中原中也のレビュー一覧

  • 中原中也全詩集
    東京に、雪が降った。街に光に照らされて、雪が落ちて行く。
    そんな時に、ふと思い出すのが、「今日も小雪の降りかかる 汚れちまった悲しみに」というフレーズだった。そして、本棚から、この詩集を取り出す。それで、読んでみる。その詩の最後のフレーズ「なすところもなく日は暮れる」という終わり方に、雪は心の中にも...続きを読む
  • 中原中也詩集(新潮文庫)
    私が読んだものとは違うけれど一番内容が似ていたので登録させてもらった。やはり「サーカス」はいい。「ゆよーんゆやーんゆよゆやん」がとてもいい。空中ブランコの揺れている感じがとても良く伝わる。あと「臨終」の「この魂はいかにとなるか?うすらぎて空となるか?」を読んだときの感動がすごかった。そこまでこの詩は...続きを読む
  • 汚れつちまつた悲しみに… 中原中也詩集【語注付】
    いつまでも鮮度が落ちない悲しみ

    悲しみがきれいなものだと思うのは、きっと中也に会ったから。悲しみには小雪が降りかかるものと知っているから。
    遠く知った気になって、私はまだまだ知らないのだと。気づいたのでまだまだ新しい中也に出会える。よろこび。
  • 中原中也全詩集
    文豪と呼ばれる作家たちの中で、一番大好きな中原中也の全集を本屋で見つけて即買い。やはり心に残る。何度も読み返したい。折角なので好きな詩を。「都会の夏の夜・帰郷・生ひ立ちの歌・春・幼獣の歌・骨・北の海・白紙・修道山夜曲・自滅・初夏・(僕の夢は破れて、其処に血を流した)・昏睡・暗い公園・(嘗てはラムプを...続きを読む
  • 中原中也全詩歌集(下)

    なかでも感動した詩はこれじゃ
    『春宵感懐』
    『悲しい歌』
    『春日狂想』
    『夏過けて、友よ、秋となりました』
    『野卑時代』
    『山上のひととき』
    『お天気の日の海の沖では』
    『Qu’est ce que c’est?』
    『別離』
    『ひからびた心』
    『一夜分の歴史』


    ひからびたおれの心は
そこに小鳥...続きを読む
  • 山羊の歌

    やっぱり

    5月5日は中原中也の誕生日。だから読み返してみようと思いダウンロードしました。やっぱり中也の紡ぐ言葉の文章の端々に哀愁漂っていて、嬉しいことがあった時のうたにも、どこか儚げな奥深い中也らしい部分が見え隠れするのが私は好きです。
  • 汚れつちまつた悲しみに…… アニメカバー版 中原中也詩集
    「生きる」「恋する」「悲しむ」で編纂された詩集。

