茂木健のレビュー一覧

  • 疫神記 上
    SFとしてのアイディアは良い、ただ、いかんせん、長い。いや、長くても無駄が無けりゃいいんだが、せっかくの長さを活かせてないというか…この小説書くためにリサーチしたことを全部詰め込んだ的な、冗長に感じる部分も無きにしもあらず。なので、ページターナーとまではいかなかった。

    SFとしては、アイディアを中...続きを読む
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    類書ではお約束のタイムパラドックスなどをあまり気にすることなく(自身がいる場に過去未来の何人もの自分が同席するのがごく当たり前⁈)殺人事件の謎解きを縦軸にしつつ、むしろタイムトラベラーたちが陥いる(であろう)精神的危機の考察を主眼としたSFらしい実験小説。登場人物たちがあちらこちらの時代と舞台に入れ...続きを読む
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    タイムマシン・ワープは出現する場所に異物があったらと心配だがコンクレーブのやり方は安心
    タイムトラベラーが真っ当な感覚を失っていく様は不気味
    時間物らしい異質なミステリーだが神明裁判が意味不明
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    タイムトラベルが可能な世界で起きた殺人事件を追うミステリ。解説に「主人公3人はタイムトラベラーではない」とあるのを読んでなるほどと思った。タイムトラベルがなくても事件は解決してたのかもと考えると興味深い(事件自体は時間の移動が可能という設定が必要。やっぱり証拠集めにはタイムトラベル必要かな)。主要な...続きを読む
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    読み始めてから読み終えるまで大分時間がかかりましたが、面白かったです。ただ、ちょこちょこ読んでは止めていたので、この人誰だったっけ?という疑問はしばしば出てきましたが…

    タイムトラベルを続けることによる心理的精神的変化ってのは面白いなぁ。死に対する価値観の変化、か。喪失感は薄れるっていうのはあるの...続きを読む
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    独立組織【コンクレーヴ】によりタイムトラベラーが職業化された世界で起きた不可解な殺人事件。真相を探るべく組織に潜入したオデットはタイムトラベルが引き起こす心的変化を目の当たりにする―。タイムパラドックスSFかと思いきや、実は変わり種の心理ミステリー。設定自体は割と粗々しいが、デビュー作とは思えぬ精緻...続きを読む
  • みんなバーに帰る
    思ったよりお下劣だったわ。読んでて意外に引いてる自分がいた。酩酊してドラッグやってたら、あんまり何とも感じないのかな。この感覚って、自分の赤子のうんこなどは臭いけど、別に汚いとか何とも思わないのはやっぱり愛があるからで。
    酩酊と愛情は似てる雰囲気を持っているが全く違う訳でして。


    バーテンダーはモ...続きを読む
  • 六つの航跡 上
    クローンとして目覚めたマリアが見たのは自分を含めた4人の死体。もう一人は自殺、もう一人は瀕死の重傷。何が起こったのか?
  • 時間のないホテル
    最初から最後まで、
    文章が全て映像で頭の中に入ってくる感じでした。
    この本を読み終わっても
    私はやっぱりホテルが好きです。
  • パンドラの少女 下
    可もなく不可もなく。
    ゾンビ物は原因不明で解決しないものが多いけど、これは感染の原因は分かってるし一応ラストで決着もついたから不完全燃焼感はないと思う。
    キャラ設定もはっきりしてて人物像がわかりやすい。
    後半ノーマルゾンビほぼ出てこないしジャンカーズも来るかと思いきや来ないし敵に襲われてピンチ!的な...続きを読む
  • 時間のないホテル
    メインテーマである大規模ビジネスチェーンホテルの不条理さよりも、背景となっている展示会・見本市いわゆるフェアビジネスの不条理さのほうが際立って面白かった。フェアビジネスを扱った物語を読むのは初めてだったが、ビジネス的な高揚感・祝祭感と、ものすごい徒労感(最果てのような場所・広大な会場・山のような資料...続きを読む
  • 時間のないホテル
    巨大なコンベンションセンターで行われる、数多くの展示会。
    米国のそれは、隣接するホテルもしくはホテルそのものが展示会場となり、
    それら展示会に参加することがレジャーを兼ねている場合も多い。

    しかし、それを楽しむ人もいれば、ビジネスとして訪れなければならない人もいる。
    そんな、ビジネスマンの代わりに...続きを読む
  • パンドラの少女 上
    映画化前提で書かれただけあって、掴みがいい。でも中盤〜後半はゾンビから逃げてるだけでどんどんダレてくる。下巻に期待。
  • 完璧な夏の日 下
    だんだん物語が見えてきて読みやすくなったが、これどうやっても主人公以外に感情移入してしまう。しかしラスト、一気にSFになったな…
  • 完璧な夏の日 下
    下巻は終戦後から現代にかけての話。
    世界大戦が終わって歴史上の舞台から超人が姿を消しても、彼らの人生が終わったわけではなく、彼らは老いることもなく日々がひたすら続いていくというのは辛い。
    オブリヴィオンはフォッグをどのような気持ちで夏の日へと送りだしたのだろうか。
    BLのような視点でも読んでしまった...続きを読む
  • 完璧な夏の日 下
    SF要素がそんなになかったね。。。超人物語じゃないか。。。それにヒロイン全然役に立ってない。。。おまけ叙述手法も飛びすぎて話が見えなくなる。。。
  • 完璧な夏の日 上
    第二次世界大戦前後で活躍する特殊能力を持った超人の話。超人たちの回顧録で話は進む。上巻では超人のフォッグがクララ(超人を産み出した博士の娘、恐らく超人)との出会いまでが描かれる。この先、どうなるかは予測がつかないが、面白くなりそうな予感はある。引き続き下巻を読む予定。
  • 完璧な夏の日 上
    クララが出てきてから一気に物語が動き出した感。
    邦題が詩的でいい。The violent century のままだったら手にとって無かったと思う。
  • 完璧な夏の日 下
    上下巻通して読んだが比較的読みやすかったおかげでわりとサクッと読めた。場面転換がひっきりなしだったけども作品を通して映画的・テレビドラマ的であるのでシーンを思い浮かべやすく、混乱もあまりない。

    私は「ロマンチックなSF小説」が読みたい欲求というのがあるので、この作品はちょうど良いのでは?と思ったの...続きを読む
  • みんなバーに帰る
    訳文が現在形なのは、原作通りなのかな。自省を伴わない依存症者の物語は読んでいて辛い。観察者であった筈の主人公が酩酊者に堕ちて行く様は笑えない。禊ならば、聖的なものがある筈だが、この小説に出てくるお酒は聖水どころか、悪魔の水ですね。