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時は文化文政期の江戸。幕末なんてどこ吹く風の太平楽な町の片隅に、駆け出しの浮世絵師がひとり。女性と見紛うばかりの美貌に、優れた才を持つ。名は石蕗蓮十という。 蓮十の筆には不思議な力が宿っている。描くものに命が吹き込まれるのだ。でも、それは内緒。知っているのはごくわずか。 蓮十の周りはいつも賑やかだ。蓮十の世話を焼きたがる地本問屋のお嬢さん小夜に、悪友の歌川国芳。彼らとともに蓮十は、今日もふしぎな筆の力で町で起こる事件を解決することになり?
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Posted by ブクログ
時代物、ちょっとした不思議と淡い恋。 さらりと読めてちょっぴりドキドキさせてくれるよい塩梅。 キャンディと同じ作者さんだとは思えなi 。ふり幅大きい。高低差ありすぎて耳キーンなるわ。
絵が動き出すと 絵を見ていると、その描写に引き込まれそうになることがある。 西洋画しかり、浮世絵しかり。 今にも羽ばたき、しぶきが飛び、語りかけてくるような絵画。 画家の魂が、新たな魂を得て別物として動き出すかのよう! もしそれが本当に動いたとしたら? 蓮十の描いた絵は生き生きしていると評判だ。 ...続きを読む実は本当に動き出してしまうのだが..... 第一話では死んだ母親が子供に害をなしている話。 果たしてそれは本当に母なのか? 子供は自分が継母になついてしまったせいだと自らを責めている。 死んだ母の絵はなぜさまよい出てきたのか? 心の中にある枯れ尾花が冷たい風に吹かれる。 第二話は友情の物語。 大きなクジラが騒ぎ出したり、絵の中の美人がふらりと外の世界に飛び出してしまったり...... そんな騒動を治めてくれるのは、頼りになるのは一体誰? 意外な友人関係が心憎い。 第三話は火消しの夫婦の物語。 愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。(コリント人への手紙) しかし、相手を愛すれば愛するほど、視野がどんどん狭くなっていってしまう悲劇もある。 いつも背中ばかり見ていた、片方はそう思う。 もう片方は自分を見てくれない、という。 隣に立っていれば、後ろを振り返っていれば、いつも相手は自分と共にいたというのに! どちらも相手の顔を、目を見ていなかった。 見えていたのに見ていなかった。 悲しい愛がいつか、互いに手を取り合えるように...... そう願わずにはいられない。
時代は文化文政期の江戸。石蕗蓮十という名の、駆け出しの浮世絵師がいた。彼の筆には不思議な力があり、描いた絵に命が吹き込まれ紙から飛び出してしまう。そんな筆の秘密を理解している地本問屋のお嬢さん・小夜、悪友の歌川国芳などに囲まれて、蓮十の周囲はいつも賑やかだ。 ライトノベル枠なのですごく読みやすい。...続きを読む江戸の雰囲気や登場するキャラクターは個性的でとにかくほのぼの。癒されました。 恋沙汰にめっぽー疎い蓮十と、そんな蓮十を慕いながらも素直になれないツンデレキャラの小夜との恋愛模様にも注目です。 続編に期待。
ラノベなんだろう。しかし、時代小説っぽさもとてもある。江戸時代の華やかな部分がテンポよく描かれていて素敵な小説。作者が女性向けのラノベを書いてただけあってなんとなくきれいな文章というか端正。 しかし蓮十くんの過去が知りたい。 続刊出るよね? あと、国芳がいいキャラしてる
主人公の能力と、それを取り巻く個性あふれる人たちとのやり取りは、江戸という場所ならではの、”粋”が感じられる作品だった。
絵師・蓮十と彼の周りで起きる変わった事件。蓮十とお小夜の関係などほのぼのとした面も交えつつ、人間の業の深さも描かれている。これからが楽しみな作家。
良かった。蓮十さんも小夜さんも可愛い。絵から出てくる居候たちも可愛くて楽しく読めた。 蓮十さんが書いた絵がみてみたいなぁ。 続編も出てほしい
時は文化文政の江戸。 女性と見紛うばかりの美貌と優れた才を持つ浮世絵師、石蕗蓮十。彼の描く絵には魂が宿り、命が吹き込まれるという。 悪友の歌川国芳と地本問屋の看板娘と共に繰り広げられる人情劇。 江戸の浮世絵師を題材にした作品だと西條奈加氏の『ごんたくれ』が秀逸だったのことを記憶している。円山応挙...続きを読む、伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村などなどが登場。 それに比べるとメディアワークス文庫らしく、もっとライトな作風でした。時代小説にアレルギーのある方はこういうところから入ると、取っつきやすいかもしれません。
完璧に描くと絵に命が吹き込まれてしまうという駆け出しの浮世絵師、石蕗蓮十を主人公にした三篇。 それぞれの話自体はなんとも云えない暗さがあるのに反し、登場人物がとても生き生きとしていて江戸の雰囲気が伝わって来る。さらりと読み易いのも特徴。時代ものが苦手な人でもふんわり楽しめるのでは。登場人物だけならテ...続きを読むレビドラマになっても楽しめそうなシリーズでした。
大好きな江戸もの、謎解き、絵師という事で、期待したけど。 不思議的にも、人情もの的にも、もう一つという所でした。 もうちょっと登場人物のキャラが濃いと好みかな。
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不思議絵師 蓮十
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