【感想・ネタバレ】月に吠えらんねえ(10)のレビュー

近代詩歌俳句、と聞いてみなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。正岡子規?与謝野晶子?中原中也? そもそも学校の授業では、近代文学そのものに接する時間をそう長くは持てなかった方も多いかもしれません。
本作は、□街(詩歌の「し」・短歌の「か」・俳句の「く」で「しかくがい」!)という近代日本のような架空の街に住む、萩原朔太郎や北原白秋、室生犀星、三好達治、正岡子規などの詩人や作家本人ではなく作品イメージをもとに創作されたキャラクターたちが、詩を作ったり、作れなくて苦しんだり、街はずれの丘の上にある天上松にかかっている身元不明の縊死体を見つけて検証したり考察したりしながら、ひいては文学と戦争の関係が匂わされたりする、詩歌俳句ファンタジーマンガです。読んでいて次から次へとジェットコースターのように話題が転換していくので、支離滅裂なようにも見えますが、史実とフィクションのバランスが非常に絶妙で、読み進めずにはいられないほど先が気になるのです!
キャラクターとして登場する詩人に全集があればすべて読んでいるという作者の知識がふんだんに生かされた本作、すべての文学少年少女&元文学少年少女必読の書です! 作中にちりばめられたいろいろな作品が気になった方は、それぞれの詩人の詩集なども是非ご一緒にどうぞ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

閉じた世界で、自己愛と理想に抱かれて。
でも世界は貴方だけのものではないから……
ここまできたら「神殺し」の出現を待つのみでは?

0
2019年10月27日

30

ネタバレ 購入済み

白さん

白さんまでもが朔が作りあげた存在。たしかにそう思うと今までのストーリーに納得のいくものもありました。
しかし個人的には女性の肉体の朔と白さんのラブシーンは見るのも辛く、この作品の結末はやはり暗いものなのだろうかと想像してしまいました。

#ドロドロ #ダーク

0
2022年09月28日

Posted by ブクログ

"「そう貫けなかったのが おれなんです
カフェで一人酔い潰れ 都会の雑踏を眺めながら寂寥を託つ
家族という最小社会からすら抜け出せず 庇護され続け
恵まれた身の内に孤独者を飼うことしかできなかったのがおれなんです
あなたを殺して 長い旅をしてきました
それは おれの限界を思い知るための旅だったのかもしれない」"

0
2019年06月09日

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