19巻まで続くと確かに展開もパターン化しつつあるが、この巻は地味だけど新しいことに挑戦していたように思う。
・4話にわたるエピソード
複数話に跨るエピソードを描く際、今までは多くとも3話までだったが、今回は初めて4話にわたる内容。生徒会の漫画なので、生徒会長選挙が重要エピソードになるのは納得
...続きを読むの展開ではある。
余談だが、コトミは普段シノのことを「会長」と呼んでいるのだが、「選挙期間中は会長の座を返上する」というルールに則って、このエピソード中はシノを「先輩」と呼んでいる。個人的には、こういう細かいところに良さを感じる。
・桜才生徒会メンバーが一人も登場しない回
柔道部や英稜生徒会がメインになる回自体は過去にもあったが、それでも桜才生徒会の誰か(大抵はシノかタカトシ)が最低一コマは登場していた。この巻では初めてその法則が破られたことになるが、桜才生徒会以外のサブキャラだけでも話を回せるだけの個性がついてきた証左と言えるかもしれない。
・パンチラ
この作品というよりこの作者の作品全体の傾向として、下ネタがメインの割には直接的描写はあまりなく、パンチラは最終回にしか出ないというのがお約束のようになっていたが、この巻では普通にパンチラが出てきたのでちょっと驚いた(モブキャラではあるけど)。
作者に心境の変化があったのか、マンネリ防止のために意図的にやったのかはわからないが、ともかく印象的な巻ではあった。あまり攻めすぎて作品の雰囲気そのものが変わってしまうのは望まないけど、こういう試みは今後も見てみたい気がする。