黒川博行のレビュー一覧

  • 勁草
    全貌が簡単には掴めないように、過ぎる程までに巧妙に組織された特殊詐欺の犯行グループの様子や、被害者を必死に護りながら犯行グループを追い、僅かな手掛かりを執念深く掘り起こす捜査陣の様子が、あの「黒川博行の筆致」で活写されている。一部に立寄ったこと、通り過ぎたことも在る「雰囲気が判る地域」の描写が在って...続きを読む
  • 海の稜線
    頁を繰る手が停まらなくなった。大阪を主な舞台とした事件モノである。
    物語は主にブンこと文田刑事の視点で綴られる…「飯を食い損なった…」とブツブツ言う場面も多いのだが、地道に捜査活動に勤しむブン…得られた情報を整理して繋げようとし、対外的な押し出しも好い50代のベテラン刑事の総長…研修中のキャリアとし...続きを読む
  • 国境(下)
    本当に一気に読んでしまいました。
    簡単に密入国なんて出来ないよとか思いつつもついつい先に進んでしまいました。
    善悪はほっておいても、自分なりの筋を通す、
    だからこそ気持ち良いし、筋を通すからこそ見えてくる
    世の中の理不尽が物語に良い色合いを添えます。

    しがらみが多いからこそ、気持ちよく生きていきた...続きを読む
  • 国境(下)
    桑原が死ぬわけないのはその後のシリーズで分かっているのですが、啓之は弔い合戦をやろうと、けなげです。そんなにいいところに現れるなんてできすぎでしょうってツッコミしたくなるけど、桑原が出てこない場面が長すぎて桑原ロス限界になってて、ああ、やっと来てくれたあ!もう展開のチョロさなんてどうでもいいです。桑...続きを読む
  • 国境(上)
    桑原サイコー!
    早く続き読みたい。

    とは言っても文庫本なのでたまに電車に乗ったときしか読んでいない。にもかかわらず、セリフ一つで場面が蘇ってくるこの臨場感すごい。
  • 勁草
    これは映像化前提で作ったような作品だなあ。警察も特殊詐欺対策キャンペーンということで全面的にバックアップしてくれそうだし、「後妻業」のように大阪ネイティブで揃えて実現してほしい。それにしても黒川センセ、ディテールの細かさがファンの心をくすぐります。事件の舞台となるエリアとか大阪でもかなり物騒な町だけ...続きを読む
  • 後妻業
    めちゃくちゃ面白かったな。中盤で探偵が登場して三つ巴の構図になってからのスピード感が凄い。全く中だるみなしで一気に読まされた。しかも出てくる悪党が誰も勝ち逃げしないで終わるラストもなかなか良い。実際には被害者置いてけぼりなんだけども。黒川博行ならでは。
  • 二度のお別れ
    黒豆コンビの第1作。
    刑事黒田の手記の形で話は進んでいきます。
    まさかこういうことやったとは!
    豆さんユニークでいいキャラしてます。
    続編も是非読みたい。
  • 二度のお別れ
    描写の中に例えば「国鉄の大阪駅」というような、明らかに「執筆された時代の言い方」が在るが、全然古くは感じない。暫く読み進んで、「そう言えば、作中で誰も携帯電話を使っていない?」と不意に気付き、少し以前の作品と思い至るという具合でもある。

    手軽な分量で非常に読み易い。他方「登場の当初から一定程度完成...続きを読む
  • 国境(下)
    とにかく、「天性のイケイケヤクザ」の桑原の魅力が圧倒的。底なしの口の悪さと悪知恵のための頭の回転と、化け物じみた喧嘩の強さ、そしてなにより、筋の一本と追った任侠(なんだかんだ言って金を使うべきときには出し惜しみしない)に、爽快感を覚えない人はいないのじゃないか。

    特に本作では、桑原たちに協力する中...続きを読む
  • 国境(下)
    あちこちのレビューで最高傑作と書かれていて気になって、これを読むために疫病神シリーズを読み始めた。噂に違わぬ面白さ。
    名作でした。
    最後は思わず泣いてしまった。
    近年読んだ本の中ではダントツで面白かった。
  • 疫病神
    「破門」を先に人から頂いて読んだので、順番が逆になってしまった。これで、二宮と桑原コンビの誕生と(いったんの)幕切れの両方を読んだことになる。若い頃は大薮春彦、大沢在昌などのファンで、最近はハードボイルドな小説から遠ざかっていたが、本書はストーリー構成が骨太でありながら緻密で隙がなく、展開もスピーデ...続きを読む
  • 国境(上)
    北朝鮮という閉鎖された空間がどのようになっているのか垣間見ることができた。
    また桑原を通じ国家としての責任をどのようにして果たすか、そして国民はそれを監視しなければならないと強く感じた。
  • 悪果
    金を持っている男は持てるんだなーと思わせる。これほどまでに金になびく女は多いのかな。
    最後まで飽きさせない展開。そして続編に続きます。こちらもおもしろい!
  • 二度のお別れ
    ずいぶん昔の作品ですが迫力満点で今読んでも古さを感じられない。余韻を残した終わり方も黒川さんの若い気持ちを現している。
  • 迅雷
    忘れた頃にもう一度読んでみた。
    大阪弁が嫌いだったけど、なんだか笑えて好きになりました。他のシリーズも読んでみます。
  • 破門
    全シリーズ面白いけど、特に面白かった。テンポもいいし、二人の関係にも年季が入って読んでいて楽しい。続きが気になるなあ、さすがの桑原もピンチだと思うけど、どうなるのか。
  • 切断
    テンポの良さと町の風景描写でハードボイルド物としてまず一級なうえに、本作はトリックが秀逸。ミソは読み進めていくうちに、なんとなく読者は犯人らしき人物に予測がつくように書かれていること。なんだが、どうしてもひっかかる事実がある。それが分かった時に、トリックの意図が想像していたものと異なったものとして立...続きを読む
  • 疫病神

    面白い

    ドラマも面白かった〜♪
  • 落英(下)
    地道な捜査活動をしていた桐尾と上坂が、何やら「破天荒なやり方」に足を踏み入れ、一時代を築いたような曲者達を向こうに廻し、半ば闇に葬られた一件の謎を明らかにするプロセスが実に興味深い…そして、そのプロセスを紡ぐ人間臭い男達や、彼らが動く街の描写も魅力的だ…

    とにかくも非常に愉しい!!