相場英雄のレビュー一覧

  • 血の轍
    他人になりすまし(背乗り)裏取引を仕切り凶悪犯となる。表の顔は上場企業の役員として公安部の中枢に潜り込み極秘情報を盗み出す。その公安官僚との縁のきっかけはPCにある個人情報が抜き取られ、弱みを握られたことで縁が経ちきれなくなったことが原因と、ある。現代でも金で操られる公職は改竄は愚か、データーの漏洩...続きを読む
  • レッドネック
    読み応え抜群だがとてもゾッとするものを読んでしまった。データサイエンティストがネットデータを駆使して人を操り選挙を優位に進めていく過程がすごく恐ろしい。そして「現実社会にも理不尽な不平等が毛細血管の隅々まで浸透した。」、「嫉み、羨望、嫉妬とネガティブな日本人の感情の集合体が現在のネット社会でありSN...続きを読む
  • 偽金 フェイクマネー
    お金に関する若干生々しい話です。私にとっては少し難しい話でしたが、ゆっくり読んでいけば分かりました。他の方も書いていらっしゃいますが、この話は「現実にない形のお金」が世間で広く知られる前に書かれたものなんですよね。先見の明のある著者だと思いました。
  • レッドネック
    刺激的なタイトルだが、ITリテラシーがそれなりにあればわかる内容をエンタメ要素強めに描いている。しかし一流外資系広告代理店勤務の主人公である矢吹蛍子のIT常識の無さは荒唐無稽と言ってよく、読者に話が分かりやすくするように敢えて無知なキャラクタに設定しているのは理解できるが、少し酷過ぎて現実味が薄れた...続きを読む
  • Exit イグジット
    日経ビジネス連載時から単行本になったら読もうと思っていた作品。いつもながらの相場節全開で現実とほぼリンクしたスタイルは読み応え十分。直近の政治経済状況を知る上で教科書に用いてもいいような内容でありながら、確りとエンタメ要素も盛り込んで読み易くしており、一気読みさせていただいた。
  • Exit イグジット
    コロナ禍が続く中、エムエムティー理論と財政規律、消費税など日銀による国債の無尽蔵な発行、株式の買い付けによる価格維持策、様々な問題を含みながら、出口戦略を探し続けていると言われているが、答えはどこに見つかるのだろうか?
  • Exit イグジット
     この国には出口戦略がない。
     なにか事を始めたら、終わりがないまま突き進み、いつかくる強制退場というExitにぶち当たるまでは止まらない。

     不発弾に続くシリーズの位置づけの本作で主軸となるのが、営業から経済記者への急遽の転属となった新米記者の池内と、前作不発弾で金融会のフィクサーの古賀。
     地...続きを読む
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    前回、政権に転ぶか、記者としての矜持を保つか、松岡がどっち選択したの!?ってのが分からず中途半端なところで終わってしまったので、もやもやしてました。
    しかし、本作はそこの答え合わせから始まり、一気に陰謀ら隠蔽工作が暴かれて、灰原という新キャラや、意外な人物の関わりが見えてきて、最後は二転、三転、四転...続きを読む
  • 震える牛

    面白い

    とても練り込まれた内容で面白かった
  • ガラパゴス 下
    「震える牛」の続く社会派ミステリー。
    今回も引き込まれたました。タイトルの意味、ガラパゴス化はガラ携の世界に限ったことでなく日本の社会全体に及んでいるとの警告です。
     派遣労働者の劣悪な環境と搾取される様が描かれ後半、案の定政治家のお出まし…。そして今度は元署長って…。なかなか正義は通らないで、本当...続きを読む
  • 血の轍
    文句なく面白い。

    警察OBの殺人事件を受けて、刑事部の兎沢と公安の志水2人の主人公が互いの正義を掛けて一生懸命にはたらく物語。

    以前読んだ「KID」に出てくる公安の人間も志水って名前だったので、おそらく同じ人物だろう。その志水が公安に入るきっかけが描かれている。

    かつては同じ所轄で先輩、後輩だ...続きを読む
  • 血の轍
    公安部と刑事部、良くある対比ですが、最初の方はわかりにくいし、長いし投げ出しかけました。
     後半から双方の面子を掛けた諍いになり、スピード感が出て来て俄然面白くなります。
     それにしてもこのお話はフィクションであり、またそうあってほしいと思いました。
  • 御用船帰還せず

    北町奉行所VS微行組

    荻原重秀のことは本書で初めて知った。早くから貨幣経済の本質を見抜くなど、相当な切れ者だったようだが、若くしてあれだけ出世してしまうと周囲の反発や嫉妬も相当なものだったろう。敵も多かったに違いない。新井白石の気持ちもわかる気がする。北町奉行所VS微行組の対決は、相場さんの警察ものに出てくる捜査一課VS...続きを読む
  • リバース
    東日本大震災の3年後の福島と東京が舞台になっている。

    東京のとある書店で万引きで捕まった身なりの良い婦人。
    事情聴取をしているうちに、福島の山林に投資するという詐欺事件が浮かび上がってきた。
    捜査も順調に進み、めでたく犯人を捕まえることができたが、
    「もっとデカい獲物を狙いなよ。俺なんか金魚みたい...続きを読む
  • 血の轍

    秀逸な警察モノ。読みごたえあり

    文句なしに面白い。登場人物の心理描写が巧み。過去と現在を行き来するストーリー展開にぐいぐい引き込まれてしまう。「KID」を読んでから
    相場さんの作品にはまり、これが4冊目だが、全くハズレがない。刑事部と公安部、それぞれの主義・主張もわからないではないが、それでも対立、
    確執がここまでひどいと警察...続きを読む
  • 共震
    解説に、ミステリー作家がミステリーの要素を「付け足し」と言ってしまうほどの現実。とあった。帯には「これを書かねば、一生前には進めないと思った。」という相場さんの言葉。震災からもうすぐ9年、未だに復興半ばの被災地の皆さんの幸せを願わずにはいられない。
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    読み進めるにつれて、前作の記憶が蘇る。尻すぼみで終わった前作の伏線をしっかり回収した。できればもう少し早く今作が出てくれると記憶が新しいうちにより一層楽しめた。完結するのは勿体無い。続編に期待!
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    現政権に対する挑戦と思わずにはいられない内容。そして現在のマスメディアに向けたアンチテーゼなのではなかろうか。1作目よりかなり骨太になっており、最初から最後まで満足できた。記者たちには自分が日本を動かしてるなどとは絶対に思って欲しくない。エピローグにあることは実際にやっていただきい。
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    先月読んだ「トップリーグ」に続きがあるとは知りませんでした。「トップリーグ」が不完全燃焼な終わり方で、がっかりしていたのが「トップリーグ2」で凄い展開になって予想を上回る興奮と満足感で読み終えることができました。
    前作から5年後の設定になっており、酒井と大畑を裏切った形で政界疑獄事件を記事にしなかっ...続きを読む
  • トップリーグ
    本作は、好評を博したという雑誌連載が単行本化され、更に文庫化された作品で、作中世界は極々近年の状況をモデルとしている。作中世界に出て来る政治家や、様々な事件等は「あの人が?」とか「アレのこと?」というようにぼんやりと思い浮かぶような例が非常に多い。勿論、作中のモノに関しては、飽くまでも「作中世界に出...続きを読む