茂木健のレビュー一覧

  • わたしの本当の子どもたち
    これが、遅れてきた、2017の私的ベスト1だと思う。
    人生には選択があり、どちらも命をかけて守りたい愛しい人と、吐くような痛みをともなうのだ。時は過ぎていく。
  • 時間のないホテル
    全速力は出せない年齢だけど、体力をすごーく使って走った感じがする。この小説って疲れるんだけれども、映画みたみたいに世界に溶け込めた。たぶん、ホテルってみんな知っている空間だからかも。大人も子供も、日本でも外国でもきっと同じ満たされた静かな空間。民宿や旅館じゃなくて、大手のホテルの独特ななにもかもを吸...続きを読む
  • パンドラの少女 下
    下巻も3分の1くらいまではダルダルだったけど、その後からラストにいたるまでの絶望感とカタルシスは素晴らしい。
    壁の描写に、映画版タイトルの「ディストピア」はこれかーと思ったけど、ラストシーンでこっちだった!と納得。
    メラニーはヤンデレかわいいと思います!
  • 完璧な夏の日 下
    上巻に引き続き、第二次世界大戦におけるユーバーメンシュたちの戦いの様、そして、東西冷戦時代を経て現代にいたるまでの彼らのその後が描かれます。

    上巻の冒頭で、オブリヴィオンがフォッグと会ったのは、彼らの上司オールドマンの元に呼び寄せ、フォッグの戦時中の報告書で語られていなかった事柄について、真相を聞...続きを読む
  • 完璧な夏の日 上
    現代のロンドンで、フォッグ(霧)とオブリヴィオン(忘却)という二人の男が再会する場面から始まる物語は、1926年〜44年のパリ、ワルシャワ、トランシルヴァニアなど時間と場所が転々と行きつ戻りつしつつ進んでいきます。

    ある出来事により特殊な能力を身に付けた、ユーバーメンシュと呼ばれる超人たちが、第二...続きを読む
  • 完璧な夏の日 上
    たまたま書店の本棚の上に上下巻が無造作に置かれてあり、なんとなく手に取った本だったが、個人的には大当たり。好みにぴったり当てはまる本だった。

    ”戦争×SF”がテーマである。

    第二次世界大戦の折に活躍、暗躍した異能力者「ユーバーメンシュ」達について。淡々とした描写からはまるで映画を見ているような印...続きを読む
  • シスターズ・ブラザーズ
    時は19世紀の米国西部。
    兄弟の殺し屋が一人の山師の殺害を命じられてカリフォルニアに旅立つ。

    その道中 兄弟の力関係、頭の良し悪し、残忍さや温かさが明らかになる。

    例え殺し屋でも人間だれであれ
    何かにすがって 何かを手掛かりに生きている。

    それは自分の腕であったり、将来の希望であったり、人間関...続きを読む
  • シスターズ・ブラザーズ
    凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられある山師を消しにサンフランシスコへと旅立つ……。
    凶暴な兄とキレたらヤバイ弟、愛すべき二人の珍道中。暴力的で残酷なシーンの連続なのに、とぼけた語り口がそれを不快と感じさせない。積み重ねられたエピソードのひとつひとつも魅力的。
  • 時間旅行者のキャンディボックス
    初ケイト。皆一度は未来や過去に行ってみたいと思ったことがあるはず。タイムトラベルをしたことにより、心の問題があるとは思いもしませんでした…。特に死生観の欠如など、目から鱗でした。確かに、亡くなった祖父母に会ったらきっと泣いてしまうでしょう——。その他、私たちの倫理観を大きく変えてしまう可能性のある作...続きを読む
  • みんなバーに帰る
    おいおいどうしようもないな、という酔っ払いの話。
    日本でも酔っ払いはいるけど、半分はスナックとかそういう感じが多そうで、でもアメリカはガチで酒だよね。そんなに酒が好きかーってな。
    とは言えこういう店にやってくる変な人々を描写するのは古今東西あるあるなわけで、リリー・フランキーとか書いてそうじゃん、て...続きを読む
  • 人類の知らない言葉
    テレパシーで会話する異星人ロジアと
    友好的な交流をしている地球が舞台という前提。
    文化交流を担当するロジ人フィッツの
    通訳として働くリディアが主人公。

