藤原緋沙子のレビュー一覧
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藤原緋紗子さんの浄瑠璃長屋春秋記シリーズ№2「潮騒」、2014.10発行です。潮騒、雨の音、別れ蝉の3話、抑制の効いた親子、男女の情が読む者の心に迫ってきます。身分制度や諸法度に縛られ、与えられた環境下で生きるしか術のない時代に思いをいたし、その人々の気持ちを察しながら、あらためて現代の自由すぎる環...続きを読むPosted by ブクログ
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次期藩主の座をめぐる政争が幕府に露見し、安芸津藩はお取り潰しとなった。江戸藩邸詰めだった片桐弦一郎は、突然の改易と義理父と妻の自害という、この世の無常、悲哀を知った弦一郎は、浪人となり古本屋の筆耕の仕事をし神田の裏長屋で暮らしている。住む長屋の地主家持ちの武蔵屋の出戻り娘・おゆきが紹介する口入れ屋の...続きを読むPosted by ブクログ
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三つの物語のうちやはり最後の恋指南が良かった 夫の仇を討った はぎの 恋の行方は多難だな
それにしても正義の味方になって悪党どもに突っ込んでゆく向こう見ずの勇ましすぎには 感心しますが 千鶴が危なくなると必ず求馬が現れて助ける 笑い なんか磁石で危険を察して引っ張りるのかなPosted by ブクログ -
夢のなかでおっかさんに会ったんだと 珍念の瞼の母との再開は成るのか 急に行くえ不明になった豊さんと袋屋の与七の恋はむすばれるのか 最後まで面白かったPosted by ブクログ
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時代劇ドラマ「桂ちづる診療日録」の原作、2巻目。
どうやらドラマの方は女牢医を主題にしているようで、1巻の『花蝋燭』に続き、『月下恋』も切ないエピソードでした。
父の死の秘密に迫る『霧雨』も、千鶴の父の性格が滲みでた話で、悲しいけれど温かさが伝わってきました。
ドラマは兄絡みの人間関係が丸々オリジナ...続きを読むPosted by ブクログ -
買ったまま、精神的に本読み気分でなかったために放置。
こんなに面白いのに放っておいたことをかなり後悔。
続編をまとめ買いしたのは言うまでない。Posted by ブクログ -
1年半振りの14作目。最後の最後に求馬が戻って来てくれてやっと元に戻るかな。今回は中編2作。女性目線の話で大変だよなと思う、江戸時代は。1作目、ちょっと最後が安易なような気が・・・Posted by ブクログ
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最終巻
具合の良くない藤兵衛の跡を継ぎ清七が主となった絵双紙本屋・紀の字屋は、ますます繁盛していた。
一方、それを恨む同業者の近江屋が、紀の字屋の乗っ取りをはかっているという、噂が聞こえてくる。
そんな中、絵師の与一郎が、身に覚えのない人殺しの罪を被せられ、牢に入れられ清七は真相を追う。Posted by ブクログ -
初めての時代小説ということで、江戸ことばに戸惑ったが、家族という近い存在だからこその関わりの難しさからのほんわか心温まる作品で、面白く読めた。Posted by ブクログ
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橋廻り同心・平七郎控 シリーズ 11
《龍の涙》
橋番の善兵衛が殺された。
善兵衛は、人の羨望を集める程の、大店、材木問屋「信濃屋」の主人だったが、3年前、火事が元で、店が潰れ、橋番人となっていた。
そんな善兵衛だが、7年前、行き倒れの男を助け「この金を上手く使って、這い上がれ。挑んでみるんだ」...続きを読むPosted by ブクログ -
十五間川で久松という男の死体が上がった。奉行所定町廻りでは自殺として処理したのだが、一緒に暮らす女将が久松の死因に疑問を持っていたので、再調査の依頼が橋廻り同心立花平七郎に届いた。
平七郎が調べると、殺しが疑われた。更に、7月20日に起きた深川、油問屋浪速屋の押し込み強盗と放火事件に絡む重大な犯罪...続きを読む -
第1話「彩雲」は、立花平七郎が青春時代に剣術修行に励んだ頃の友人に係わる事件である。
上村左馬助と瀬尾鹿之助がその友人だが、それぞれが成人になり、鹿之助は下野国に帰り、黒金藩で藩主のお側で仕えていた。
この鹿之助に幾つもの不幸が降りかかるのである。御前試合で藩主の遠縁の富山伊一郎からいかさま試合...続きを読む -
第1話の「紙人形」は、困難に際しその対応を少しばかり間違えたことで、人生が大きく変ってしまった町人の物語である。
50両もの借金を抱えた小間物屋の吉兵衛は、その返済に窮してしまい、以前奉公していた小間物屋の「えびすや」を頼って金を借りるべく訪ねた。しかし、主からは相手にもされずに冷たく追い返される...続きを読む -
大阪落城前後の京都
女性ながら宇治のお茶師の跡を継いだ主人公「綸」
政治、権力に翻弄されながらも宇治のお茶を守るために
奮闘する若い女性の姿を描く
豊臣と徳川の争い
お茶師内の足の引っ張り合い
主人公の凛とした強さが魅力Posted by ブクログ -
天下太平の世が長く続く江戸。特権階級の武士はたいした役目や仕事もなく無為に日々を過ごすだけだ。
反面、町人の世界は盛んになり繁栄するのだが、特に大店と呼ばれる町人の中に取り入る武士が現れる。そこには、金が全てという価値観の変化が見られる。
第二話は、奉行所の内輪の話である。南町奉行所で威勢を謳歌...続きを読む -
橋廻り同心、立花平七郎は江戸に沢山掛かる橋の検査の役目に就いている。これは奉行所の一つの役目なのだ。木槌で叩いて橋梁や橋板などの腐食、傷みを見つける。単純だが根気の要る仕事だ。もし落ち度があれば、橋の倒壊や流失などの重大な事故に繋がる。だから、たまに平七郎は仕事後には橋の袂の茶屋や居酒屋で相棒の秀太...続きを読む
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第2話「秋茜」は、蝋燭問屋播磨屋の主の自殺に係る投げ文が奉行所にあり、榊原奉行から依頼された平七郎が探索を始めるのである。
橋廻り同心、立花平七郎は旗本で火付盗賊改方の市岡勘解由の不正を調べることになった。
市岡は、その屋敷で賭博を開いては市井の人々を餌にしていた。なかでも市岡家と取引のある商人...続きを読む -
安定の内容でした。患者の周りを取り巻くさまざまな問題が解決することで患者の病も快復する、という千鶴先生の行動力は、なかなか一歩を踏み出せない私に勇気を与えてくれます。Posted by ブクログ
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北町奉行所定橋掛同心、立花平七郎は日々江戸市中の川に架かる橋を検査し、傷んでいるところがないかを確認するのが役目である。元々は定町廻同心だったが、何か不手際なことをして、降格されて奉行所内では一番格下の橋廻を務めている。この小説は、平七郎が橋を巡りながら江戸の街を歩く間に起こる事件などの物語である。...続きを読む