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Posted by ブクログ
とにかく、「天性のイケイケヤクザ」の桑原の魅力が圧倒的。底なしの口の悪さと悪知恵のための頭の回転と、化け物じみた喧嘩の強さ、そしてなにより、筋の一本と追った任侠(なんだかんだ言って金を使うべきときには出し惜しみしない)に、爽快感を覚えない人はいないのじゃないか。
特に本作では、桑原たちに協力する中国人、朝鮮人の男たちの侠気に思わず目頭が熱くなるシーンがあり、文字通り「任侠に国境なし!」と快哉を送りたくなった。また、ラストシーンにもぐっと来る。もちろん、想像を絶する過酷な現実の中で生きる北朝鮮の人々(特に浮浪児たち)の描写には胸が痛む。桑原でさえ絶句する社会状況、小説では金正日体制時代でまで日本との経済交流があった時代だが、金正恩体制となった今、悪くなりこそすれ良くなっているとは到底考えられず、果たしてここで描かれているよりひどい状況とはいかなるものかと考えるだけで、言葉を失う。
おそらく、黒川さんご自身で北朝鮮に取材されたと思われるが、巻末の参考資料の量にも圧倒される。これだけ手間隙書いたのに「あと一息」とか「北朝鮮の描写が書き割り」とか評されて直木賞獲れなかったなんて、ちょっと悔しいくらいじゃ済みませんよね。
あれだけ長いのに、無駄なシーンがひとつもないうえに、おびただしい情報量にも関わらずすこんすこんと頭の中に入ってくるので、あっという間に読めてしまう。もちろん、桑原と二宮の丁々発止の遣り取りには時々吹き出してしまうこと請け合い。
暴力シーンもあるけど、桑原は女性には意外にもジェントルマンなので、女性にもお勧めですよ!
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