片岡義男のレビュー一覧

  • これでいくほかないのよ
    片岡義男.comに発表された作品8つで編まれた短編集。今回の短編集は、あえて、場面の時代設定をぼかした作品が集められています。作中に散りばめられた曲名が、海に浮かぶブイのように、物語の中を漂っています。
  • くわえ煙草とカレーライス
    好きな人から一番好きな本といってもらったのに、読み終える途中でフラれたので個人的に色々思い出す本になってしまいました

    でもどの物語も温度感がちょうど良くて好きです
    最後の章の男と女の関係値の書き方が気に入っている
  • これでいくほかないのよ
    ひとことから、物語を膨らませる手法。そのストーリーの最後に、物語の種となったきっかけが書いてあり、それがとても興味深く感じた。
  • くわえ煙草とカレーライス

    「カレーのおいしい喫茶店にははずれはない。そこにはいくつもの物語を通り過ぎてきた客や店主が待っていて、席に着けばすぐに小説がはじまる」
    あの頃の、奇跡のような「日常」がここにある。
    男と男/男と女を巡る7つの物語――。

    旅行先で発見した一冊。カレーライスが食べたくなること間違いなし。
  • ラハイナまで来た理由
    今はホノルルに遷都したが、ラハイナはかつてのハワイ王国の首都だった。Macbookでラハイナがスムーズに片仮名変換されず、時代の移ろいを思う。
  • 豆大福と珈琲
    珈琲にまつわる5つの短編。

    豆大福を食べたことで離婚して子連れで戻ってきた高校の同級生と同居することを思いついたこと。

    喫茶店とコーヒー豆のお店を開いた友人の女性の家が
    かつて火事になった夜のこと。

    父の喫茶店を手伝い独立させた女性と、それを引き継いだ女性のお店に行き、
    さらにたい焼き屋さんを...続きを読む
  • 真夜中のセロリの茎
    9つの短編。

    ディレクターが同じラジオ局に勤める女性と食べるかき氷。

    ツーリング途中の嵐に同郷の女性の別荘で雨宿りする時間。
    高校の同級生の男2人と女1人の3人で飲んだ後に行った女性の家で飲んだコーヒー。

    真夏の東京でコーヒーを飲み別の女性に青いシャツを欲しいと言われる日。
    親密な関係にあった...続きを読む
  • 豆大福と珈琲
    昔のように自由な若者がオートバイでアメリカ的な風景を駆け抜けるのではなく、金銭的にそんなに余裕があるわけでもない齢を重ねた労働者が紛れもない日本の住宅地や電車の駅を移動するという作風にシフトしてるけど、根底の片岡義男ぽさは変わらないという感じ。
  • 日本語と英語―その違いを楽しむ
    片岡義男さんが、ほとんど英語ネイティブだったとは知らなかった。(ハワイ出身の日系二世の父と日本人の母)
    本書は、片岡さんが気になった長年インデックスカードに書き留めてきた、英語表現、日本語表現を紹介したもの。英語は主語、動詞がきっちりしているのに対し、日本語はそこが曖昧で、状況を表現することを優先し...続きを読む
  • ミッキーは谷中で六時三十分
    高校生の時に読んだ片岡義男は 当時の風潮によって何かに追い立てられるように義務感で読んでいたような気がする。
    おしゃれなタイトルにひかれ赤い背表紙の角川文庫を 何冊も何冊も読んだ。
    そこで繰り出される男と女のトレンディでリッチでアーバンな物語は、実は全くよくわからなくて。
    今思えば一種ハードボイルド...続きを読む
  • 窓の外を見てください
    「物語は、無理して探さなくても、ふと見たところにあるんだよ」

    最初は古風な印象があったけど、物語が進むにつれ、80歳の方が書いたとは思えない感覚。まさに今を生きている若者の日常×非日常。
  • 豆大福と珈琲
    面白かったです。タイトルで選びました。
    乾いた軽やかな雰囲気が好きでした。
    日本が舞台なのに日本では無いような空気です。翻訳ものみたい。
    珈琲苦手なのですが飲みたくなりますし、豆大福も鯛焼きもとても美味しそうでした。
    カフェオレからコーヒーに移り変わるような装丁も好きです。
  • 窓の外を見てください
    降ってきたならコンビニでヴィニールの傘を買えばいい、と彼は思った。
    この一節がこの本のすべてを言い表している。片岡さんは今も変わらず健在ですね。
  • 窓の外を見てください
    小説家が小説のネタを探すため地方に帰った女性を訪ねることから,話は広がり小説は進む.小説の中に小説が存在して絡ましあっていくのが職人技の素晴らしさ.年齢はともかく出てくる女性達が皆美人で素敵なのは出来過ぎ?
  • 豆大福と珈琲
    大昔の愛読者。

    良くも悪くも安定の片岡義男。
    やはりもう、この方の作品を楽しむには
    私が日常生活に長く浸りすぎたかもしれない。

    日常の現実にどこか違和感を感じて
    どこにもありはしない未来を根拠なく信じていた
    あの頃が懐かしく寂しい。
  • 豆大福と珈琲
    著者の好きな「珈琲」を題材にした5篇からなる短編集。最後の短篇は全体のまとめのような作りになっていて、小さな仕掛けが施されている。

    表題作では、珈琲のお供が「豆大福」というミスマッチの中に新しい恋愛関係を描く。片岡義男も齢八十にしてようやく枯れ具合が出てきたのかなと思いつつページを繰った。表題作の...続きを読む
  • 真夜中のセロリの茎
    かき氷で酔ってみろ、駐車場で捨てた男、三種類の桃のデザート、の三編がよい。

    「かき氷で酔ってみろ」この食堂、なんか覚えがある。半円形の白い暖簾。何だっけ?どこかで実際に見たような気がする。

    描写に徹する。内面の心の動きなどはほとんど描かない。映画のカメラのよう。作品中で語られる小説のアイディアで...続きを読む
  • 万年筆インク紙
    僕も何本か万年筆を愛用しているが、内容について行けない点があった。
    内容がマニアックであり好きな人はすごくいいと思う。
  • 日本語と英語―その違いを楽しむ
    この言葉、訳すにはどうしたらいいだろう?どう言えば伝わるだろう? このニュアンスは伝わるだろうか? の軌跡。違う言語の違う感じがどういうところにあるのか色々と手元のメモを読み解く形で書かれてある。断片化しているので読みやすい。様々なニュアンスの違いがあり英語の勉強をこれから始める人に発想の点てそもそ...続きを読む
  • 洋食屋から歩いて5分
    懐かしいなぁ、片岡義男。角川の赤い文庫何冊も持ってなぁ。古本屋の10円コーナーで大藪晴彦と片岡義男を大量に仕入れてきて読んでた若かりし頃…。

    もうずいぶんお歳だろうに、片岡義男は片岡義男のままに歳をとっていた。ツナサンドじゃなくてトゥナサンドやで、キザぁ。でも現在よりも過去(思い出)をたどった作品...続きを読む