清水俊二のレビュー一覧

  • 湖中の女
    裏で糸を引く意味だと考えても、「湖中の女」が確かに中心人物だと言えると思った。

    また、マーロウの「私」視点で書かれてはいるが、地の文からマーロウが考えていることがわかるわけではなく、マーロウが見たものやしたことしかわからないし、そのほかに書かれていることもマーロウとその相手の会話文であるため、読者...続きを読む
  • プレイバック
    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『プレイバック(原題:Playback)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』、『さらば愛しき女よ』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    女の尾行を依頼された「マーロウ」は、...続きを読む
  • さらば愛しき女よ
    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『さらば愛しき女よ(原題:Farewell, My Lovely)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    前科者「大鹿マロイ」は、出所した...続きを読む
  • プレイバック
    人生やり直しも楽しみ(プレイバック)
    街の権力者は法でも金と権力で何とでもなると思い上がる。だが、違った街での自由気ままな発言と行動は許されない。よく政治社会に居る「思い上がり」は権力を振り翳し、街ぐるみで自分の思った通りに動かすが、現実に「長いものには巻かれろ」の如く、言われるままの地位を持った輩...続きを読む
  • 長いお別れ
    ハードボイルド小説の形を作った名作。個人的にはそれほど面白いとは思えなかったが、台詞は洒落ていて格好いい。
    有名な「ギムレットにはまだ早すぎるね」という言葉がどんな使われ方をしているのな理解できたので良かった。この台詞もやはり洒落ている。

    マーロウは探偵なので、探偵小説でもあるのかもしれないが、ト...続きを読む
  • 湖中の女
    チャンドラーは評論を含め全て読んでるはずなのにこの作品は印象が薄い。
    初期に傑作を沢山読んだせいかもしれない。
  • 長いお別れ
    何度も咀嚼して読むことで味が出そうな小説。ただストーリーを追うだけで読み進めた自分には途中間延びしたところがあったりでテンポが悪く感じる。
    物語のキーマンであるテリーとの友情が唐突な気がしたり、何故にリンダローリングと寝ることになるのか、その夫である医師は曲者だけど話の筋にはほぼ関わらないひとだった...続きを読む
  • 長いお別れ
    ハードボイルド、むずっっ!!!
    「なんか、オシャレ…?」
    「なんか、カッコイイ…?」
    みたいな感想しかもてず…わたしがお子ちゃまだからかな?
    昔から男性が「カッコイイ」と思うものにカッコ良さを見い出せない人間なので、
    趣味じゃないってだけかもしれないけど…
    あとは、村上春樹訳で読むべきだったな。
    ...続きを読む
  • さらば愛しき女よ
    (108)比喩の訳わからなさにイヤにならなければ面白く読める。メガネさんに鍛えられていれば大丈夫。中国茶のように云々。
  • 湖中の女
    読んでいる最中、何度も中断が入ったため、いまひとつ話に熱中できなかった。決してつまらない話ではなかったのだが...。やはり一気に読まなければいけないと思った。
  • プレイバック
    私立探偵フィリップ・マーロウの七作目。

    違和感。
    マーロウはこんな男だったのか?

    尾行した女について行った街だからなのか。
    突然のヘリコプターの登場も、
    最後のプロポーズも違和感しかない。

    あの、有名なセリフを確認できたのは良かった。
  • 緊急の場合は
    クライトンの初期の探偵小説。普通、探偵小説は読まないことにしているけど、まずまずですかね。しかし、さすがのクライトンも若すぎて荒削りな感じがするし、どこかで読んだようなというか、誰か他の人が書いても、同じような物になりそうな気がする作品です。
  • プレイバック
    ミステリで最も印象的な文章は何?と訊かれた時に、真っ先に思いついたのはこの台詞、

    「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている価値がない」

    だった。フィリップ・マーロウの代名詞とも云えるこの台詞が出てくるのはチャンドラー最後の長編である本作なのだ。

    マーロウ...続きを読む
  • 湖中の女
    フィリップ・マーロウは4作目の本作で初めてロスを離れる。化粧品会社の社長から頼まれた妻の失踪事件を追って、彼の別荘があるロス近郊の湖のある山岳地帯の村に入り込む。そこの湖から女性の死体が上がる。その女性こそが社長の妻だろうと思われたが、別の女性の死体だったことが解る。そしてマーロウは別の事件に巻き込...続きを読む
  • さらば愛しき女よ
     これぞハードボイルド!黒人街のバー、謎の依頼人に謎の女、富豪、宝石泥棒、賭博の停泊船…あんまりミステリーを読んでなかったわたしでも、「ミステリーっぽいーー!」ってなる要素がそこかしらに散っている。
     マロイが切ない。なんとも言えぬ哀切な感情が胸に残る。
  • さらば愛しき女よ
    時間がかかったけど何とか読めた。粗くざらついた文体にユーモアのある比喩がキラキラ散りばめられている。日本文学では得られない独特な雰囲気がありアメリカの風を感じたような読書体験だった。朴訥としていて哀れな大鹿マロイが気に入った。
  • プレイバック
    チャンドラーの遺作にしてマーロウ最後の作品。事件が終わった後にパリの女からプロポーズされるのが、プレイバックというより蛇足かも(笑)
  • さらば愛しき女よ
    翻訳が読みにくいと思うこともあり、一気に読まないといろんな登場人物の相関性がわからなくなることも。。。でも、とてもきれいな文章だと思いました。大鹿マロイ、グレイル婦人、グレイル氏、それぞれ形の違う愛があり、客観的、冷静に物事を見極めつつも、情のあるマーロウは多くの人が言うように、やっぱりかっこいい。...続きを読む
  • 高い窓
    皮肉と諧謔の応酬の激しいこと激しいこと。途中でついていけなくなって、言葉通り受け取っていいのかわからなくなることも。でもその位振り回されるくらいが掛け合いのノリを楽しめて自分にはちょうど良かった。
  • プレイバック
    相変わらずマーロウはダンディですが、
    ほかの作品よりも疲れていて孤独で自棄になっているような気がします。

    ストーリーの核になる事件も、
    気の毒な人たちが引き起こした気の毒な事件で、
    その下らないかんじが、いっそうくたびれさせているみたい。

    「しつかりしていなかつたら、生きていられない。...続きを読む