【感想・ネタバレ】これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~のレビュー

最近人気のお仕事系小説。知らなかった職業の裏側を知ることが出来たり、働く主人公に社会人として共感したり。本作もそんな系譜に連なる作品です。
優秀な経理部員・森若沙名子が、経理部を訪れる社員や彼らが提出する領収書などを通して、社内の問題や社員同士のトラブルを「イーブン」にしていくという物語。この森若さんの仕事っぷり、全ての会社員が羨むほどきっちり完璧で、読んでいるだけで気持ちいい……。ドジな主人公が失敗しながら成長していくストーリーを読むと主人公のミスにイライラして耐えられない派のみなさん、森若さんは信頼できる主人公です。あくまで「イーブン」にしたいというのが森若さんの美学なので、正義感を振り回すことがないというところも、控えめに言ってかなり推せます。

出てくるキャラクターたちも、経費でぎりぎりグレーな私物を購入する広報課長、私費を使ってでも会社に貢献して正社員になりたい契約社員、レジミスを謝らないアルバイトなどなど、「うわーあるある!」というリアルさ。友達の会社のトラブルを聞いているかのように「え、ありえない!」「この人怪しすぎ〜」と、思わず心のなかで相槌を打ちまくってしまいます。そして、読み終わった頃にはもう、森若さんが同僚かのような気持ちに。

そんな信頼の森若さんですが、恋愛の方は不器用でこじらせ気味。営業部のムードメーカー、山田太陽から想いを寄せられているのですが、この2人のラブ、なかなか進まない……。しかし、仕事は早くて迷いのない森若さんが、一つ年下の太陽からの好意に戸惑い、自問自答しながら亀の如き歩みでゆっくりと距離を縮めていくモダモダ感も風流というもの。
お仕事エピソードをスカッと読ませて、恋愛エピソードでムズキュンさせてくれる、1冊で2度美味しい作品です!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

私も経理関係の仕事に携わっているので共感できる部分もあり、読んでて面白かった。
仕事だけじゃなく、恋愛要素もあるし
日常でありそうな事が物語になっていて想像しやすかった。
沙名子が太陽に気がある感じで、この先どうなるのか気になった!

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2022年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

軽やかに読み進めることのできる、爽快な話だった。自分がまだ社会人では無いからか、主人公が不満を抱きつつもテキパキと仕事を無難にこなしていくことに疑問を抱いてしまった。ただ、さらにシリーズを重ねていくごとに愛着を持ってしまうような話だった!

0
2023年11月02日

ネタバレ 購入済み

もう少し、経理業務的な・・・

問題があって、経理的な視点からあれこれと指導的なこと(どこがマズくて、どうすべきだった/どこがマズいので、どうしたらいいか)も書いてあるのかと思ったが、そんな話題はなかった。そこが残念。
 まぁ、あまり入り込むと堅苦しくなるからかなぁ・・・

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2018年12月10日

ネタバレ 購入済み

文章が稚拙、主人公性格悪い

ドラマから入りました。面白い視点のお話だな、と思ったので原作を読んでみました。
私と同じような形で入って読まれた方は、驚くと思います。
ドラマと原作は別物ですね。
まず作者さんの文章がとても稚拙な上に、言葉の使い方が間違えてる箇所があります(せせこましい、という表現の使い方、など)
場面転換も下手なので急に変わっていて戸惑ったり、どのセリフが誰のものか判読しづらい時があります(特に第2章のお話)
まだ小説家になりたての方かと思ったら、デビューして14.5年目に書かれた作品とのこと。
びっくりしました…
それからいわゆる「タイトル詐欺」に当たる作品かと思います。経理の話中心かと思ったらそうではなく、経理の話はうすーーくしか出てきません。
経理部でお仕事されてる女性の日常、という感じです。
決して経理のお話が中心ではありません。
所々思わせぶりな伏線のようなものが出てきますが、それらは特に回収もされず(たこ焼き代4800円、など)スルーされてオチもなく話は終わります。
なので、この作者さんは何が言いたくてこの作品を書いてるのかさっぱりわからないです。
その上、主人公の森若さんがとても偉そうな上から目線で、気分悪くなります。
「給料分の仕事」というセリフが出てきますが、それを判断するのは本人じゃありません。
会社です。
それなのに「自分はそのレベルの仕事をしている」という自負を森若さんは持っています。
そして仕事ができないと自分で判断している人たちを見下して見ています。
確かに「この方はミスしやすいから先にフォローしておこう」とか、そういう判断をする場面は実際の仕事にもありますが、仕事は相互作用です。
自分が助けることもあれば、助けられることもあるはずです。
気づいている、いないに関わらず。
普通はそこを想像して周りにも感謝するはずなのですが、森若さんにはその観点は一切ありません。
でも作中ではとてもよくでき、人に慕われる人物として描かれています。
きっちりしている事と、人に対して冷たい事は全く違います。
心で思ってることは口に出さなくても雰囲気に出るので、人に対して冷たく当たってるけど好かれる、そんな事有り得ません。

以上に書いた様なアラが目立つ、つまり作品世界に浸ることが出来ない、イマイチすぎるお話でした。

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2019年09月09日

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