テロルの決算

テロルの決算

733円 (税込)

3pt

本作はもはや伝説。沢木耕太郎の最高傑作がついに電子書籍化!
あのとき、政治は鋭く凄味をおびていた。ひたすら歩むことでようやく辿り着いた晴れの舞台で、61歳の野党政治家は、生き急ぎ死に急ぎ閃光のように駆け抜けてきた17歳のテロリストの激しい体当たりを受ける。テロリストの手には、短刀が握られていた。社会党委員長・浅沼稲次郎と右翼の少年・山口二矢――1960年、政治の季節に交錯した2人のその一瞬、“浅沼委員長刺殺事件”を研ぎ澄まされた筆致で描き、多くの人々の心を震わせたノンフィクションの金字塔。第10回(1979年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

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テロルの決算 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    沢木耕太郎の二矢という少年への強い思いが伝わってくる。普通の17才の「素直さ」「狂気」「儚さ」が見事に伝わってくる作品となっている。近年では安倍晋三の銃撃事件があったが、あの事件で、頭をよぎったのは、この「テロルの決算」だった。

    まだ、読み終えていなかったこの小説のあとがきは、二矢が「生きていたら

    0
    2024年09月05日

    Posted by ブクログ

    現実に起きたこの事件は知らなかったが、小説として書き起こされた当時の情景に息を呑む思いを感じる。17歳の少年が人を殺し冷静に取り調べを受け自決する。物語終盤の以下の言葉が少年テロリストのものに思えないが、そう思って読むと様々な感情が湧き起こってくる。
    「私の人生観は大義に生きることです。人間必ずや死

    0
    2024年05月13日

    Posted by ブクログ

    社会党委員長の浅沼稲次郎が渋谷公会堂で行われた立会演説会の演説の最中にテロリストの若者と交錯した場面はテレビ映像で何回か見たことがあった。
    この本は17際の少年がなぜ暗殺に及んだのか、また、その時現場にいた多くの人たちが何を見て何を感じたのか克明に描いている。
    当時の政治情勢含めて詳細に描かれた秀作

    0
    2023年12月15日

    Posted by ブクログ

     社会党政治家が右翼少年に刺殺された事件がテーマとなったノンフィクション作品。二人の過去を辿りながら、社会党政治家側の視点、右翼団体の視点、そして、テロ至るまでの経緯が丁寧に描かれている。
     戦争、安保闘争、学生運動、その時々の人々の考えが伝わってくる、とても学びの多い作品だった。それぞれの転換期に

    0
    2023年11月13日

    Posted by ブクログ

    もともとノンフィクションは好きだが、文章が上手く、緻密で広い関係者からのヒアリングに基づきストーリーが作られた秀作。戦後に個人主義が進み、今は人間関係が薄い時代になっているが、まだまだ人間の濃さが残っていたのを感じる。

    0
    2023年09月23日

    Posted by ブクログ

    私が生まれて間も無くの事件だった。
    短刀を構えた青年が、壇上の浅沼氏に襲いかかる映像も何度も目にした。
    子供心に公衆の面前で浅沼氏が刺殺されるというショッキングな事件を覚えている。
    この作品で山口二矢という青年を知り、彼の思考を知り、あたかも鞘を持たない抜き身の刃物のような存在に思えたこともある。

    0
    2021年10月10日

    Posted by ブクログ

    ずっと前に買ってあったが、全く読めておらず本棚に眠っていた。さすがにノンフィクションの金字塔といわれる作品。読み応え十分。目のつけどころもすごいし、事件が事件だけに、取材するのが相当に大変だったと思われる。インタヴューを重ね丁寧に文章を紡ぐ。こんなことはなかなかできないことだと思う。この人にはかなわ

    0
    2020年12月07日

    Posted by ブクログ

    もう、三十年も前に読み終えた
    ルポルタージュの名作、
    本屋さんの棚に並んでいたので
    懐かしく思い、奥付を見ると
    「新装版」とある
    これは 今一度 と…

    やはり どきどき しながら
    最期まで 読んでしまいました

    「一瞬の物語」が
    その時代の雰囲気と有り様を
    見事に語ってくれる

    あとがき、
    それも

    0
    2019年10月30日

    Posted by ブクログ

    1960年10月、社会党の浅沼稲次郎氏が刺殺されたテロ事件を、関係者への詳細な取材をもとに再現したもの。
    犯人の山口二矢の生い立ちと、浅沼氏の生い立ち及び政治的思想の背景を綿密に調べ、殺された浅沼氏のそのときの状況と、殺した17歳の山口の焦燥などが詳しく語られ、非常に詳しくこの事件を再現している。

    0
    2016年01月23日

    Posted by ブクログ

    著者がまだ若いときに出版されたもので、著者が真実に迫ろうとする、真摯でまじめな姿勢がうかがえる。

    まず、取材先の数が膨大である。
    自分のなかの疑問を少しでも解き明かすため、著者はあらゆる関係者の声を聞きたかったのだろう。そのころはまだ大作家ではなく、おそらく自分でアポをとり、自分で取材趣旨を説明し

    0
    2015年11月10日

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