かたやま和華のレビュー一覧

  • 猫まみれの日々 猫小説アンソロジー
    猫の毛皮の仕立てとお直し、猫の妖精のいる小料理屋、猫と人と人の縁結び、猫好きマスターの片思い、猫の家族の物語。注文したコーヒーにちょこんと添えられてきたクッキーのような重くなく邪魔にならず、サクッと美味しいそんな短編たち。泣かせてやるぞ、感動させてやると躍起になっている話がやけに鼻につく昨今の中、脱...続きを読む
  • されど、化け猫は踊る 猫の手屋繁盛記
    犬派か猫派かの犬猫合戦。
    宗太郎と同じ道場だった武士の羽鳥との話が2話。
    後半の羽鳥との話が印象的だった。

    悲しい話かと思ったら、5匹の烏猫たちが猫股になるため羽鳥を極楽浄土へ送りに行く。
    私も自分が死ぬ時は愛猫に看取られたい。

    白闇の過去もちょろっと見えてよかった。
  • 私、あなたと縁切ります! ~えのき荘にさようなら~
    登場人物がイイ人が多くて、読んでて気持ちよかった。ただ、何だか人間関係の構築が急で、ジャンプの読み切り漫画読んでる気分になった。でも好きだったのでぜひ続編を。
  • されど、化け猫は踊る 猫の手屋繁盛記
    猫の手屋シリーズ第4弾。最後の話が良かった。ちょっと切ないけど暗さはなくて良い読後感。
    今まで謎だった白闇の過去がチラッとでてきた。いつかもっと話してくれる日がくるんだろうか。なんだかんだ宗太郎と打ち解けてきているような気がするw
    雁弥も何か過去がありそうな感じだ。そのうち明らかになるのかしら。
  • 不思議絵師 蓮十 江戸異聞譚


    時は文化文政の江戸。
    女性と見紛うばかりの美貌と優れた才を持つ浮世絵師、石蕗蓮十。彼の描く絵には魂が宿り、命が吹き込まれるという。
    悪友の歌川国芳と地本問屋の看板娘と共に繰り広げられる人情劇。
    江戸の浮世絵師を題材にした作品だと西條奈加氏の『ごんたくれ』が秀逸だったのことを記憶している。円山応挙...続きを読む
  • ご存じ、白猫ざむらい 猫の手屋繁盛記
    シリーズ第六弾。

    宗太郎の御父上登場。“桜吹雪”の父と“紅葉錦”の息子という名タッグで湯屋での泥棒騒ぎを解決。二人の親子愛が微笑ましいです。
    上記の泥棒騒ぎの他に、猫股・猫御前に騙されそうになったり、自殺した大店の若旦那の魂が乗り移った白猫・猫旦那にいいように使われたりと、“猫先生”は今回も大忙し...続きを読む
  • 猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記
    主人公が白猫の姿になってしまった侍というトンデモ設定。猫又とか頭に手ぬぐいをのせて踊る猫とか、まるで歌川国芳が描いた猫の世界で、これはこれで楽しい。
    事件を解決するとか悪人を成敗するとかではなく、長屋の住人たちと交流しつつ人間の姿に戻るために善行を積む、という話なので、全体的にのんびりした雰囲気があ...続きを読む
  • ご存じ、白猫ざむらい 猫の手屋繁盛記
     父には間違ったことはしない頑固さがあり、また、意味のないことをしない見識もあった。一方で、おもしろそうなことはとことん楽しむ痛快さがあることを、宗太郎は今の今まで忘れていたのだった。
    (P.43)
  • ご存じ、白猫ざむらい 猫の手屋繁盛記
    呪いで巨大な白猫の姿に変えられてしまった猫ザムライ・宗太郎。いつか人の姿に戻るべく、江戸の町で善行に励んでいる。ある冬の日、銭湯で旗本の父にばったり遭遇する。「桜吹雪の銀の字」と称し遊び人に化けた父と久々に話し、親心に感動する宗太郎だが、二人して泥棒騒ぎに巻き込まれる。不可解な騒動には、なにやら裏が...続きを読む
  • 笑う猫には、福来る 猫の手屋繁盛記
     ててうえ、おげんきですか?
     それがしは、けだまをはきましたが、げんきです。
     きょう、カラスめと、ともだちにニャりました。
    (P.177)
  • されど、化け猫は踊る 猫の手屋繁盛記
     知らずに受け入れ、もしくは、知っていても知らない振りをして受け入れ、お節介を焼く。それが裏店暮らしの法度であり、心意気というものなのだ。
    (P.25)
  • 紫陽花茶房へようこそ ~夜のお茶会は英国式で~
    ほぼ客が来ない茶房の給仕をする主人公。
    今日も今日とて、一人だけのお客様がやってくる。

