小松左京のレビュー一覧

  • 時の顔
    この本じゃないけど「時の顔」が読みたくなった.タイムパラドックス者の傑作であると同時に高校生の僕を読書の世界に誘ってくれた一編.
  • 日本沈没(下)
    下巻は中盤まで政府やら国連やらの話が書かれていて、なかなか読み進めるのが大変でした。しかし、第6章の「日本沈没」は、一気に読み進めました。中央構造線大地震から始まり、その後は日本が地震や火山の爆発でとんでもないことになっている時に北アルプスを縦走して遭難した人々を小野寺が救助に行くというシーンが描か...続きを読む
  • 日本沈没(上)
    地震は大嫌いですが、地学分野は好きなので読んでみました。この本に書かれていることが実際には起きてほしくないですね。特に東京大地震の被害が本当に桁違いですね……。
    また、300ページくらいからの田所博士の講義が、完全に地学の教科書と化していました。(多少フィクションは含んでいますが。)また、政府が入っ...続きを読む
  • AWAY-アウェイ- 2
    ついに明かされた世界の秘密。もう少し先まで描いて欲しかったけど、納得はした。亡くなった赤ん坊たちの爪と髪を切った気丈な一樹が、大介を3年待てずに飛比夫と子供を作ったのにビックリ。でもこの話で一番心に残ったのは伝説のマタギ河津克巳。「狩って殺して調理して食って生き残るんだがんばれ!」事態を解明し統率す...続きを読む
  • AWAY-アウェイ- 1
    面白かったー

    原案の設定を変えて、
    18歳以上と18歳未満に別れてしまった世界で、お互いどう生活するかという話。
    未満も大変だけど、以上も大変だね、なんだかもう。
    こちらに提示される日付が前後するので、それも面白い。

    期待を込めて星多め。
  • AWAY-アウェイ- 1
    設定が非常に興味深くドキドキしながら読み進めている。原作が小松左京の「お召し」ということで、内容はSFだが結構リアルなものを感じる。原作より自由度を高めるため年齢設定が18歳をボーダーとしている。続きが早く読みたくなる物語がまた出てしまった。
  • AWAY-アウェイ- 1
    小松左京著『お召し』を原案に描いたというSF。原案では突然大人が消えて12歳以下の子供だけの世界になってしまうらしいが、AWAYでは年齢の設定が変わり18歳未満の世界となる。赤ん坊の世話や食料や電気やゴミや病気や犯罪や火事や、問題山積みの設定環境で子供達は生き残れるのか。18歳になって戻っていく大人...続きを読む
  • AWAY-アウェイ- 1
    「お召し」だ、とすぐにわかった。
    巻末にもそのことが書いてあるが、小松左京の「お召し」と違うのは、本作での年齢ラインが18才であることと、両方の世界が描かれていることである。
    「お召し」の方は、混乱のあとの「明日はお召しの日だ」という少年の静かな思いが印象的なのだが、本作はもちろん、まったく違うテイ...続きを読む
  • 見知らぬ明日
     現在の中国がまだ中共と呼ばれていた頃。
    新彊ウィグル自治区で武力衝突が起きたという小さなニュースが発端だった。
    主人公の新聞記者はそこに大きな事件の匂いを嗅ぎつけ取材に向かうのだが、現地には予想もしない「敵」が待ち構えていた。

     主人公がいきなり妻以外の愛人と情事に耽るシーンで始まるのは刺激的で...続きを読む
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    バリエーション豊かなホラー短編集。古典ホラーや神話、伝承、妖怪を題材にしつつ、現代的な視点やSF的な解釈を持ち込んでいる(筆者あとがきでも述べられているが上手く成功していると思う)。SF的な解釈が怖さや怪しさを打ち消さず融合しているのは見事。
    一番好きなのは「すぐそこ」。
    一番怖さを感じたのは「招集...続きを読む
  • 霧が晴れた時 自選恐怖小説集
    1993年に刊行された作者自身のセレクトによる怪奇、SF奇談の15話から成る短編集。
    日本古来から伝わる伝説から怪談や妖怪の怪奇譚のみならず、時空の歪み、超能力といったSFテイストのストーリー、過去の経験から戦争に対する日本人の深層心理に根付く不安などバラエティーに富んだ小松左京の手腕がさえる『恐怖...続きを読む
  • 日本沈没(下)
    なんかの小説で「SFは難しい」と書かれてて、そのときはよく分からなかったのですが…ああそういうことね、と骨身にしみて理解させられた一作。
    製作当時、やっとこさっとこ一般化したくらいのプレートテクトニクスを理解しきった上で、その上にフィクション的な設定を載せてきてる。フィクション設定を載せる前の背景が...続きを読む
  • 日本沈没(上)
    前半は中々話が進まずヤキモキするけど、複数回の地震が東京に与えるダメージは想像以上に大きく、東方大震災クラスが東京近郊で起きたことのように生々しく、血の香りがする書きたかで描かれており、食い入るように読んでしまった。
    こんな地震がおきたら人間は抗い様がないよ。ムスメだけが心配です。
  • 日本沈没(上)
     日本の風景が美しく書かれていました。
    作者御自身が日本を愛しておられるように感じました。
    渡老人の言葉を反芻しました。
  • 明日の明日の夢の果て
    星新一と違ってウェットで含蓄に満ちた小松左京らしいショートショート。初出は恐らく1960年代後半で、ちょうどその頃のサザエさんと同じく月旅行" "選挙" "レジャーブーム"が主ネタ。選挙への無関心、二十世紀テーマパーク、アホにプレゼンと今でも通用するネタも。全体にかなり辛口で際どい。
  • 結晶星団
    「時かけ」に影響された「タイムジャック」収録の入手困難な短編集。はじめからメタメタ視点なミステリーだし、ドタバタも力いっぱいめちゃくちゃ、タイトル作はハードSFと玄人向け。ハードSFは久しぶりだったので、読むのに時間がかかった、また読み直そう。
  • 日本沈没(上)
    上巻はなぜ日本が沈没するかを説明する科学的な?話が多く、何度も放り投げたくなった。でも、こらえてゆっくり読む。下巻で描かれる物語の説得力が増す。
  • 日本沈没(下)
    本当に怖かった。
    戦中戦後の食料不足は知らないけど、親となった今、こどもを飢えさせる恐怖は理解できる。
    そういった極限状態に陥ったときに、自分は理性を保てるのだろうか。ヒステリーをおこしたり、周りの人にストレスをぶつけたりするのではないだろうか。
    また、着の身着のままで脱出する、つまり、外国で難民と...続きを読む
  • 虚無回廊
    凄い……イーガン、チャン、バクスター等々に互すどころか凌駕さえしているのではないかという大傑作。

    未完は瑕疵とはならない。
    壮大にして緻密。知性とは生命とは宇宙とは探求心好奇心とは、心とは、そして愛情とは、すべての存在を壮大な物語の中で語ろうという、知の巨人の最高傑作。

    SF好きなら読みましょう...続きを読む
  • 日本沈没 第二部(上)
    地球シミュレータと、メガフロート どう使っていくの?ってのが、おもしろい。
    小松左京の世界にどっぷり