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建築探偵桜井京介シリーズの2作目です。
今回舞台になるのは「恒河館」、明治の別荘建築です。
ただし、オーナーの趣味でインド風味となってます。
事の発端として10年前のインドでの殺人事件があって、
オーナーの招きで当時の関係者が一同に集まって、さて・・・。
という話です。
これだけだとある種ミステリーの王道なんですが、
ミステリアスなオーナー狩野都が、
服装や料理や踊りといい、インド人の養子といい、
ふんだんにインド風味をばらまいてくれるのと、
10年前の事件当時の話の内容とから、
日本人には異質で猥雑なインドの宗教観やら生活やらがブレンドされて、
独特の雰囲気が出てました。
最初は、殺人事件とはいっても当時の遺留品も記録も無く、
当事者たちの曖昧な記憶だけでどんな解決を図るのかと思いましたが、
途中からそんなことも忘れて引き込まれていました。
今回、トリックとして建物も使われましたが、
最も重要なのは人間関係というか、人生観というか、
ともかく「人」ですね。
事件自体はきちんと解決されてますが、
かなり余韻を残す結末で「もやっ」とします。(悪い意味ではないです)
著者自身が巻末のあとがきで、
この作品はシリーズの中では異色と書いているのもうなずけます。
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2010.6.27再読
はじめて読んだとき(まだ中学生のころ)はピンとこず、シリーズの中でもイマイチ気に入っていなかったのですが、時を経て読み返した今、とても好きになりました。蒼とナンディの会話がお気に入りです。どうか狩野都の魂に安らぎがありますように。それから、改めてはっきりと感じたのが篠田真由美作品の「情景描写の美しさ・迫力」です。
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昔ノベルス版の表紙に衝撃を受けたのを覚えている。その頃はまだカーリーって聞いても「??」っていう状態だったので。作者も言っている通り、他の初期作品に比べると建築建築してないかな、と思う。全体的に雰囲気が黒い。ノベルス版の表紙そのものな雰囲気。前はイマイチ分からずに結末に辿り着いてしまったけれど、今回は注意して読んだのでばっちり。思うにこのシリーズは何度も読んだ方が面白い。
2008/3/29再読
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犯人はだれか、何となく途中から察しはついていたけれど犯人の秘密には最後まで気づかなくてアッと驚かされた。
ちぐはぐな点もあった気がするが最後まで面白く読めた。
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“建築探偵・桜井京介”第二弾。
今回は深春は冒頭の方に少し出てくるだけ。
10年前に起こった、とある事件からスタートする、今回の物語。
深春や青が心配になってしまうくらいにいつもと違う様子の京介。
都への想いがかたちはどんなものであれ、特別なものであると、うかがわせる。
当の都も含めて、10年ぶりに揃うメンバーはそれぞれ腹に一物抱えている風であり、その影を落としているのは橋場亜希人の事件に他ならないようだ。
都の養子だという、片方の手首がないインド人ナンディの存在も気になる。
神秘的な雰囲気が漂う作品。
インドの神話にふれるところもすごく興味をひかれた。
インド、気になる!ってむくむくと。
シリーズもの、ということもあって、1巻目を読んで、2巻もせっかくだから読んでみよう、と若干お試し気分なところもあったが…2巻でかなりハートをつかまれてしまった。
読み終わってすぐに3、4巻も購入してしまいました!
トリックも、予想がつかないことはないっちゃないけれど、色んなひとの想いが交錯し、物語が進んでいくその過程が面白く、雰囲気も素敵だったので、お気に入り。
京介の内側も感じられた巻。
ラストは少し哀しく、胸がぎゅっとしてしまった。
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建築探偵シリーズ2作目にして異色作だそうです。
確かに建物に絡んだ事件というのであれば同じなんだけど
今回の建物は、あくまでも小道具と言ってもいいでしょう。
京介にとっても、探索する価値のないものでした。
しかし、そこに渦巻く人々の思いの何と重厚なこと!
