感情タグBEST3
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子供への愛情が当たり前ではない場合もある中で水鏡さんと共に両親からもらった無償の愛情に感謝。また、目に見えない評価に苦しむ中で、それでも組織に属するからこそこできることがある状況は公務員でなくとも社会人なら誰しも。四面楚歌ではない水鏡さんの環境がとても素敵に思えました。
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〇ミステリの枠としてはかなり珍しいが、それでも展開に思わず唸る
帯には「最高に面白く珍しい気象と登山のミステリ」と書かれる。
出だしは登山をする4人の女子少年だ。
女子少年とは、少年院送致された女子のことを言うのだそうだ。
「女子少年登山プロジェクト」とは、NPO法人ソリュート・ラポール・センターが主催し、文科省などが共催する企画で、女子少年4名が登山の過程で様々な人間的な成長を促し、より早く更生に向かうよう育てる、というもので、過程をSNS等にアップすることで世間からも一定の評価を受けるようになっている企画だ。斬新である。
斬新なだけに世間の注目度も高く、だからこそ八甲田山に登った後4人の行方が知れなくなってしまったことは注目を浴びないわけがない。
それだけだったら瑞希も気にかけなかっただろうが、業務上一瞬だけ教えを乞うた浅村がSNSにアップされた動画に一瞬でも映ってしまっていたのだから、関わらないわけにいかなかった。
浅村の関与にどのような意味があるのか、また瑞希が浅村から預かった書類にどんな意味があるのかを瑞希が調べ始めると、急激に勢力を拡大していた天下り先の気象会社プレシアンス社が怪しいと感じ、気象庁の藤川にも協力を仰ぎながら調べ始めると、コンペで不正をしたのではないかと疑惑を抱く。しかしコンペの穴も見つけられないが、何とか真相を探りたい瑞希は、上司を説得し八甲田山への出張を申し出ることにした。
いやー、思わず唸った。
まさか登山をする出だしがそんな結論を迎えるとは。
気象を巡ってはいろんな不確定要素の中にいろんな思惑が見え隠れする。
不正を許さない瑞希の推理と想いが、少女たちの心もつかむ。
ノンキャリが自分で問題に首を突っ込んで課長に出張の許可を得るなんて、過去の水鏡推理ではたくさん描かれてはいるものの、現実世界はそうもいかないのだろう、ということは本作でも触れられている通り感じられる。
正義とは何か、瑞希が上司に反目してと思われても行きたいのはその答えを自分なりに持っているからだ。近作では自信を無くしがちなのは作者も意図的に描いているかもしれないが、その勇気は自信を持ってほしいし、霞が関はそんな職場であってほしくないなぁ、と思う。
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水鏡推理シリーズで一番面白かった。
この間万能鑑定士Qシリーズの最終巻を読んだばかりだったが、水鏡推理があとをついでくれるだろう。
もちろん、実際こんなことはおこらないだろうけどね。少年院に入っている子どもたちに自由に行動させる訳ないし、こんなアンフェアで応募側にある程度裁量があるようなコンペもないだろうし。
でも気象ネタってのは斬新だった。そして今回は親子のあり方に焦点をあて、いつもより人情に訴えかける熱い展開だった。
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知らず知らずのうちに親に洗脳され、それ故かは定かではないが不幸な未来を背負わされて育ってしまった子どもたち
その子どもたちを使って金儲けをしようとする国家公務員
相も変わらず黒い人たちですなぁw
はぁ~、フィンクション、フィクション♪
瑞希を取り巻く人達の心にも若干の変化が現れ始めてちょっとうれしくなってくる。
最後の締めもいい。今まで以上に瑞希の心の成長が感じられたシーンだった。
親目線で成長を見てるとジンとする。
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水鏡4作品目。今回は民間気象予報会社の不正&女子少年院の山登り虚偽行為を水鏡と官僚浅村が暴く。少女が抱く親との確執、水鏡・浅村も質は異なるが共有。誰しもが持っているこの確執は人生を左右する。法務教官の仕事の大変さは一言では語れないが、濱浦、紀香のバカさ加減には、really?あり得ない!と唸った。私も経験していますが、研究費を頂くのは難しいし、そうあるべきだと思います。なので、研究内容を理解出来る評価者による審査が必要ですね。しゃんしゃん的なのは反対
