北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
感情タグBEST3
この話はペースを失うことはなく、もっと面白くなるだけです。 私はまだ作者の美術を賞賛するのをやめられません。 見て、自分の目で確かめてください!
アホども
本格的に戦のなかで生活するようになったトルフィンの様子を描いています
主にイングランド人と戦いますが、プライドが〜とか、とくに策もなく要塞に突っ込むとか、アホじゃないかと
当時としては当たり前なんでしょうけど
あたしゃ
あたしゃ、アシェラッド大好きだよ。
そんで、一番心配だよ。死に場所求めて生きてるようで。
ちゃんと幸せなのかな。彼の幸せって、このギリギリの今の中で一体なんなのかな。
ヴァイキングたちの多少荒唐無稽な戦いが卓越した技術によって描かれている。
しかし漫画的な誇張はあるものの、一方で中世の戦とは実際にこのようなものだったのではないかと思わせてくれるようなリアリティもまた存在している。
続きも楽しみです。
ーー人間の世界はゆるやかに、たが確実に老いてきている。
アシェラッドの言葉はこの時代の気分をよく表している。
戦いと奪うことを生業とするヴァイキング。
無力なまま奪われ、殺される人々。
この絶望に満たされたような世界を飄々と生きる大人たちの中で、少年がどう成長していくのか楽しみになる巻でした。
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物語はイングランドへと舞台を移す。デンマークヴァイキング軍による、イングランドの襲撃。それが、凄まじい規模で行われていたという歴史的事実が克明に描かれている。
物語は次への弾みをつけているところだろうか。最後に収録された「はたらくユルヴァちゃん」などは、そうした箸休め的な要素を強く感じるが、この巻自体がそうであるようにも見える。
アシェラッドとトルフィンの関係には、戦士としての気概のようなものがハッキリと見える。相手側に回ったトルケルも含めて、この物語はヴァイキングの戦士らを描いているのだということがよくわかるところだ。
今回も面白かった。星五つで評価している。
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1013年のスヴェン王によるイングランド侵攻。
ロンドン橋を護るのはシグヴァルディの弟トルケル。
トルフィンはアシェラッドの命を受け、トルケルを討つために単騎で懐に飛び込む。
攻め倦んだスヴェン王は、息子クヌートに後を任せて退いていく。
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デンマークとイングランドの戦争が始まり、トルフィンがアシェラッドの下で小間使いをさせられてる。
トルケルが登場する。
トルケルとその部下が強すぎてアシェラッド隊が突然弱くなったように感じる…
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マガジンからアフタヌーンへ移行しての最新刊です。
時代に凝ってるあたりとか思想を織り交ぜてるあたり少年誌ではきつかったんでしょうか。
父親を殺したバイキングとともに旅を続けるトルフィン。成長が楽しみです。
捕虜のアル中神父が、どちらの神が偉いかと言う問いかけをされたとき、「酒を作ったほう・・・」と答えるのがなんとも(笑)
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ヴァイキングの少年を描いた物語です。海賊という一面を持ち、戦に明け暮れたイメージがあるバイキングの歴史が描かれています。月刊アフタヌーンに移り、最初の単行本、第3巻です。少年時代の話も終わり、少し成長した主人公、目的はまだ果たされてはいないようです。ヴァイキングの時代は、急速に終わりを迎えています。いかに戦い、いかに死ぬか。ヴァイキングのヴァイキングたる信念の中で少年は生き延びて故郷に帰れるのか?巻末は「はたらくユルヴァちゃん」少年が失踪した後の家族が描かれています。
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絵の緻密ですごい。寄木細工ですか、コレは?
ただ、個人的には『遅筆の人』が書いているという先入観(?)が残ってしまうな(笑)
勝って損は無いと思う。今後のストーリー展開に期待。
戦が続いていますね
この辺、地理はともかく、歴史には疎いんで、普通に勉強にはなりますね。
荒っぽい戦ばかりが続きますが、一般市民は巻き込んでいないし、この頃はまだ大量破壊兵器はないですから、近・現代戦よりまだマシかも、という気もいたします。
トルケル軍も強いですね。ちょっとこういうのを読んでいると、風の谷のナウシカの戦乱部分とかも思い出しますね。
巻末の、アイスランドに残っている家族等、時折出てくる女性陣が対比的に描かれていますね。この辺も作者、意図的に配置はされているのだろうとも思います。
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順当に面白いです。
キャラクターをかっこ良く魅せてくれるのはありがたい。意図的だろうけど、アシェラッドが一番カッコイイな。トールズのが格上感あったけど。
主人公の短剣二刀流は良いね。FF11でも短剣/片手刀の二刀流は好きだったなぁ。
そして今巻もユルヴァちゃんが大活躍。癒してくれますねぇ。
Posted by ブクログ
容赦ない悲惨な場面、殺伐とした戦闘が続く中、巻末のユルヴァちゃんでほのぼの安らぐ。トルフィンが肉体的な強さよりも精神的な強さを身につける日は遠そうだ。トルケルの今後の活躍にも期待だ。
「寄生獣」の作者の別作品の「ヒストリエ」を好きな人にはハマると思います。
ストーリーは全然違いますが、歴史漫画っぽいところと、絵柄の古さに近いものを感じました。