仲正昌樹のレビュー一覧

  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    70年代までの思想の移り変わりの記述はわかりやすい。
    特に世間が左翼から廃れていったくだりは納得。
    80年代以降の流れがなかなか難しい。
    でもそれは確かに記述の通り思想が多様化しているというのは
    理由の一つなのかなと。

    これから色々読もうと思った自分にとっては
    ブックリストとしても使えそうだと感じ...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    読み直したさ:★★☆
    わかりやすい。まとまりよし。アリストテレス的「実践」の手助け。弁証法,複数性,活動,共同体,アリストテレス,カント他。
    〈感想〉
    「あとがき」を読んで後悔した(それ以外は良かった。)。子離れのできない親のように感じた。同族嫌悪的なものだが。
  • 精神論ぬきの保守主義
    仲正昌樹さんの『精神論ぬきの保守主義』新潮選書をちょうど読み終えた。保守とは字義の通り「古くからあるもの」を“守る”思想的系譜のことだが単純にあの頃は良かったと同義ではない。本書は近代西洋思想におけるの伝統を振り返りながら、現下の誤解的認識を一新する好著。まさに「精神論ぬき」です

    仲正昌樹『精神論...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    仲正先生の本。

    アーレントの解説本。アーレントの著作を順に紹介し、仲正先生が噛み砕いてアーレントの思想を紹介してくれるんですが、さすが仲正先生。わかりやすすぎる。
    アーレントってこんな分かりやすくて良かったっけ、って拍子抜けするぐらい。

    複雑なものを複雑なまま受け止める姿勢というか、
    議論し続け...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    ハンナ・アーレントについての、伝記的な入門書。彼女の一生を時系列で追いながら、彼女の思想(思考)について、紹介しています。。
    映画『ハンナ・アーレント』が昨年、日本でも公開されて注目度も高まっている折、彼女に興味を持たれる方も多いと思うけど、いままで彼女のことをまったく知らなかったという人であればこ...続きを読む
  • 精神論ぬきの保守主義
    6人の保守主義者(バーク、カール・シュミット、ヒューム、トクヴィル、ハイエク、バジョット)について、その主張がまとめられている。
    要点をかいつまんで、非常に分かりやすく説明がなされている。

    関心をいだいた人について、サラッと知りたい時にいいと思う。
    個人的には、ハイエクに強い興味を覚えた。
  • 今こそアーレントを読み直す
    『全体主義の起源』の構成に即して、全体主義発生の過程をもう一度簡単にまとめておくと、反ユダヤ主義によって全体主義のための物語的な素材が準備され、国民国家の生成と帝国主義によって大衆社会が醸成され、その国民国家の経済的・社会的存立基盤が大きく変動し、大衆が動揺し始めた時、そうした大衆の不安を物語的に利...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
     現代思想ブームとかニューアカブームというのがあったんだよね、昔。オレ自身はびみょーに乗り遅れたというか、間に合わなかったというか、ぶっちゃけ当時はむつかしくてよくわかんね、だったんだが。まぁでも、社会に関する本を読んでいけば否が応でも栗本慎一郎だの浅田彰だのの痕跡に巡り会う。ここらへんわかりやすく...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    「政治」における「分かりやすさ」の危険性を指摘したハンナ・アーレント。彼女の政治哲学思想には、曖昧でよく分かりにくいというイメージがつきまとう。それもそのはず、「政治というものは、二項対立構造などを用いて分かりやすくすればよいという単純なものではない」という論旨と、それにあいまって巧みな哲学的・比喩...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    これは必読だと思う。
    ひとつに、とても「わかりやすい」。
    ふたつに、読んでるとすごくモヤモヤするし、考えさせられるということ。
    アーレント・仲正はおそらく遂行論的矛盾を犯しているけれども、それでも読む価値がある。
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    「現代思想」:脱・中心化もしくは脱・体系化していく傾向。p12