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気象庁と民間気象会社の食い違いから発生してしまった少女集団遭難とそれに関わる手の込んだ不正を、主人公である水鏡瑞希が解いていく内容。少女集団遭難、官僚の失踪、民間気象会社の驚異的な予報的中率のカラクリが真相に結び付いていく様子や真相にたどり着いたことで窮地に追い込まれた瑞希が生還する様子は読みごたえがありました。
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中盤、瑞希はやけに子供っぽいし、父親はなんたかやたらと説教じみてるなと思いつつ読んでたんだけれど、こういう結末に落ち着けるためか、と腑に落ちた。前回より面白かった。浅村は絵に書いたような理想の上司像だなと思う。まるで、少女漫画から出てきたみたいだ。ただ、この作品は瑞希にとって救いがない人間ばかり出てくるのでこういう人もいた方が読んでる方も安心できていいなと思った。
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おかしな組織、人間関係の中にいると正義まで狂ってしまうよね。
人として持つべき正義を失わないようにいたいし、責任ある立場になった時その正義を奪わないようでありたい。親は無条件で子供の価値観も正義も奪うことができてしまう。
ってことを考えさせられました
2018.11.10
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様々な組織の不正を主人公の女性が暴いていくという基本的なロジックの面白さだけじゃなく、本書は親と子の感情の違いや対人間としての因果や関係性にもスポットを当てた、シリーズの中では新しい切り口の構成だったので、最後まで楽しく読むことができた。
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気象予報や人工降雨に絡むウンチクが、けっこう読みやすい。また、予算をつけるかどうかを、裁判の判例トレンドの変化で判断する、など、ふむふむ、の話もある。
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色々とツッコミ所はあると思うけど、今までのシリーズで一番内容が深いなと感じた1冊。瑞希の親子関係での悩み、今の仕事場でのやりがいなど、事件の謎を追及したり、騒動に巻き込まれながらもそのことについて触れていく描写が今回はとても印象に残った。自分は独身で子供もいない為、この年頃の子供を持つ親の気持ちや苦労、子供が考えていることや立場もあまりピンと来ないけれど、文章を読むことで色々と考えさせられた。親と子、血縁だけど人間関係なんだよな。人間関係ってむずかしいな。感想はこんなところです。
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瑞希がかなり体を張り、命の危機にさらされる巻。
完全に少年院の少女四人が主犯だと思ったのに、、、それ以上に恐ろしい黒幕が。後半かなりドキドキさせられます。
プレシアンス社の予報トリックは、コナン並みにやられた感が。映像化してもわかんないよ~。
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水鏡推理シリーズの第4作。女子少年刑務所の少女達の登山を取り入れた更生プログラムをSNSで発信することによってアイドル的存在になっていく。あるとき最近力をつけてきた民間気象会社の予報によって八甲田山登山で遭難してしまう。その予報を総合職の浅村と共に調査を始めた一般職事務官の水鏡瑞希。コンペの不正を暴くだけではなく瑞希の親との葛藤・怒り、そして成長と盛りだくさんだった。浅村の言葉も印象的だった。「母と距離をおこうとすると罪の意識にさいなまれるんだ。親を見捨てるなんてとんでもないって。多分それも、母が刷り込んだ観念なんだろうけど」
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巻が進むごとに、面白さアップ
最終的に騙しているのが誰か、分かりにくくなってより楽しめます
扱われるテーマもどんどん変わっていきます
既刊同様に相方も
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Qちゃんシリーズ終わっちゃって、こちらに集中?
