【感想・ネタバレ】メダリスト(4)のレビュー

「できなかった自分にしか拾えない気持ちがある」
「できなかった自分だけが見つけられる才能がある」
夢に破れた重い経験を持つ者が放つ言葉に心打たれました。

子供の頃の夢はサッカー選手でした。文集でもそう書いていましたが、実際はそんなのなれるわけなんてないと小学生ながら分かっていましたし、自分の力量と才能の限界、現実の差にも気づいていました。
譲れないものを持たず、壁を見つけては避ける手段を考え、物事に抗うことをせずに生きてきました。自然と我慢する癖がついていた気がします。

この作品は、そんな自分とは正反対に誰よりも強い執念を持った少女・いのりが、夢に破れた青年・司とフィギュアスケートで世界を目指す物語です。秘めた才能と固い意志を武器にみるみる上達するいのりの成長っぷりには、この後の展開に胸躍る気持ちと、自分を正されるような感覚になり、悔しさが込み上げてきます。自分にもここまでの執念があったらと…。同時に司の心情に共感する部分も多くあります。

後悔と挫折を経験した自分だからこそ、コーチとして導ける世界がある。
2人の主人公が駆ける世界への道に目が離せません。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

さようならとありがとうを、できたなら。

大人になればなるほど嫌な自分が増えていって、昇華できないまま足を引っ張るようになります。
司先生ですら…いや、司先生こそが過去の重さで一歩も動けなかった人。ただ、いのりさんの熱さにほだされ腹くくって、いのりさんのためだけに全力を出せるだけで。
それはそれで素晴らしいのですが、今巻はついに子供達の真摯で前向きな姿に触れ、自らも過去と向き合おうとする司先生…!(先生ばりにぶわっ…)
この作品、師弟の話でありながら、お互いがお互いを一個の選手、人間として尊敬しているのがホントに素晴らしいんですよねぇ。

司先生はいのりさんを導いているようで導かれている。
いのりさんは司先生に選べるようになりたい。

…特にいのりさんの心境というのは目的と手段がまるっと逆転してて、さりげないけど凄い転換です。
「(メダリストという)強い選手になるために、司先生に教えてもらう」から、「司先生に教えてもらいたいから、強くなりたい」。ほら、前後が逆転。
分かる、ホントによくわかる、その気持ち。「司先生はきっと自分をメダリストにしてくれる」という気持ちが始まりだけど、その気持ちが強過ぎていつの間にか「メダリストになる手段、誰に教えてもらってメダリストになるか」をこだわってしまって…。
なんかもうホントにこの二人が別々の道を歩む姿が想像できない。あまりにお互いがお互いを好き過ぎる。

……つい口にしたくなる言葉があるけど、それは言いたくないな、って思う。

で。
そう言いながらも、いやもう…理凰さんがもう…可愛過ぎる。
なんだろう、この漫画に欠けていたツンデレがここにきて、とか…いやいや。
どんなに斜に構えていても、良いものを否定できない、「凄い」とか「憧れ」に対して素直に反応できるのが子供らしくて微笑ましい、そしてそれ以上に羨ましいんです。
司先生を認めた後の理凰さんはもう、ホント可愛いとしか言いようがない。SP(ショートプログラム)後の表情とかもう…ねぇ?
いっそもう、うち(明浦路門下)の子になっちゃいなよ!
ミケも加えて3人でワチャワチャやってる感じがすっごい楽しい…し、司先生をめぐっていのりさんと理凰さんがバチバチやるのも心が豊かになるし(笑

あと、誰かに「大丈夫」って言ってあげられる強さを見せてくれたところが、ホントに嬉しい。

それから今回絶対面白いのは、「見なよ…オレの司を…」に絡むいのりの挙動不審っぷりなんですが。
これ、同感なんですよねぇ。この上なく同感。はっきり言って司先生のダンス、めちゃくちゃ好き(1巻のも)。
なんというか、カッコよさ、綺麗さの魅せ方が上手いんですよ。基本的に司先生はカッコいいんだけど、それを更に動きがつくことで非現実的なものを見せつけられる感じ。
ギャラリーの皆がキラッキラした目で見てるのがまた良い効果だったり…。
そりゃぁひねくれものだって惚れるわぁ。

…でも。
何で司先生が「踊ってみせよう」って思ったのか? がピンとこないんですよね。
幾ら何でも(現時点で)夜鷹純のイメージを払拭できるほどに自分が上手く踊れる、なんて思ってないだろうし…?
いや、「こんなありがたい事ない」ものを見せてもらったんで何にも文句ないですけれどもね?


