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Posted by ブクログ
不動山城、城蟷螂に成り果てた寧の哀しくやるせないお話。
母親の愛は凄まじい。
凄まじいゆえに、悲劇を生む。
敗軍の将・景虎さまは一体どれだけの業を背負って生きていかなければならないんでしょうか。
この怨霊を生み出した元凶は自分だと我を責める景虎さまだけれど、城を守ることもできずに主を恨むなど笑止千万!と坂崎に言い放った色部さんが物凄くかっこよかった。
こんなふうに思ってくれる人が側にいてよかったねえ、景虎さま!
景虎さまの初めての調伏シーン、最初から最後まで神々しく美しく、荘厳でした。
消えた怨霊たちに向かって労いの言葉をかける景虎さまに涙が止まらなかった。
改めて。
争いは哀しみしか生まないなと。
勝っても負けても残念が募るばかりだなと。
誰が正しくて誰が間違ってたかなんて、それぞれの立場に立てばどれもが生きていくための苦渋の決断で。
ほんとに、哀しいな…。
そして景虎さまと直江の宿命の出逢いですが。
全く受け入れる気などないんですね、お互い。それも道理だとは思うけれど。
口では従順を示しながらも、実はそんなこと欠片も思ってませんから!な直江がとっても直江で思わず苦笑い。
そうだよ、この人こういう人だよ。
景虎さまは仲間たちを眠らせてやるために。
直江は越後を、景虎を筆頭とする死者から守り抜くために。
全く相容れないこの主従のこれからがとても楽しみです。
そしてこの2人に関わらざるをえない色部さん、とんだ災難ですね…。
Posted by ブクログ
邂逅編1巻下巻です。
景虎様が何を思って夜叉衆になったか、どうして怨霊を調伏しているのか描かれています。
ただ正義や秩序のためではなく、歴史の敗者として苦しみながら夜叉衆になった景虎様。
ミラージュ本編では、最初から夜叉衆だったという事実しか書かれていなかったので、こういうバックボーンだったのかーと読んでいていろいろ考えさせられました。
とうとう直江さんも登場しましたが…性格悪い。この武将らしいひとがどうやってあの変態性を身につけていったか気になります…。それでもやっぱり直江さんだなあ、となんだか納得。
最後のシーンは本編で回想されていたあのシーン。
ここからふたりの400年にわたる物語が始まったかと思うと感慨深いです。