残念だけど、水鏡さん応援するしかないわね。
今回でだしは、文科省の話ではないのかと思っていたら…
こういう不正もあるのね。
今回の黒さは半端なかった。
水鏡さん周辺もちょっと変わってきたので、よかったです。
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今回は違う方向を向いたベクトルの面白さだった。
そしてその向きは私の好きな方を向いていた。
解説でも触れられているけれども、泥だらけで語り合う11ページ。これは良い。とても良い。すごく良い。
今回はこれだけで、良い。
人の道に正解は無いけれど、間違いはある。
自由に往けよ、往けば分かるさ。
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研究費の不正受給を暴く公務員ミステリー第四弾。
今回、方向性が見えづらく読むのがしんどくなる時もあったが、最終的には結構スッキリする終わり方だった。
気象予報コンペのカラクリはなんとなくわかってしまう人も多いのでは?でもそんなことも気にならないほど話は面白い。
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非行少女更正のための登山プロジェクト、天気予報、それらが最後にこんな陰謀で結び付くなんて予想もつかなかった。読みやすかったが、非行少女の生い立ちはフィクションとはいえ胸が痛む。途中、なかなか糸口が見つからず読み進めるのが辛くなったが、最後の解決はよかった。少しくらいヒロインにときめく感情を持たせてやってほしい。
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水鏡推理シリーズ4作目
定期メンバーがいないので、変わらずの孤軍奮闘。
今回は至るところで瑞樹のイライラがあって、読むのに苦労したけど、最後の方でスッキリ。
このための伏線かと。
やはり松岡氏はうまいな。
題材はきっと親子。
自分にできるのは子供の話を聞いてやることかなぁ。でも注意力散漫なので娘には「聞いてないでしょ」とすぐにばれてますが(笑)
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相変わらず読みやすい。
しかし、前作までと違ってエリートと戦う姿が少ないような。
人が死なないので仕方ないのかも知れないが、緊迫感がどうしても希薄になる。
敵対する人物や上司もあまり個性的でないためか、水鏡も普通に対応している感じ。
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もうかれこれ40年近く近くになるが、学友が少年院の教官という職に就くことになり驚いたことがある。条件は夫婦で院内に住込で生活できること。彼は慌てて妻になる人を説き伏せて結婚、地方の少年院に閉ざされてなかなか会いにくい存在となった。その後彼と再会した時にそこそこ話してもいいと彼の判断する範囲内で少年院事情というものを聞かせてもらった。
彼が就任した少年院は実は少女少年院であったこと。家で生徒たちとの共同生活を営まねばならないこと。彼女たちがそこに送り込まれた原因はほとんどが少女売春によるもの。生徒に誑かされ職を失った若き教官の話、少女の誘惑の手口、心の暗黒、といったところまで話は及んだと思う。
さて 本作は少年院の院生たちが、登山を通して早期退所を果たそうというプログラムを、某NPO法人のリードで実験するところからスタートする。例によってスピーディに話は進むが、少女たちはスマホやタブレットで登山の自撮り実況中継を行い、瞬く間にネット・アイドル的存在になってゆく。しかし民間天気予報会社が気象を読み違えたことにより、誤った気象判断をした彼女らは八甲田山において遭難事件を起こしてしまう。
話はどんどんスケールアップし、文部科学省や気象庁などの国家的陰謀へと広がってゆく。手品のような小説作法を得手とする松岡圭祐は、もちろんそれらから巧みに目線を反らす話術、仕掛けられた伏線の山、思いもよらぬどんでん返しの連続によって展開してゆく。もちろんメディアやマスコミ、インターネット世界までを駆使しての、一大イベントでもあるかのように仕上げてしまうのである。
現代という葉脈にアンテナを這わせ、話題や興味をディープに掘り下げての小説化という作業は、もはや彼の独壇場と言うしかない。早書きと多作も、彼の特徴であるゆえ、常にライブ感溢れる社会現象や政治汚職など現実のリアルタイム素材は油断なくペン先を向けられる。下地を作るための情報収集努力と分析の鋭さを武器に、松岡ノベルワールドはさらにその地平を容赦なく広げてゆきそうである。
アノマリー。気象用語で「特異日」のことらしいが、アノマリー(特異)なのは少年院にスポイルアウトされた少女たちの存在にもかけられた言葉でもあると思う。何が間違っていたのか、どう対処するのか、徹底的にとは言えないまでも作者の眼が優しく彼女らの未来に注がれてゆくあたりが、この小説の真価ではなかろうか。
Posted by ブクログ
法則や理論ですべてのものが
成り立つわけではないと思いつつも、
心や意志や想いを注ぎ込んで
ひとつのかたちをつくりあげてみる。
根拠は心であり、気持ち。