仲正昌樹のレビュー一覧

  • ヘーゲルを越えるヘーゲル
    ヘーゲル以降、ヘーゲルはどのように読まれてきたのか、また、ヘーゲルのキーワードはどのように受け入れられてきたのかを、一般的な解釈を交えながら記してあ理、これまでに読んだヘーゲルの解説書の中でも一番よかった。

    法哲学が中心に解説してあると勝手に誤解していたので買うのが遅れたが、もっと早く読んでおけば...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    ハンナ・アーレントの重厚な著作は、存在こそ認知しているものの手に取ったことがない。
    気にはなっている、しかし手に取るには様々な意味で重たい。しかし気にはなっている…
    そんな自分にとっては実にありがたい一冊だった。

    強烈なリーダーシップを発揮する独裁者が全体主義を作るのか?ここでは明確に「ノー」とい...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    本書は、アメリカ現代思想を、ジョン・ロールズの1971年の「正義論」により打ち立てられたリベラルな政治哲学を中心にして、アメリカの政治状況と絡みつつ、各思想家、哲学者が、どのような必要にかられて自分の思想、哲学を構築していったのか、歴史的に述べている。そして、アメリカの哲学がいつのまにか、伝統的なフ...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    明晰でよかった。ポモ思想の内在的な解説ではなくて、歴史的な話をきっちり説明してくれているからありがたい。翻訳、輸入の過程にはタイムラグも当然あるし、全部翻訳されるわけでもないし、受容のプロセスみたいなところはおさえておかないといかんよね。仲正先生の本をちゃんと読むのは初めてだったが、真っ当な解説とい...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

    誰もが知るべき現代思想

    私は理系で、こういう思想とか倫理とか疎い人間なのですが、とても面白かった
    近代思想を超克しようとした思想の挑戦の歴史は、誰もが興味を持って勉強すべきなのではと思わされました

    私が特にとても興味を持ったのは、ヴァルター・ベンヤミンのファンタスマゴリー論とバタイユと栗本慎一郎の蕩尽論
    また読み...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    アーレントから現代日本を生きる自分へ。
    知性を、対話を諦めてはならない。

    どの章も不気味なほど興味深かった。特にナチスの組織を扱った3章が怖い。
  • 今こそルソーを読み直す
    近年、「人が自分らしく生きる」ということと、他の人との関係、そして組織や社会との関係に関心があって、そこから暴力とか、エゴセントリシティとか、成人発達とか、文化の違いとか、色々、興味を持って本を読んでいる。

    そういう中で、出会ったのが、ハンナ・アーレントで、彼女の言っていることに全面的に賛成してい...続きを読む
  • マックス・ウェーバーを読む
    まさにウェーバーが目指したように、抑制の効いた態度で、当時の時代状況を説き起こし、彼の思想の射程の深さを示す。これを機会にウェーバーをさらに深く味わってみたい。
  • 「みんな」のバカ!~無責任になる構造~
    タイトルが変だから読み控えていたけど、読んでみたら面白かった。
    タイトルからして世の中の「みんな」に不満をぶつけて「こいつらほんとバカだよな(笑)」等感じなのかと思ってたけど、仲正昌樹なので当たり前だけど、そういう内容でなかった。

    まず「みんな」って誰? という定義から入って、「赤信号」や例をもと...続きを読む
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    日本のポストモダンのごちゃごちゃした感じをすっきりと位置づけてくれるのである程度関連や位置関係が見やすくなる日本のポストモダンの総ざらい。柄谷、吉本、中沢、浅田などの有名所の言説と歴史的な背景、課題など含め書いてある。読みやすい。
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    アメリカの哲学の今がどういう風になっているのか見通すことが出来る。おおよそを見渡すのにはいい一冊。ここから細かいところへ入っていくいい入門書になっていると思う。
  • 今こそアーレントを読み直す
    今まで哲学にさほど興味もなかったワタシがハンナ・アーレントを読みたいと思ったのは仲正先生の話が本当に面白いと思ったから。この本は仲正先生がハンナ・アーレントをどういう風に捉えていて、それをワタシみたいな特別勉強をしたわけでもない普通の読者が読んでみて面白いと思えるようになっていて、そろそろ、ハンナ・...続きを読む
  • 日本とドイツ 二つの戦後思想
    戦後60年、海外ではイラク戦争が起こった2005年に書かれた日本とドイツが辿った戦後思想についての本。こちらも『日本とドイツ 二つの全体主義』と同じく、思想史について手際よくまとめられている。目次は以下の通り

    第一章:二つの戦争責任
    第二章:「国のかたち」をめぐって
    第三章:マルクス主義という「思...続きを読む
  • 日本とドイツ 二つの全体主義~「戦前思想」を書く~
    前年に出版された『日本とドイツ 二つの戦後思想』の続編だが、発売順ではなく、こちらの新書から読んだ。本書では、第二次世界大戦時に枢軸国側として参戦した日本とドイツが「国民国家」として成立する、1870年代から第二次大戦に突入する1930年代までの戦前の思想史を描いている。

    目次は以下の通り。
    第一...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    彼女に関する本は何冊か読んでるし、他の本でも名前を見るし、何だったらTwitterのTLでも名前が流れていきます。でも、彼女の著作を読んだことはない。そろそろ読んでもいいかなまだいいかなみたいに、彼女の思想と僕は微妙な距離感があります。
  • 今こそアーレントを読み直す
    アーレントの著作である『全体性の起源』『人間の条件』「カント政治哲学講義」の議論を順に取り上げながら、彼女が説いた「人間」や「活動」という概念の持つ意味を、読者ができるだけ誤解しないよう、丁寧に説明してくれている。
  • マックス・ウェーバーを読む
    学生時代にマックス・ウェーバーの本。
    正直、先生のいうことだけでは訳分からなかった。
    テストが大変だった記憶がある。

    この本がもっと早く出ていたら、学生の頃きっと助かったなあと思う。そのくらい分かりやすい。ポイントがさらっと押さえられている。とてもいい。
    いま改めて読んだら、ウェーバーって結構新し...続きを読む
  • 今こそアーレントを読み直す
    アーレントって誰かというと、師のハイデッカーと不倫関係に陥るも、全体主義を批判した本を書いて一躍有名になった人。

    この人の政治というのは、どうも私が思っていたのよりギリシア哲学的なものが含まれている気がする。
    しかも、その問われる場面が日常にありうるものだからなおのこと。

    分かりやすく書かれてい...続きを読む
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険
    第二次世界大戦前後から9.11以降の現在に至るアメリカの政治思想の歴史を、その時々の政治的状況を顧みながら概観する。「アメリカ現代思想」と言っても、アメリカに拠点を移したヨーロッパや非西欧圏出身の思想家なども含まれるので、本書がカバーする範囲は広い。

    第一講ではロールズ以前のアメリカの思想状況とし...続きを読む
  • マックス・ウェーバーを読む
    専門分野が多岐に渡るマックスウエーバーについての入門書という難しい問題に対して、その著書を読むことを通じて当たられた本書の挑戦が見事に当たっていると思います。本来、ウエーバーを学ぶには相応の覚悟が必要だと思いますが、その知識の一部でも正確に知る事ができる本書は有難かったです。
    著者も序で書かれている...続きを読む