    短編3話で、お客も三人。
    1人目のお客様は、結局どういう人だったのか。
    いや、どういう奥様だったのか?
    その辺りは謎で終わってしまっていますが
    本人が羽ばたいたのなら良し?

    二人目の雷親父は、分かりやすく日本...続きを読む
  • 大あくびして、猫の恋 猫の手屋繁盛記
    「猫の恋というが、猫も恋をするのであろうか?」
     宗太郎は人なので、猫のことはよくわからない。
     人の恋も、よくわからない。
    「いずれ、一生をかけた恋ができればよい」
    (P.289)
  • 化け猫、まかり通る 猫の手屋繁盛記
    それがしは猫であっても、心は一途でありたいと思う。
     いやいや、それがしは猫ではないとも。見目は限りなく猫に近いが、間違いなく人であるとも。猫が厠で用を足すか、足さないであろう。
    「それがしは砂を掘ったりはせんぞ」
    (P.130)
  • 猫の手、貸します 猫の手屋繁盛記
     世のため、人のため。
     ひいてはおのれのため、猫のため。
     猫の手屋宗太郎、“猫の手”貸します。
    (P.266)
  • 笑う猫には、福来る 猫の手屋繁盛記
    今度の依頼は見合いの立会い!?猫ザムライ・宗太郎はいつか人の姿に戻るべく、江戸の町で日々善行を積んでいる。しかし色恋沙汰にはとんと鈍い。そこへ人間だったころの許嫁・琴姫が助太刀を買って出たからさぁ大変!正体を明かせずにいる宗太郎に、何かと世話を焼きたがる琴姫。宗太郎は素性を隠し通せるのか、見合いの行...続きを読む
  • きつね王子とひとつ屋根の下
    新米編集者である主人公は自室で目を覚ますと
    見知らぬきれいな青年がいた。

    遠い親戚らしい男の子は、自分を『きつねの子』といい
    美大生で、動物と喋れるらしい。
    と、本人に言われても、何か設定かと思って
    聞き流してしまうものです。
    まぁここまで動物と意思疎通できていれば
    徐々に信じてくるでしょうが。
    ...続きを読む
  • 紫陽花茶房へようこそ ~ふたりのための英国式魔法茶~
    ハイカラ女学生給仕の月子と魔女の孫でイギリス人店主の紫音さんがほのぼのしていて可愛くて良かった。紫音さんの言うハーミットやポーションのカタカナ単語や、夢色六・一号、星色三・五号みたいな不思議な単語にどきどきする。夢の中に小さな妖精サイズで入り込むのもファンタジックで素敵だった。でもアルゴスの目が入っ...続きを読む
  • 紫陽花茶房へようこそ ~夜のお茶会は英国式で~
    英国伯爵と魔女の孫である紫音さんとハイカラ女学生の月子の醸し出す雰囲気がひたすらに心地好い。大正が舞台なことは意識から外れがち。月子からの心の距離が近付いて来ているところや、紫音さんの子供時代のことが赤毛の親友の登場を通して少しわかったこと、月子が働かせてほしいと押し掛けた時の話に益々引き込まれた。
  • 紫陽花茶房へようこそ ~夜のお茶会への招待状~
    紫音と月子が出会う前の紫陽花茶房のお客様である、奥勤めをしていたマクベスの三人の魔女のようなお婆さんたちが新鮮だった。大正が舞台だと、自分の生きて来た時代として大奥が普通に出て来ちゃったりするんだなあ。時代柄、西洋かぶれの月子が最後まで女学校に居場所がないところが少し淋しかった。いい子なのになあ。