【感想・ネタバレ】蚊遣り火―橋廻り同心・平七郎控のレビュー

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Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
江戸の夏の風物詩―杉の青葉などをいぶして蚊を追い払う蚊遣り火。それを庭で焚く女の姿を、松幡橋の袂からじっと見つめる若い男がいた。前夜、橋向こうの小間物屋の主が殺された。若い男の不審な佇まいに平七郎は素性を洗う。やがてその男清吉と、蚊遣り火の女おちかの悲恋が明らかになると同時に、新たな疑惑が…。橋廻り同心平七郎の人情裁きやいかに。

令和元年5月11日~13日

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2019年05月13日

ネタバレ 購入済み

大阪出の店者の人情ある幸せとは

第2話「秋茜」は、蝋燭問屋播磨屋の主の自殺に係る投げ文が奉行所にあり、榊原奉行から依頼された平七郎が探索を始めるのである。
橋廻り同心、立花平七郎は旗本で火付盗賊改方の市岡勘解由の不正を調べることになった。
市岡は、その屋敷で賭博を開いては市井の人々を餌にしていた。なかでも市岡家と取引のある商人を賭博に誘っては大金を巻き上げ、やがて借金地獄に陥れ、自殺させたり、お店の沽券を奪うという極めて悪くどい事実が判明する。
平七郎は読売屋のおこうと辰吉などの仲間の助けを借りて証拠をつかみ、榊原奉行を通じて市岡を大目付に訴え成敗する。
他方、平七郎の下役の秀太が小名木川に架かる万年橋の袂で川に浮かんで息も絶え絶えの花輪糖売り男を助けた。
そして医者で介抱していると、五歳ぐらいの男の子が自分の父親だと名乗りがあり、花輪糖売りの与太郎だと名前が判った。大阪の米問屋の息子で、店を継ぐのにその才能があるかどうかを試されて、100両を渡されて旅に出されて江戸にやってきた。半年の期間内にどうしても商売を広げるような妙案が出なかった。やがて彼は疲れ果て生きる自信を失う。彼は郭に入り浸るが、そこで子持ちのおしかと知り合いになる。
残った有り金全てを果たいておしかを身請けして、子どもも一緒に暮らし始めるのだが、おしかの方は派手な暮らしを忘れられず家を出てしまう。このおしかの奉公先が市岡の屋敷だったことで、おしかも市岡の悪事に加担していたのだが、平七郎の説得など、また最後は子どもと与太郎への情けに絆されて元の鞘に無事収まるのである。与太郎は女房子どもと花輪糖売りで地道な商売を続けて暮らすのである。
この物語は非常に淡々としかも丁寧に話されていて、良い話しである。しかし与太郎の大阪への想い、郷愁はないのかどうなんだろうと少々浮かぶと同時に、それに触れていないことに少し物足りなさを感じる物語でもある。

#笑える #ほのぼの #切ない

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2022年03月02日

Posted by ブクログ

三つの物語 蚊遣り火 秋茜 ちちろ鳴く 女性らしい細やかさですらすらと読めてどんな結末も将来に明るさを残しているのが良い お奨め本

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2013年08月17日

Posted by ブクログ

橋廻り同心・ 平七郎控 シリーズ 7


立花平七郎は、三年前まで"黒鷹"と異名をとるほどの定町廻同心であったが、過去の事件の責任を負わされて、閑職と揶揄される橋廻り同心となった。
平塚秀太と二人で、百二十いつくの橋を見回っているが、榊原奉行から、江戸の町の「歩く目安箱」という密命を受けている。

《蚊遣り火》
蚊遣り火を庭で焚く女。それを見つめる若い男。
佇まいが不審と、平七郎は、気になるが、その男は、秀太の幼馴染の清吉だった。

《秋茜》
平七郎は、榊原奉行から、火盗改役・市岡勘解由を調べるように、密命を受ける。
その茶室で、茶を立てているのは、旗本の奈津。
以前、母から聞かされた、縁談の相手であった。

《ちろろ鳴く》
石工の長次郎が想いを寄せたおふさを、うつぼの三次と言う、元目明かしが『以前、囲われていた旦那の娘を殺した』と言い、ゆすっていた。

3遍とも、柔らかな内容で、嫌味がない。

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2022年07月03日

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