    綺麗に流れる詩の中に時折、不整脈の様ないびつなリズム。人の心の煮え切らなさの具現。

    夭逝の詩人に現代を見て欲しい。ブランコは今も揺れていますか?ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん。
  • 永遠の詩05 石垣りん
    ひとりの詩人の生きた証が、ぎゅっと詰まった一冊。家族を支える肩の重み、紙幣がさらさら消えていく給料袋のあつみ、そして労働とは何か。台所から人の生き死にまで綴られる、言葉の潔さ。
  • 永遠の詩08 八木重吉
    八木重吉の名前を知ったのは最近なのですが、どこで知ったか忘れましたが(アンソロジーかなにか?)とにかく、この人の詩集をもっと読んでみたいと思わされました。
    それで、探したらこの『永遠の詩』のシリーズが一番入手しやすいとわかり、このシリーズを集めだしました。はじめに八木重吉ありきでした。
    とても透明感...続きを読む
  • 永遠の詩07 萩原朔太郎
    萩原朔太郎は、高校の頃に憧れて、岩波文庫を他の何人かの詩人とともに買って読んでいた記憶があります。
    解説の高橋順子さんは巻頭の「言葉以上の言葉」という文章で、日本の近・現代詩は萩原朔太郎抜きにしては何も語れないといってよい。生涯にわたって、詩の言葉と闘い、言葉にいのちを吹き込んだ無二の詩人だったと歴...続きを読む
  • 永遠の詩06 宮沢賢治
    宮沢賢治はずっと好きだと思っていました。
    ただ、レビューするにあたって、この「永遠の詩」シリーズの第六巻、全部読み直しましたが、賢治は小学校の教科書にも載っている、なじみの深い作家ですが、非常に難しい作家だと思いました。
    しかし、好きなこと、イコール意味がよくわかることでは、必ずしもなくていいのだと...続きを読む
  • 永遠の詩05 石垣りん
    初期の詩は、少しこわいくらいの精神力の強さが感じられました。
    少女の頃から一家の生活を支えて、家族を次々に亡くしたという環境もあったことだと思われます。
    初期といっても、初めての詩集『私の前にあるお鍋とお釜と燃える火と』を出されたのは39歳という遅咲きの詩人だったそうです。
    晩年の詩は肩の力が少し抜...続きを読む
  • 永遠の詩04 中原中也
    この永遠の詩シリーズは8人の詩人が取り上げられていますが、最も早熟の天才は中原中也ではないでしょうか。
    高橋順子さんの解説によると、幼いころは神童といわれ、17歳で女優と同棲、のちに失恋、愛児文也の死、そして自身の早すぎる死まで短くて波乱に満ちた生涯だったようです。
    中也のファンとしても有名な川上未...続きを読む
  • 永遠の詩03 山之口貘
    「永遠の詩」シリーズは、まだレビューにはまとめていませんが、全巻、既読です。その中でおそらく誰もが親しみを覚える詩を書いているのがこの「獏さん」こと山之口獏さんです。
    社会のことを書いても、ユーモアと明るさがいつもあって、親しみやすい方です。
    むずかしい語法の詩はひとつもありませんが、「たった一篇ぐ...続きを読む
  • 永遠の詩02 茨木のり子
    茨木のり子さんの詩集は、以前にも何冊か読んでいますが、この詩集の高橋順子さんの解説によると、意味を取り違えて読んでいたものがありました。この「永遠の詩」シリーズは解説が1作ごとにあり、とてもわかりやすく、選詩も、選りすぐりのものばかりで、評価されるべきシリーズだと思います。

    「落ちこぼれ」
    落ちこ...続きを読む
  • 永遠の詩01 金子みすゞ
    「おはじき」
    空いっぱいのお星さま、
    きれいな、きれいな、おはじきよ。

    ぱらり、とおはじき、撒きました、
    どれから、取ってゆきましょか。

    あの星
    はじいて
    こう当てて、
    あれから
    あの星
    こう取って。

    取っても取っても、なくならぬ、
    空のおはじき、お星さま。


    <解説より>
    みすゞが瀬戸崎尋...続きを読む
  • 中原中也詩集(新潮文庫)
    かの有名な「汚れつちまつた悲しみに」も勿論だが、中原中也の真骨頂は夏の詩であると思う。
    じりじり照らす太陽の下、じいじい蝉の声を聞きながら、ひんやりとした大樹の下にぽつり立ち尽くす、そんな孤独。冷たさ。
    平易な文体故、その冷たさが余計に刺さる。

  • 中原中也全詩集
    350篇もの全詩集です。
    長かった!...けど読みやすかったです。
    中原中也の詩は先ずテンポが良いのが一つの魅力だと思います。
    読む音楽みたいなと言ったら変かもしれませんが、それくらいリズミカルなのが心地良いです。
    中原中也という人となりと、言葉や漢字の裏に隠された意味を理解出来ると嬉しくなる一冊で...続きを読む
  • 永遠の詩01 金子みすゞ
    普通に過ごしているうちは目に入ってこないものたちに向ける、優しい眼差し。
    金子みすゞの詩は、そんな慈しみに溢れています。

    日常の風景を美しく切り取る作家の言葉も好きだけど、こんな風に見えなかったもの達の素朴な美しさや佇まいをたった数行で示してくれる詩人の言葉にも、いつの間にか胸を突かれる歳になった...続きを読む
  • 汚れつちまつた悲しみに…… アニメカバー版 中原中也詩集
    初めて詩集というのを読みました。
    この詩集は「生きる」「恋する」「悲しむ」がテーマのアンソロジーだそうです。
    有名な「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」が子供の頃、何となく聞いて???な具合でしたが、一部始終を通して読むと、それが「空中ブランコ」と認識できる、イメージを集中すれば非常に理解はしやすいと...続きを読む