【感想・ネタバレ】全集 日本の歴史 第12巻 開国への道のレビュー

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Posted by ブクログ

本書の前半がロシア帝国との交易と領土交渉過程にあてられ、国防意識の高まりが浮かび上がる。後半は内政問題。飢饉と大塩平八郎の乱、最後に庶民剣士の隆盛と意外なところを持ってきて、幕末へと繋がる流れ。

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2018年01月21日

Posted by ブクログ

おそらく、現時点で最も信頼のおける(最近の研究を元にした)歴史シリーズ。『全集 日本の歴史』も12巻になって、いよいよ江戸時代末期の対外関係と開国について書かれる……のだけれど、面白いのは後半の庶民剣士をテーマにした章だった。

江戸時代は唯一の暴力機構である『士』が『農工商』を支配した時代、という単純な図式は崩れつつある。徳川幕府は世論に左右され、庶民が剣術に励み、国政に参与したなど、暴力国家としての側面よりも教諭国家としての側面がより強調されている。面白いのは江戸末期の名だたる剣術家のほどんどが武士階級の出ではなかったということ。新撰組の近藤や土方が農民上がりだったというのは割と有名だが、剣術が武士に限定されたものではなく、むしろ庶民のほうが剣術修行が盛んだったというデータは江戸時代のイメージを覆すものだと思う。

対外関係については、田沼意次の『北海道450万石開墾計画』が興味深かった。田沼意次の失脚が十年遅れていれば、日本の歴史は大きく変わっていたかもしれない。もしかしたら百年早く明治維新があったかもしれないし、北辺の支配圏を巡る徳川幕府軍とコサック騎兵との戦いの結果、アラスカ辺りまでが『日本の固有の領土』になっていた可能性だってあったかもしれない(逆に北海道がロシアの領土になっていた可能性もある)。

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2012年04月11日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
開国は蝦夷地から始まった。
迫りくる異国と政治を動かす民衆、新時代を生む幕末。
歴史が未来を切り拓く。
本書では、日本の近世を環太平洋史の視点から再解釈する。

[ 目次 ]
第1章 環太平洋時代の幕開け
第2章 漂流民たちの見た世界
第3章 鎖国泰平国家から国防国家へ
第4章 世論政治としての江戸時代
第5章 天保という時代
第6章 庶民剣士の時代

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2010年08月03日

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