    イギリスからアメリカに来て働く彼女は
    仕事に誇りを持っているけど
    故郷の家族のことや自分の人生に悩んでもいる。
    まずは彼女とフィッツの日常を
    単純...続きを読む
  • 落下世界 下
    SF。冒険小説。
    主人公が落下しながら世界の謎を解く冒険パートと、世界中の戦争に直面した科学者のパートが同時進行。
    なぜこんな世界になったか、という謎の回答は、SF的には強引で説明不足感は強い。
    二つのパートの関係性は、上巻の時点でほぼ分かり、基本的には冒険小説として読んでいた感じ。
    冒険小説として...続きを読む
  • 落下世界 上
    SF。冒険小説。
    人々が記憶をなくした世界で、落下しながら世界の謎を解く冒険小説。
    途中に物理学者が主人公のパートが挟まれる。
    読みやすく、世界観も独特で、素直に面白かった。
    この世界観にどう説明をつけるのか?楽しみ。
    総評は下巻で。
  • 人類の知らない言葉
    正直言って、途中までは物語に入り込めず、なかなか読むペースが上がらなかったのだが、ある人物と共闘関係になってから俄然面白くなり、そこからは一気読み。
    同じ地球人相手でも心の底では何を考えてるかわからない一方で、例え異星人相手であっても、腹を割って話し、言葉を尽くせばわかりあえるかもしれない。いつの時...続きを読む
  • 時間のないホテル
     一言で言ってしまえば、とにかく、主人公が見たり感じたりしていることが、濁流の様に頭入ってくる小説。
     最初は何をしているかわからない薄味のよくわからないニール=ダブルという男が、何やらビジネスマンが多く出席する講義を聞いたり、色々なブースに行って商品をお試しする祭りのようなモノに参加する。その正体...続きを読む
  • 疫神記 上
    上下巻感想。

    ある日夢遊病のように意識なく歩き続ける人々が発生、それは疫病か呪いかテロか。

    世界的にトレンドの疫病やAIだけでなく宗教や保守層の過激化などの問題も絡めて、今の米国で起こり得ると思わせる最新版のSFパンデミック物。

    上下巻1500頁のボリュームに怯みながらもなんとか読み終えたけど...続きを読む
  • 落下世界 下
    タイトルに惹かれたから読んでみました。
    ディストピアな世界で、主人公は前の記憶がないみたいで、ポケットに入ってたおもちゃの兵隊とパラシュートや写真を手がかりにしてパラシュートを修理する。
    食料だけは減っていく状況の中にいるので、軍が銃を使って小さい子供達を世界の縁へ落として虐殺するような場面を読むの...続きを読む
  • 疫神記 下
    上巻、怒涛の面白さで750ページを駆け抜けたあと、間髪入れずに挑んだ下巻。
    コチラも740ページ。

    謎の疫病にみまわれた世界の崩れていくさま、国が分断される様子にハラハラしながら、続きが気になって止められない面白さは上巻に引き続く。
    あまり詳しく書くとネタバレになってしまうんだけど、
    いやあ…ホン...続きを読む
  • 贋作
    1950年代、オーストラリアから来た貧しい画学生エリーは、絵画の修復をしながら大学院の論文を書いていた。エリーの修復の腕を見込まれ、17世紀オランダの女性画家の絵画の複製を依頼される。しかし、それは本物を盗むための贋作作製だった。知らずに窃盗に手を貸してしまったエリー。絵をすり替えられた持ち主の弁護...続きを読む
  • 完璧な夏の日 下
    下巻も面白かったです。オールドマンの目的がやっとわかりました。長かった。。
    フォッグは失踪してる間クララと一緒にいたのか、クララを探し続けてたのか。オブリヴィオンはずっとフォッグを想ってたのか…オブリヴィオンの気持ちを考えるとつらい。これまでずっと孤独で、これからもずっと孤独だね…ユーバーメンシュは...続きを読む