片岡義男のレビュー一覧

  • ジャックはここで飲んでいる
    相変わらずの片岡ワールド。
    妙に現実的で具体的な周囲の描写のなかで、機械仕掛けみたいな人間が、一瞬一瞬を丁寧に通りすぎる。
    喫茶店がたくさん登場し、コーヒーやお酒、食べ物も色々出てくる。
    女性の容姿、服装とともに、そちらの描写も緻密でそそられるな。
  • と、彼女は言った
    長袖ポロ、カーゴパンツ、小説家。グレゴリーのバッグ、軍用腕時計。いや片岡義男センセイ物オタクだな。てかまだ執筆してたんだな。物語自体はなんか雰囲気あるんだけどさっぱり意味はわからなかった。これ読んでWMCの自動巻きの時計を買いました。
  • 日本語と英語―その違いを楽しむ
    著者がこれまで読んだもの、見た映画などから、英語らしさを感じさせるフレーズをめぐるエッセイ。
    英語の論理では、動詞が中心となるということ。また、Iとyouがなくてはならないこと。
    この辺りは、今までの私の読書経験からも、納得できる。
    正直、この本を読まなくてもそう思うかもしれない。
    ただ、この人の感...続きを読む
  • ミッキーは谷中で六時三十分
    7つの短編の中で、個人的には「吉祥寺ではコーヒーを飲まない」が一番好みです。書籍名以外は、小田急線沿線の街が多く出てくるし、チンチン電車の「世田谷線」までも!やっぱり都会的で洗練された物語は楽しめる
  • 木曜日を左に曲がる
    久々の片岡義男ワールド。美しくかっこいい女性が紡ぎ出す物語。
    キーワードは、時間、写真、ひとり。
    からりとした文体はいつも通り。
  • 洋食屋から歩いて5分
    美しい文章が、トマトや沢庵、コーヒーを媒介に世界に溶け込んでいく

    先日、麹町・赤坂見附エリアをお散歩していた際に
    COOK COOP BOOKさんに立ち寄って、
    食に関する本を眺めました。

    それで、気になったのがこの本です。

    申し訳ないのですが、お名前は伺うのですが読むのが初めての
    作家さんで...続きを読む
  • 洋食屋から歩いて5分
    片岡義男の名前を見ると、
    青春時代に思いが飛ぶ。
    彼の作品に感化され
    一度は本気でバイクの免許を取ろうかと、思った位。
    生きた英語の言い回しはおしゃれに感じたし、
    少し乾いた目線から見た人々の日常の
    切り取りかたが、特に好きだった。
    南佳孝の♪ウォンチュー。。。と、音楽まで聞こえてくる。
    ひとしきり...続きを読む
  • ミッキーは谷中で六時三十分
    タイトルに近くの「谷中」とあったので手に取ってみました。
    東京の様々な場所で展開される7つの短編集です。
    色んな人、色んな場所の情景が浮かんできました。しかし、まぁ登場人物がベラベラ喋ること(笑)。それも楽しいんですけどね。
  • 洋食屋から歩いて5分
    戦後の時代を生き抜き、今を語る片岡氏のエッセイ集。コーヒーとサンドイッチ、トマトがよく出てくる。素敵な日常という切り口ではなく、ある物を通して考えたことを日常の中でさりげなく見せてくるという趣向のエッセイだ。だから、読んでいてふむふむとか、そうだよねとかなるわけだ。日常はそれぞれ違う。だから、日常自...続きを読む
  • 洋食屋から歩いて5分
    エッセイや短編小説が並ぶ。

    片岡さんがご自身のコーヒーの淹れ方を書いている。これははじめて聞く話で、興味深かった。

    日本人でコーヒーに凝る人には、どこか茶道のように作法を感じさせるところがある。儀式的とさえ思える。究極とか至高とかを指向し、これがベストに近い方法だと主張しているような。

    ところ...続きを読む
  • 日本語と英語―その違いを楽しむ
    著者が持っているインデックス・カードから抜き出された日/英のさまざまなフレーズ。なんか英語になりづらいと思っていた言葉が、おさまりのいい英語になって紹介されている。(そもそも英語から、日本語をあてた文章も多い)
    ちょっとした学習書よりも勉強になった。このレベルで英語と日本語の間を行き来できる片岡義男...続きを読む
  • 木曜日を左に曲がる
    片岡義男らしい短編です。特にカメラが出てくるものは、雰囲気がよくて楽しめました。
    何かつい手にとってしまいます。
  • 木曜日を左に曲がる
     片岡義男の小説に出てくる女性はいつも精神的に独立している。今回の7篇の短編小説もそうだ。そのほとんどが小説家や詩人など、孤独を肯定的にとらえて暮らす都会の女性が主人公だ。かたわらに男性が現れ、よどみのない会話から絵画的なまぶしさのある場面へと続く。

     表題作には、平日の夜、偶然同じ電車に乗り合わ...続きを読む
  • 階段を駆け上がる
    懐かしさを感じながら、安心して読める片岡作品。本短編集もそんな作品でした。スタートの作品でぐっと惹かれ、すいすい読んでしまいました。
  • 階段を駆け上がる
    好きです。この感覚。自分がとてもシブい男になったような気にさせてくれます。四半世紀前、片岡義男さんの文庫本を大学生協で1割引で買い揃え読んでいました。かなりの頻度で新刊がでていたので、本のコーナーを覗くのが楽しみでした。あの頃は物語の登場人物が自分より年上だったけど、今回は逆転しており現実の時の流れ...続きを読む
  • 私はいつも私 片岡義男恋愛短篇セレクション 別れ
    懐かしい。
    書店の角川文庫の棚に「片岡義男」の赤い背表紙がずらりと並んでいたあの頃、片っ端から読んでいった。
    私が「電話ボックス」ではなく「テレフォン・ブース」と言うようになったのも、無地の競泳用の水着の、その色が自分の肌や雰囲気に合っているか、なんてことを気にするようになったのも、この人の影響だ。...続きを読む
  • 浴室で深呼吸
    わりと初期の作品?
    全体的に文章が技巧掛かっていてめずらしい感じ。あと小道具が多い。


    「夜はまだ終わらない」
    デザイナーの須美子の長い夜の話。
    登場人物たちのセリフのひとつひとつが意味深で読んでいて面白い。
    この本の中では一番「片岡作品らしい」感じ。
    (あくまでも私が今まで読んだものをもの...続きを読む
  • カレーライスと餃子ライス
    カレーをめぐる探険。 でも、美味さや味の評価は書いておらず、ただカレーを求めて食べるのみ。 シュールで面白い☺️ 餃子ライスは物語であり、こちらもたんたんとしたストーリーだが面白い
  • カレーライスと餃子ライス
    カレーが無性に食べたくなる。しかもレトルト、で買って食べたら旨い。家内に悪いがレトルトの方がスパイシーで好みだ。
    餃子の話は余計だった。消しゴムだとか、コーヒー豆だとか、こだわる割には餃子の旨さが伝わって来ない。
  • 彼女が演じた役 原節子の戦後主演作を見て考える
     小津安二郎監督の紀子三部作(周吉三部作でもある)三作品、「晩春」(1949年)、「麦秋」(1951年)、「東京物語」(1953年)。紀子は原節子が未婚女性、戦争未亡人を演じた。周吉は笠智衆と菅井一郎。1940年生まれの片岡義男さんが、女優原節子の美しさと悲しみについて、じっくり考察されています。「...続きを読む