山背郷

山背郷

605円 (税込)

3pt

「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫……。大自然と共生し、時に対峙しながら、愛する家族のために闘う彼らの肖像を鮮やかに描き、現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う九編の物語。作家の原点が凝縮された傑作短編集。

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山背郷 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年10月12日

    昭和の東北を舞台にした短編集。

    「少しでも早く先を読み進めたい」とここまで思わせてくれた本は久しぶり。東北の田舎ではある意味当たり前だった”生活文化”を丹念に理解した上で、そんな生活者の一人である登場人物の想いを、派手ではないが丁寧な話の流れで描き、ほっこりとした感動短編や、ちょっと切ない短編とし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年07月31日

    再読です。
    読んでいて、やはり吉村昭との類似性を感じます。最終的には記録文学の方向に行った吉村さんですが、初期の作品は物語性が高く、そのころの吉村作品に近い雰囲気があります。ただ、熊谷さんの方がより奔放です。
    印象に残るのは「ひらた船」と「川崎船」。自然との厳しい戦いと対比するように人(夫婦間、親子...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月23日

    熊谷達也『山背郷』(集英社文庫、2002年)は東北地方のマタギや漁師、川船乗り、潜水夫らを描いた短編小説集。山背は東北地方で春から夏に吹く冷たい東よりの風を指す。この山背が吹く厳しい自然の中で暮らす人々を描く。
    「川崎船」は戦後すぐの青森県下北郡脇野沢村のタラ漁村を描く。タラ漁の場所取りは迫力がある...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月05日

    短編集。昭和20年代の東北を舞台に、山だ海だの自然の中で生きる人々の営為。家族愛を描く作品多し。

    抒情的な少年時代の回想「メリイ」
    ホラー味の「モウレン船」
    直球勝負でイイ話の「川崎船」

    自分が読んだ作家との比較で言うと、ジャック・ロンドンを思い出す(特に「旅マタギ」とか)。

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    Posted by ブクログ 2018年09月03日

    東北を舞台にした珠玉の作品集。どの短編も日々の暮らしを必死に生き抜こうとする人々への筆者の深い愛情を感じさせる。

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    Posted by ブクログ 2018年04月21日

    熊谷達也ぽさ100%のナイスな短編集。熊撃ちと船乗りとオオカミの話が多くて、どれもいちいち素晴らしい。一番好きなのは、メリイの話で、飼い犬との触れ合いの描写はとても良かった。

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    Posted by ブクログ 2013年05月21日

    大自然と人間の共存をテーマにした短編9作品。
    短編にしとくのがもったいない気がするくらい
    とれも読みごたえがあった。

    森シリーズ全巻読まねばなるまい。

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    Posted by ブクログ 2010年01月14日

    熊谷達也の短編集。
    マタギ物、漁師物など9編が納められている。
    彼が描く家族像がとても清々しい。

    現代の日本は「家族」を失ってしまっていないだろうか。

    収録作
     潜りさま
     旅マタギ
     メリイ
     モウレン船
     御犬殿
     オカミン
     艜舟
     皆白
     川崎船

    熊谷達也、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    昭和初期の東北を舞台にして、農村の人々の生活の中のドラマを、史実を背景に描いた作品群である。ほどよく使われる方言が心地良い。

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    Posted by ブクログ 2018年10月15日

    今までであればたぶん自分からはなかなか手を出さないジャンルの小説だったが、「幻の漂白民・サンカ」を読んでいてその話をM浦さんにしたら、「ちょうどこんなのを読んでいるよ」と言って貸してくれた。

    タイトルからしてもう少し山の民や生活によっているかと思ったが、実際には「旅マタギ」「御犬殿」「皆白」以外は...続きを読む

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