、ククダの仮面。いじめられて死んだ男に仮面が乗り移り、いじめた人間に復讐していく作品。高く評価された暴力シーンは、現実の暴力だった。暴行を受けた主人公役の青年は自殺する。その母親が監督らスタッフを糾弾するが、監督は事実ではないと否定する。それ以来スタッフが次々に惨殺死体になって発見される。監督も自分の映画の殺人鬼が追いかけてくると言っていたが、手足を切られ、突き落とされた死体となって発見された。犯人と見られた青年の母も、白骨死体として発見された。最初の殺人が起きる前に死んでいたのだ。
こうとげい
こちらもあまり刺さらず。しかし伏線があって読み返す。そして映像化したらすごく怖いだろうと思う。ホテルスタッフの背中に汗の染みができていく描写が秀逸。
新婚旅行でホテルに泊まる夫婦は、近所をぶらつくうちにカフェを発見。そこには顔がそっくりの男女がおり、ハーブティーと木の実を出される。ホテルでその話をすると、屋上のコテージに招待される。ここは神に生贄を捧げる場所であった。地元スタッフの手引きで逃げ出すが、助けてくれた運転手は何かに殺される。
その後、妻が男女の双子を妊娠したのがわかって終わり。
カフェの2人の正体は虹蜺という、つがいの蛇神のことなのか、もしくはタニググというカエルの神か判明せず。でも動き方とか見ると蛇神だろうな。茱萸の実だという木の実も蛇の卵なのだろう。
うらみせんせい
叙述トリック。異空間になってしまった自校に閉じ込められている中学生グループ。先生と生徒にいじめられた浦見先生の霊が子どもたちを惨殺していく。語り手の優は浦見先生に遭遇し、猪木ちゃんを逃がそうとするが、猪木ちゃんに殺される。
中学生と思わせるミスディレクションがあるが猪木ちゃんの正体は担任の横山先生。生徒にいじめられていた彼女が浦見先生の霊を呼び出したのだった。
枯れ井戸の声
牛の首 的な話。
作家の香川は、断筆した先輩作家からUSBメモリを受け取る。
そのファイルに入っていた文章。作家の西村亜紀はファンから、あなたの書いた枯れ井戸の話が一番怖い、と言われるが書いた覚えがない。具体的な雑誌名なども言われるがそこにもない。ネットで調べるが作者や収録媒体がバラバラで辿り着けない。この作品を読もうと手を尽くしたあげく、YouTubeのライブ配信で読んでいるところに出くわすが、配信者は恐怖のあまり泣き出し、配信を中止してしまう。西村は井戸の悪夢を見るようになり、枯れ井戸の声を調べることをやめようと決意する
。しかし、自分が寄稿した雑誌の表紙をみると、西村の名前で枯れ井戸の声が掲載されていた。西村はこれを読み、書き写すことを決意する。「枯れ井戸の声」
渡されたファイルにそれ以降の文章はなかった。
香川が自分のサイン会で、あなたの書いた枯れ井戸の声が一番怖い、と言われて終了。
これのせいでスランプになった別の作家もいることになっていて、才能が涸れる と掛けているのかな。
怪談怪談
叙述トリック…なのか?
肝試しで起きた怪奇現象。それはアルバイトのスタッフたちが、子どもたちを怖がらせようとした芝居だった。だが、実際には子どもたちもスタッフも災害で死んでおり、全員が1人の霊能者に取り憑いて、来るはずだった未来の現象を語っているのだった。
この霊能者みたら全力で逃げるわ。ぞーっとする。