この作品を好きになった理由は、トリックうんぬんより
建物に纏わる人の思いや執着から生まれた捻れを
探偵役を嫌がる京介が、解いてくれるというところ。
今回、建物はあくまでも現場であって、その再現でしかないけど
人の思いの捻れを解くという意味においては同じ。
そして宗教が絡みます。しかもインド。ヒンドゥー教。
その神秘的で幻想的な雰囲気も好き。
封じられていたパンドラの箱を無理矢理こじ開けた結果
噴出した負の念と、もたらされた更なる悲劇。
京介は最後に残る希望に賭けます。
話しが進む中で、なんとなく予想出来る事もあるけれど
最後のどんでん返しにはやられました。
読後感は複雑・・・と言ったところでしょうか・・・
前作同様、激しすぎる思いの悲劇というか
報われない思いというのかなぁ~
インド神話を読みたくなる欲求をとりあえずは抑えます。
次作から同大学の教授「神代宗」が
メインキャラとして加わるらしい。
楽しみが増えました。
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建築探偵第2弾。今回、建築はあまり事件自体に関わってきません。
10年前インドで橋場亜希人が不可解な死を遂げる。そして群馬山中の「恒河館」に当時の事件を知る仲間たちが集められる。そこに京介も呼ばれて・・・過去と現在の事件が複雑に絡み合う。
インドの神々がポイントに
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ラスト「ええぇえぇぇ?!」って感じでした。まさか…と思いましたけど思い返してみすと「そういえば…」みたいな感じ。
あと今回は珍しく積極的な京介でした。
今回の作品は私としてはいい作品だと思いますよ。面白かったですから。題材がインドってのが私にとって新鮮だったしね。
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一作目みたいな役どころでいくのかと思ったら、あとがきにもあったけどいきなり定型じゃない展開。建築のはなしもそれほど出てこない。謎解きは地味だけど、嫌いじゃないです。
ただ、私はカリにあまり魅力を感じられなくて、それが残念。
インドがやたらと好きで、インドの写真集ばかり眺めてた時期があった。すごくインドに行きたかった。ちょうど、この本が出たころじゃないかなあ。
作中のインドの描写も、あとがきの描写も、インドの熱が伝わってきて、いいなあと思う。
そこで溶けてしまいたいような熱。
京介は積極的に謎を解きたい人ではない。なかなか説明してくれなくて、むうう…となる。
もっと早く動いてたら違ったのでは、とも思ったり…難しいなあ。
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舞台をインドと日本にしたのが面白い。
それにヒンドゥーはまだまだ私にとっては未知の世界なので、でてくる言葉や意味もおもしろく読むことができた。
本書は「建築探偵桜井京介」シリーズの2作目。
建築に関してもでてはくるものの、それほど重要な位置にはおかれていません。
でも、おもしろくサクサク読めるのはやはりすごい。
でもでも、種明かしに・・・それを使うのかぁ~っていう部分は無きにしも非ず。
だけど、シリーズ本ってハマると最後・・・読まずにはいられません^^
ま、本書はシリーズの中でも悪くない方がだとは思います。
切なさを描かせると天下一品に思います、篠田氏作品は。胸がキュ~ンってなるんですよねぇ~。だからやめられません!(笑)
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■過去と現在が絡み合う謎
インドのヴァラナシの安宿で、橋場亜希人は、胸全体が陥没した状態で死んでいた。だが回りに凶器もなく、ドアは完全に閉ざされていた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される事件の真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が……。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか?
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旅先のインドで、橋場亜希人が不可解な「密室」死を遂げた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が...。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか。
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桜井京介シリーズ
かつてインドで死んだ橋場。橋場の恋人狩野都のもとに集められたかつての仲間。都の自殺から殺人事件が。都の息子ナンディと蒼の物語。
都の秘密。
2009年5月22日再読
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『建築探偵 桜井京介の事件簿』第2作目!
2作目にして異色作。
今回は建築ではなく、人を読み解くものだと思いました。
結末を知った後に、読み直すと、そういえば…ということが多かったです。
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建築探偵2作目にしてある意味異色作。最初に読んだ当時はネット環境とかなくて、正直意味不明だったんだが(特に最後の本の話らへん)やっと理解できた。インドは奥深い。
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謎を解くミステリではなく、人を解くミステリ。読みにくいと思う人もいるかもしれない。美形キャラが好きな人は楽しめる。今回は、建築はあまり絡んでいないような気がします。
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シリーズ二作目。
舞台となる場所は場所は現代日本。
しかし過去の事件をめぐる説明の中に出てくるインドという国の、暑さや湿気、においまで伝わってきそうな生々しい描写に感心せずにはいられないのと同時に、事件の残酷性がより息苦しさを伴って感じられる。
しかし、前作と比べると前半における主人公の動きが非常に少なかったこと、いくつかの矛盾点が説明されていないことなどが少し不満といえば不満か。そして今回は、建築探偵なのにも関わらず、建築よりも人間関係が重視されていたこと・・・普通の探偵になってますがな。
やはりレギュラー登場人物がフルに動いてくれるほうが、華やかでもありにぎやかだ。そして古めかしい館もはずすことはできない重要な要素。
次作に期待。
Posted by ブクログ
「キャラ萌えしてたまるか!」という痛い思想に阻まれて(以下略)…というのはさておき。一作目「未明の家」が「館モノ」にしてはあまりぱっとしなかったので、長い間眠っていた一冊。蒼の一人称はテンポが良く、思ったよりも嫌味がなくて、うまいなと思いました。読まず嫌い良くない!と実感。
どんでん返しにハッとしました。