近代詩歌俳句、と聞いてみなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。正岡子規?与謝野晶子?中原中也? そもそも学校の授業では、近代文学そのものに接する時間をそう長くは持てなかった方も多いかもしれません。
本作は、□街(詩歌の「し」・短歌の「か」・俳句の「く」で「しかくがい」!)という近代日本のような架空の街に住む、萩原朔太郎や北原白秋、室生犀星、三好達治、正岡子規などの詩人や作家本人ではなく作品イメージをもとに創作されたキャラクターたちが、詩を作ったり、作れなくて苦しんだり、街はずれの丘の上にある天上松にかかっている身元不明の縊死体を見つけて検証したり考察したりしながら、ひいては文学と戦争の関係が匂わされたりする、詩歌俳句ファンタジーマンガです。読んでいて次から次へとジェットコースターのように話題が転換していくので、支離滅裂なようにも見えますが、史実とフィクションのバランスが非常に絶妙で、読み進めずにはいられないほど先が気になるのです!
キャラクターとして登場する詩人に全集があればすべて読んでいるという作者の知識がふんだんに生かされた本作、すべての文学少年少女&元文学少年少女必読の書です! 作中にちりばめられたいろいろな作品が気になった方は、それぞれの詩人の詩集なども是非ご一緒にどうぞ。
感情タグBEST3
龍くん活躍
ついに小説街の様子が見られました。
まさか結末に向けて龍くんが重要な役になるとは。
犀の顔があそこで出てくるのは、私は好意的な意味で受け取りましたが実際はどんな意図だったのだろうと考えました。
Posted by ブクログ
"「若く ってのも妙な話だよな
実際 俺達いくつなんだ
死がないってことは 時の流れが止まってるってことか」
「詩人は 時間経過に弱いから 特にそうなったのかもしれないね
小説は時間経過の文学だけど」"
「おれの嫌いな犀だ」のシーンの朔くんの表情……。
龍さん辺りの話がまた……凄まじい……。