感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自分が存在した痕跡を消した研究者は何を願っていたのかという話。
グアトは何かを感じるが、具体的には判らないとき、確かに読んでる当方も何か感じるものがある。何だか判らないから、もどかしく感じる。
最終的に答えに行き着くけれど、何がどうつながったのかよく判らなかった。まあ、当方の頭が悪いんだろうけれど。
バーチャルに移行すれば身体の軛から逃れ、寿命や病気や様々の面倒な諸々からオサラバできるだろうと思うのだが、作者からの提示には納得しつつ、長い物語の此処で此れが出てくるのかとも思う。
前作から登場人物が増える展開かと思ったが、そうでもなかった。ロジはすっかり人が変わって、本人も戸惑っている。グアトは相変わらず鈍いなと感じる。
3人で暮らしたら、グアトも変わるかな。
Posted by ブクログ
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独特のリズムと波長でリアルとヴァーチャルの死生観を描き出す、WWシリーズ8作目。
3、4年前から、結構いつ死んでもいいかな、と思っている。
と云って深く考え始めると、家のこととか家族のこととかやりたいゲームとか読みたい本とかいろいろ浮かんできてまぁ頑張るか、となるのだけれど。
枯れたとか、熱量が無くなったというわけでは無くって……後悔は無いなぁ、という感覚。自分の死後に何か残るとして、それはもう自分のものではないな、きちんと誰かのものになっているな、って妙な安心感のようなものがあるのです。
死生観、というふうに、生と死はいつも続き物のように捉えられていて。確かに生きていないものは死なない、という点では生と死は一体なのかもしれないけれど、でも逆はどうだろう? 死なないものが生きていると云えないのならば、永遠の生はもう生きてはいないのかしら。そもそも永遠に生きるなにかが存在したとして、それが永遠に生きているって証明するものはなんだ?
えーっと。こういう話ではないです、決して。
ある種いつもどおりの、けれど前作で迎えた大きなターニング・ポイントから起こる細かな変化が、テーマと良く合致していて読ませる。
不思議なもので森博嗣の小説は音楽を聴きながら読めないことに気付かされた。ふむ。
☆4.2