さて、ついに次巻は…。
相変わらず熱くて楽しみな展開が続きますが…えぇ?! 発刊3/23ぃ!? …が、頑張ってそれまで生きるよ…。



夕焼けの公園で座る背中が、寂しさや悔しさや、喜びや感謝や…余りに多くの感情を呼び起こして、ちょっと目尻がぐっちゃぐちゃになっちゃうんですよ。

1
2021年11月12日

匿名

ネタバレ 購入済み

合宿編

スランプで少し拗らせた理凰さんとミケさんと合流して合宿編
明浦地先生の演技で理凰さんがスランプから抜け出せたりいのりさんの向上心を間近で見てミケさんも成長したりしたのが良かったです。

0
2023年12月31日

購入済み

無料版より

3巻無料で読ませてもらい、とても面白いので4巻から購入。
BookLiveの無料作戦にまんまとハマってます。
今巻のいのりちゃんも良かったけど、そのいのりちゃんに懐くミケちゃんも良き。

0
2023年04月28日

匿名

ネタバレ 購入済み

ノービス出場をめざして

光ちゃんと戦えるようになるため、六級合格に必要なジャンプやスケーティングを頑張るいのりちゃん。福井の合宿にはミケちゃんや理凰君も参加してお互い競い合ったね。理凰君が司先生になかなか心を開いてくれなかったけど、自分のプログラムを滑ってる司先生みて、びっくりしてたね。瞳先生から司先生の事も色々聞いて理凰君が変わっていくとこがよかった。司先生のスケーティング、ほんとに綺麗でかっこいい。司先生のアドバイス受けいれてコンビジャンプ跳べるようになったね。いのりちゃんも理凰君も六級に受かった。次はブロック大会。司先生といのりちゃんの挑戦は続く。二人の道の先をこれからも見守りたい。

#アツい #感動する #ドキドキハラハラ

0
2023年03月24日

匿名

購入済み

合宿がメインだとほかの巻より読みごたえが劣るのかなと思ったけど、そんなことはなかった
最初の見開きのカラーイラストがめちゃくちゃ好き……
理鳳くんとの関係性の変化もあって良かった~

0
2022年10月14日

ネタバレ 購入済み

理鳳が改心してとてもいい子になっていて感動した。6級にも無事合格し、ノービスの予選も始まるので楽しみです。

#笑える #泣ける

0
2022年03月25日

購入済み

メダリスト4

理凰くんの成長が目立った4巻でした。
司の過去の努力の証が、理凰くんの頑なだった心をとかしました。
次はいよいよ光ちゃんと戦うといういのりちゃんの目標が叶いそうです。

0
2021年12月18日

Posted by ブクログ

毎巻、泣かされそうになります。
何でなのかなぁと考えてみたのですが、やはり子ども達の成長が感じられるからと思い至りました。
フィギュアスケートは華やかな世界で日本でも世界のトップクラスの選手がボッコンボッコン誕生しているジャンルのスポーツです。
でもその裏で家族の葛藤であったり、コーチや選手がこんなことをしているのだというのが垣間見れるのがこの作品の良いところ。
この巻では2代目アスリートの抱える苦悩と大人の何気ない一言が子ども達に与える影響の大きさが心に刺さりました。
そして、そこからのデレ。
皆、本当に頑張っているから報われて欲しいです。
でもトップの頂は1つしかないんですよね…。
今後の展開がどうなるか楽しみです。

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2021年12月06日

ネタバレ 購入済み

言葉(セリフ)の選び方がすごいと毎回思う。
絵と言葉で圧倒されるし、感動する。
司先生が滑るシーンでは涙が出そうになった。
本当に良い漫画だ。

#アツい #泣ける #感動する

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2021年12月04日

ネタバレ 購入済み

最高

いのりが2回転飛ぶところゾワっとしました!!
その後に3回転飛ぶところも最高だし、司先生の見本も綺麗すぎて…!合宿総じてよかったです!

#アツい #泣ける #感動する

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2021年10月27日

ネタバレ 購入済み

メダリスト

司先生格好いい~!
先生の滑り、メチャクチャ良かった。素敵!
いのりちゃんも、みんなも頑張っててえらい!
2A降りたとき、思わず声が出た。
子供達が頑張ってるのを見てるだけで、うるうるしてきちゃってヤバイです。

0
2021年10月25日

購入済み

今回も熱かった

巻が進むことにいのりちゃんのできることが増えていく。司先生といのりちゃんの熱い心がまた別の熱を生み出して、小さな縁も取りこぼさない日々の丁寧な生き方がまた縁を結んでいく。胸アツの4巻目でした。表紙からしてかっこいい司先生の筋肉ですが、今回もまた滑ってくれているので作中でもしっかり筋肉堪能しました。取り繕わない真っ直ぐな人だから、子どもにもしっかり言葉が届くんですね。こんなストレートに大人が向き合ってくれたら、間違いなくついて行っちゃう。この人ならきっと自分はもっと強くなれると思わせる司先生、自分のすごさに気づいてないところがもだもだしますね!
巻末の四コマもとっても面白かったです。

#アツい #感動する #カッコいい

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2021年10月21日

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