仲正昌樹のレビュー一覧

  • マックス・ウェーバーを読む
     マックス・ウェーバー入門書としてまとめられたものですが、「それぞれのテクストがどのような意味において知的に刺激的なのか、これから学者になろうとしている人、あるいは、少なくとも、学問と本格的に取り組もうとしている人の目線、言ってみれば、「学者の卵」目線で読んでいきたい。」(p18「序」より)と著者は...続きを読む
  • マックス・ウェーバーを読む
    著者とヴェーバー両者の深い知識と知恵が調和している。文章も小気味よく、回帰して読み返したくなる入門書。……あとがきの毒づきっぷりは謎だが。何か嫌なことでもあったんでしょうか。
    本家(?)「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」も近々読みたい。
  • 今こそアーレントを読み直す
    この本を読む前は、アーレントについて、ナチスの全体主義を糾弾した人、ということしか知らなかった。なので、バリバリの個人主義の人かと思ってたら全く逆だった。

    物事を単純化し、画一的な思考に陥ることを嫌い、言論活動を重視した共和主義者。他者と意見を交わすことでヒトは「人間性」を身に付けていくという。...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    アーレントの哲学は、両端に偏らないが、かといってどっちつかずでもなく、複数性というものを主張しており、他を排除しようとする風潮を批判するもので、今の世の中では、ほとんど実現できていないが、今学ぶに値する哲学である。
  • 今こそアーレントを読み直す
    面白かった。

     マルクス主義の理論では、「階級」という仕組みが生まれたことによる不自由から人類の本来的な価値を「解放」するという考え方なのに対し、アーレントは、「解放=自由」ではなく、自由とは本来、市民が物質的な制約に囚われずに「活動」している状態と考える。解放を目的とするのではなく、共同体の「共...続きを読む
  • いまを生きるための思想キーワード
    中央法の入試で動物化の項が出されていて、感動してしまった。受験後すぐ購入。大学生になって何度も読んでいる。名前がライトなので中身も薄そうだが、そんなことはない。文系のみならず理系の人も読んでもいいだろう。文系生はここらへんまで知っているか知らないかでは議論の質が全然違うのでこの本でもなくてもいいので...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    この本を一読すると他の米国政治哲学系の本を読む際に見通しが良くなります。また、ロールズ以前、米国の政治哲学関係者が抱えていた危機感などにも丁寧な解説がなされています。おすすめです。
  • 今こそアーレントを読み直す
     「複雑なものは複雑なままに…」の言葉に惹かれて購入。アーレント入門書だがどうも翻訳者自身による本のようで、やさしくアーレントの哲学に導いてくれる。私ももっと詳しく知りたいと感じた。全体主義がなぜ起こるのかが自分の思っているよりずっと容易なのではと思えた。そして、自由であるために個人とセカイ(社会、...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    21世紀も間近になった頃に大学入学、研究を本格的にはじめたのは2000年代後半というな私は、日々「なんでこんなことになっちゃってるの!?」と叫びたくなるような哲学・思想(と社会との関係)に関する問題にぶちあたることが多かった。――たとえば、「どうして浅間山荘に閉じこもった連合赤軍は仲間同士で殺し合っ...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    いわゆる「現代思想」の入門書として非常に出来が良いと思う。特に日本でどのようにして現代思想が形成されてきたのかの背景について知ることができたのが良かった。2000年代中期ぐらいまで流れをカバーしているというのもポイントが高い。僕のようにこれから現代思想っぽいことをやろうかなーと思っている人以外にも、...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    現在の宗教を考える上で、特にアメリカにおいては政治を考えなければならなくなっている(そしてその逆も然りである)。ということで何か政治哲学に関する入門書をと思い、手を出したのがこの本である。

    僕の政治哲学に関する知識はほんのりハーバーマスやテイラーについて知っている程度であった。その程度の知識しかな...続きを読む
  • いまを生きるための思想キーワード
    昨今において、様々な所で語られる言葉の幾つかについて、著者の考え方が書かれている。

    よもすれば、私たちはこれらについて語る時、世論のコピーになりがちなのを、改めて自分自身で考える大切さを教えてくれていると思う。

    以下、ややネタバレも含むが、この本で取り上げられているキーワードを元に、沸き上がって...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    日本の現代思想を学ぶ入門書としては最高の書籍だと思う。
    ポストモダンをいきなり語るのではなく、マルクス主義からの流れで書かれているので、その成り立つ背景なども学ぶことができ、より理解がしやすい。
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    80年代を中心に流行った、「現代思想(ニューアカデミズム)」の思想がどのように生まれ、どのように展開されたかを中心に戦後の日本の思想をまとめた本。3部に分かれて解説している。

    第1部(1.2章)で、戦後マルクス経済学がどのように日本に普及し、その限界があったかを述べている。具体的には、農労派(社会...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    ポストモダンの残滓の中で大学生活をおくり、思想や哲学も一通り出尽くした後で、もはや「倫理学」しか残されていないのかな~と妙に達観してた(させられた)往時だったけど、
    ほぼ眼中になかったアメリカに、新しい思想潮流が生じていて、それが今やメインストリームにまでなっているとは・・・まったくもって知りません...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    マルクス主義に端を発する近代思想からポストモダンへの思想の変遷をコンパクトにまとめていて、現代思想って結局何だったんだべ、という僕のような今さらながらの入門者に打ってつけ。本書を通じて思想史を概観すると、ポストモダンはまるで保守と左派という連星の周りをグルグルと振り回されながら周回する人工衛星のよう...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    「あとがき」が読んでいて笑ってしまうくらい痛烈である。
    戦後のマルクス主義の隆盛からフランスの現代思想の輸入と80年代ポストモダン論の隆盛と落ち込み。2006年当時の言説状況までわかりやすく概説している。すらすら読めた。
  • 思想の死相―知の巨人は死をどう見つめていたのか
     本の帯に「18歳から読める現代思想の入門書!」とあり、確かに現代思想の代表人物を取り扱っている内容だが、あくまで仲正の読みによるものであり、教科書的に概論をしているものではなく、自分の主張のためのものであることを前提にして読むべきである。平易には書かれているが決して教科書のような位置づけにはならな...続きを読む
  • 〈宗教化〉する現代思想
    宗教についてまったく知らなくても、
    なんとなくわかるように書かれている。
    とっつきにくい場合は、同著者の他の本を読むべし。
  • 「不自由」論 ――「何でも自己決定」の限界
    「主体性」が発揮されるのは、ある「ルール」があってのことである。


    主体性が大事だと主張していた団体に属していただけに衝撃的だった一冊。