    【マルクス主義】p32
    ①労農派:直接的に社会主義革命を目指すべきだと主張するグループ。
    ②講座派:封建制の残滓である天皇制を中心とする「絶対主義」耐性を生み出した明治維新は本来の意味でのブルジョア革命ではないので、他の反体制勢力と協...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    ハンナ・アーレント本を読んで、仲正先生ならばどのように解説するかと興味をもって読んでみた。

    ハンナ・アーレントの生涯や著作について、仲正先生なりの理解や解釈を加えつつ、この日本の文脈等で説明してくれる。ハンナ・アーレントの著作によれば、悪人がいるわけでもなく、環境や思想が人の行動を変化させていくと...続きを読む
  • いまを生きるための思想キーワード
    「無論、各人の経験の仕方によって共感に偏りが出る恐れはあるが、経験が豊富になるにつれ、特定の立場に囚われる度合いが少なくなり、より非党派的=公平(impartial)な見方ができるようになる。」

    正義、善、承認、労働、共感、暴力の項が、私には面白く感じられた。
    特に、労働では、「報酬を得るための労...続きを読む
  • 日本とドイツ 二つの戦後思想
    主に社会思想史を研究する仲正氏による日独戦後思想史の概説書。
    出版された2005年は、小泉政権下で自民党が衆院選挙で大勝した年である。

    この本は、第二次大戦中の同盟関係から戦後の清算に至るまで類似した道をたどった(と一般的に思われている)日独が、実は、思想史的には質的に異なる道を辿ってきたことを主...続きを読む
  • 〈宗教化〉する現代思想
    哲学と宗教の架け橋をかけようとして、その違いと類似性を明らかにしようとした本だと思った。ただ、門外漢の自分にとっては、少々難しい部分が多かった。

    内容は、哲学と宗教の違いから形而上学の大きさについて説き、ギリシャからの哲学、キリスト教、マルクス経済学、実存哲学などから、形而上学との関連を解くが、最...続きを読む
  • 今こそルソーを読み直す
    「わかりやすさ」に定評のある著者の文章をもってしても、ルソーの真意は読み取りにくい。著者もルソーの書物に矛盾が散見されることを認めている(あまつさえ、数々の矛盾は、ルソーの意図的なアイロニーなのかもしれない、とまで)。

    ルソーのいう「一般意思」を、会社などの団体の意思に例えた説明はシンプルでしっ...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    一時期流行した、サンデルの正義について等を、アメリカの現代思想の流れの中で追いたかったので読んでみた。

    序章によると、思想のアメリカ化の流れは、①ポストモダンの流れ、②分析哲学の流れ、③リベラリズムの流れがあるそうだが、本書は③のみを扱っている。

    内容としては、保守主義とリベラルの対立軸の中で、...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    リベラリズムを取り巻く哲学の議論について広く知ることができるが,門外漢の自分としてはかなり難しく,なかなか読み進められなかった.

    試金石となる何か一つ詳しい思想・哲学があれば,より鮮やかに全体像の把握もできたかもしれない.
  • 「不自由」論 ――「何でも自己決定」の限界
    再読した。多岐にわたる話題。

    特に興味を感じたのは、イマジナリーな領域の権利の話題
    自由とは、自己決定できることだとして
    この自己を自己決定する権利の話題。
    まさに自分の問題意識。

    デュルシラ・コーネルが参照されている。

    あと、アーレントとハバーマスのコミュニケーション。
    違いは経済活動の捉え...続きを読む
  • いまを生きるための思想キーワード
    仲正先生の本、久しぶりに読みました。

    おもしろすぎて頭が変になりそうでした。


    帯には

    高校生もわかる「思想」入門

    なんて書いてあるんですが、
    こんなの高校生のときに読んでたら、頭破裂していた気がしますよ僕は。
    それは良いことかもしれないし、悪いことかもしれないし、そこは分からないんだけども...続きを読む