仲正昌樹のレビュー一覧
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小泉進次郎に対して池上彰が「職業としての政治」って読んだことあります?と衆院選特番のインタビューで意地悪く聞いて、「政治とは職業ではなく生き方だ」とそれらしく回答していたのが、ソツないように見えてなんか噛み合ってないように思ったので、ちゃんと勉強してみようと読んでみた。要するにウェーバーの「職業」B...続きを読むPosted by ブクログ
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帯の「ポストモダンの中で、とりあえずどんな態度をとったらいいのか考えていこうという主題」への記述が自分の力では読み取れなかった。
102p
エクリチュールによるパロール支配
190p~
アイデンティフィケーションと主体性、自己決定
指摘されて気がついたが、
このアイデンティティと所属する共同体...続きを読むPosted by ブクログ -
日本におけるマルクス主義以降の思想・哲学状況を概観するのに最適。やはり、そうだったのだという納得感が読むうちに漲ってくる。その時々の自分の考えが世界の大きな流れの部分であったという感覚、類としての自分を確認出来る分析である。してみると今、足元の混沌状況も世界の知性がそうなっているからなのであろう。自...続きを読むPosted by ブクログ
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中川八洋氏(タルモン、アーレント)によると、「ルソーは自然人を理想として人格を改造し、一般意志に従属するロボットとして、全体主義を導く」はずであったが、仲正氏によると、それは誤読で、ルソーはそんなことを主張していないとのことである。そうすると、非難されるべきは、ルソーの思想を利用したロベスピエールや...続きを読むPosted by ブクログ
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リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズムの対立を中心に、アメリカの政治思想を分かりやすく紹介している本です。
上記の3つの立場だけでなく、ポストモダン左派の文化闘争や、『アメリカン・マインドの終焉』のアラン・ブルーム、「文明の衝突」のハンティントンや『歴史の終わり』のフランシス・フクヤ...続きを読むPosted by ブクログ -
ただただ面白い。社会思想・比較文学の研究者である著者が現代日本の思想地図にちょいちょい茶々を入れながら、思想史をかなりわかりやすく説明してくれている。何かを語ろうと思えば不十分であろうが、教養として楽しむには充分。Posted by ブクログ
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デリダによる音声中心主義批判にさらされ、アレントによって全体主義の元凶とされたルソーを、仲正昌樹が「読み直す」ということで、かなり期待して読みはじめました。
「終章」で文芸批評家のスタロバンスキのルソー解釈に依拠しつつ、「透明なコミュニケーション共同体」を語った「壮大なフィクション」としてルソーの...続きを読むPosted by ブクログ -
アーレントの主張を読み解こうと思ったけども、
難しかったので入門書的なこの一冊を購入。
分かりやすさの危険性を主張するアーレントを
分かりやすく解説するというちょっと矛盾した本書。
【個の喪失】に繋がることには徹底して警鐘を鳴らす。
というアーレントの主張がわかりやすく書かれていました。
空気には絶...続きを読むPosted by ブクログ -
ハイデガーの『存在と時間』の入門的解説書です。
著者は「はじめに―ハイデガーは何故重要なのか?」で、「日本でも多々出版されてきたハイデガー入門書・解説書にしばしば見られるような、哲学史的な過度の拘りは避けるつもりである」と述べて、ハイデガーの「存在史」の構想から『存在と時間』を位置づけるような議論...続きを読むPosted by ブクログ -
「現代思想」世代です。稀有の才能というべきか、見事にまとめられています。哲学・思想によって、「世界」を全体的に見渡すことのできるような絶対値に最終的に到達することは不可能である」としながらも、副題にあるように、ポストモダンとは何だったのか」と問い(もはや私には無いが...)、現代思想の何を、後世のた...続きを読むPosted by ブクログ
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ウェーバーの主要な著作にターゲットを絞って、噛み砕いた解説がされており、岩波文庫に突撃する前に読んでおけば理解を助けてくれると思う。
あとがきを読んで、趣旨に賛同された方におススメします。Posted by ブクログ -
どこかで耳にしたことがあるけど、よくよく考えると曖昧だなぁ、と思うようなワードを新書にしてはしっかりと解説している良著
テレビに出ているコメンテーターなどがいかにいい加減に言葉を使っているかがなんとなくわかる。
理系でもわかりやすく読めます。Posted by ブクログ -
アメリカの民主党と共和党は思想的にどう違うのか?
保守、革新、右派、左派、民主主義、自由主義…政治関係のニュースに限らず、日常会話にも出てくるこれらの言葉を、私は今まで適当に使ってきた。しかしISILや集団的自衛権など、日本は安全だからと悠長なことを言ってられない状況になり、自分の考えをちゃんと整理...続きを読むPosted by ブクログ -
ニュー・アカデミズムの流行とともに始まった日本の「ポストモダン思想」とはいったい何だったのかという問いをめぐって、戦後思想の流れや消費社会の成立過程をたどっていき、ポストモダン思想がどのような社会的状況の中で生まれたのかを明らかにしています。
現実から乖離したところで展開されるマルクス主義にシンパ...続きを読むPosted by ブクログ -
自己決定をおこなう「自由な主体」という発想の限界を指摘するとともに、そのことが明らかとなったポストモダン状況の中での態度決定はどのようなものであるべきかを論じています。
前半は、アレントの「公共性」にまつわる考えが紹介されています。アレントは、「人間」の多元性を認め、そうした多様な立場の人びとが公...続きを読むPosted by ブクログ -
ヒューム、バーク、トクヴィル、バジョット、シュミット、ハイエクの6人の思想をとりあげ、解説している本です。
著者はこれらの保守思想家を、「制度論的保守主義」と呼んでいます。現代日本の「真正保守」が、日本の伝統と結びついた精神的価値を高く掲げる道徳志向的な性格を持っています。これに対して制度論的保守...続きを読むPosted by ブクログ -
映画『ハンナ・アーレント』を観て、川崎修の『ハンナ・アレント』とともに読んでみた。
いずれも彼女の主著の『全体主義の起源』や『人間の条件』で議論された事柄を中心に拾っているが、違うところもありそうだ。でも、うまく言えない。著者は、「「もどかしさ」こそがアーレントの魅力である」という。解説本でそう言...続きを読むPosted by ブクログ -
アーレントの持つ「分かりにくさ」を受容する精神が大切だとということを「分かりやすく」解いています。『人間の条件』などを読む前に是非読むべき書。Posted by ブクログ