高野秀行のレビュー一覧

  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    まずは、2人の知識の膨大さ、引き出しの多さに驚き。
    あまり歴史に詳しくないため、下の解説を読みつつ、引用される人や書籍が多かったので、次に読んでみたい本も増えました。
    最後の方で、今の日本に住んでいた良かったと思ってしまうのは思考が停止しているとの指摘があり、はっとさせられた。
    確かに、世界は広く、...続きを読む
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    いやあ面白かったなあと本篇を読み終え、笑う用意をしながら高野さんによるあとがきを読み出したのだが、まったくこのあとがきは素晴らしかった。感動的ですらあった。教養とは何か、なぜ教養は必要なのか、ということを、これほどわかりやすい言葉で実感をもって語っている文章を他に知らない。
    「教養とは、自分がいる『...続きを読む
  • 幻獣ムベンベを追え
    とにかく文章がうまい、読ませるなというのが第一印象。
    早稲田大学の探検部に所属時していた時の出版だが、
    平均的大学生の文章力を余裕で超えている。

    氏は、後に数多くの冒険モノを出版しているが、
    処女作には、作家の全てが宿るというか、この作品には、全てが詰まっている。
    明らかに、著者は、変わりモノだが...続きを読む
  • アジア新聞屋台村
    魅力的な人たちにたくさん出会える本。こんな生き方があるのか、こんな考え方があるのかと、普段凝り固まっていた頭が少し柔らかくなったように思う。自分の生き方は自分で決めていく。自分の好きなことを見失わないよう、もっと柔軟に生きていきたいと思った。
  • 間違う力
    今までの経験から自分を見つめ直していて、筋が通ってる。
    読んだ後、しばらくじっとできなかった。
    考えてないで、なんかやんなきゃ!って気になった。
    私は慎重すぎて、腰が重いから読んでて耳が痛いところもあったけど、読んだ後にこんなに影響が出るなんて初めてだった。
    高野さんだからこそ書ける本だと思います。...続きを読む
  • イスラム飲酒紀行
    面白さを保ちながらも、宗教的、文化的示唆に富んでいて、本書も止まる事なく読ませてもらった。

    イスラム原理主義化が進んでいると言われるこの時代に、古くから地域に根付いている「習慣としての酒」に着眼しているのがさすが。
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    辺境滞在に裏打ちされた経験と日本史歴史学者の最新の知識が次々に披露され しかもなんだかリンクしている驚異の対談

    ふたりの対談終盤 現代日本が特殊でアジアやアフリカの辺境や室町時代の日本の方が 世界的に普遍性をもった社会なんじゃないか
    今生きている社会がすべてとは思わないでほしい
    との結論に至る
    ...続きを読む
  • 西南シルクロードは密林に消える
    高野さんのビルマものはハズレがない。この作品も面白かった。面白かったでは不謹慎かな。一歩間違えば生きて帰れない状態での旅で、改めて、日本に住んでる事のありがたさや、つまらなさを感じながら楽しみました。

    本作でも人物描写、評価が本当に面白く、高野さんの適度に力の抜けた描写がなんとも言えず良かった。
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  • 謎の独立国家ソマリランド
    ソマリランド、プントランド、南部ソマリアへと行った人の記録で、書き方が面白いのでグイグイ読ませる。
    ソマリの文化に染まっていって日本の常識を相対化してくれる。
    海賊の背景にあるもの、ソマリの文化と歴史、カート食べるとどうなるかとか、真面目な話からおふざけな話まで色々勉強になる。
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    室町時代だけでなく、江戸時代との違い、幕府と京都の距離感の関係性、辺境から現代を読み解く等、相当面白い内容が展開されている。
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    良き質問者は
    良き回答を引き出す

    博覧強記のお二人から
    丁々発止、縦横無尽に
    あっちや こっちへ と 
    対談をされて
    歴史的な
    文化的な
    博物学的な
    興味深い話が
    とどまるところを知らずに
    溢れ出てくる

    これを面白いと
    言わずして…

    いゃあ
    知的な好奇心を気持ちよく
    揺さぶってくださいました
  • ワセダ三畳青春記
    11年も暮らした木造アパート、浮世離れした大家、常軌を逸した住人、などめちゃくちゃ興味がわいてくるワードが目に飛び込んできて、心をグイッと掴まれてそのままの勢いで読んだ。
    なかなか危なっかしい住人ばかりで、私は絶対暮らしたくないアパートだけど、大家のおばちゃんがそれをうまくまとめていて人間味があって...続きを読む
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    内容(「BOOK」データベースより)
    台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。

    ...続きを読む
  • 腰痛探検家
    私も腰痛調査隊。著者ほど時間もお金もないため、地元公立病院の整形外科でMRI検査を受けたり、整骨院通いをする以外には、インドメタシンやフェルビナクなどの薬効を謳った塗り薬を試す調査を行っている。最近では動物用消炎鎮痛剤をネットで購入して使用しているが、私もまた腰痛の密林から出ることができない。腰痛、...続きを読む
  • 世にも奇妙なマラソン大会
    同僚から筑波山トレイルマラソンに誘われて軽い気持ちで出場し、着ていた加圧スパッツのおかげで太腿が内出血を起こし、ゴール間際で一時うずくまりながらも這う這うの体でゴールし、その後1週間筋肉痛で使い物にならなくなったことを思い出した。「名前変更物語」は声を出して笑ってしまった。「謎のペルシア人」から始ま...続きを読む
  • 幻獣ムベンベを追え
    ワセダ三畳で、コンゴに棲むという生物を探すため、トーキョーで語学力を磨く著者。その結果が著者が作家となり結実している。早大探検部という時間はあるが金がない探検隊が、口八丁手八丁でかき集めた資機材でムベンベを探索するドキュメントがすごい。情熱だけで現地民との駆け引きの末60Kmもの密林を歩き、約1か月...続きを読む
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族
    早大探検部の先輩・船戸氏に随行する形でミャンマー(ビルマ)入りした著者。入国前の審査から船戸氏との扱いに笑えたが、題名のとおり軍事政権の情報部を隠密・柳生一族になぞらえての記述は、まさにエンタメ系ノンフィクションと呼ぶに相応しい。奇しくも2015/11/11現在、ミャンマーでは千姫ことアウン・サン・...続きを読む
  • アジア新聞屋台村
    ベトナムつながりからエイジアンという不思議な新聞編集に携わることになった著者。良くも悪くも日本の常識が通用せず、始めは著者もそれを楽しんでいたが、後半になりいい加減さに辟易し、だが最後にはアジアの大らかさに気付く。そんな構成が好ましい。しかし、著者と朴さんの淡い恋模様が切ないね。もし恋愛が成就してい...続きを読む
  • 世にも奇妙なマラソン大会
    なんの自慢にもならないが、時間に余裕があっても間際にならない
    と動き出さないタイプの人間である。まだ真面目に編集者家業をし
    ていた頃、締め切りギリギリにならなければ原稿が書けなかった。

    明日には先方に渡さないといけないという日の真夜中。ウンウンと
    唸りながら資料とにらっめこをしていると、ひ...続きを読む
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道
    格闘? 葛藤記なんじゃないか。ウモッカはUMAサイトで話題の怪しげな魚の名前。いつものように現地の言語習得を含めた準備に余念のなかった著者だが、『西南シルクロード』で鬼門とも言うべきインドのビザが取れたことから運命の針が探検から180度逆に振れてしまった。著者も本書で書いているが、カルカッタの空港で...続きを読む