香納諒一のレビュー一覧
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久々に、「面白い」と思える文章を書く作家さんに出逢えました。
全部の書き方が、出し惜しみしてて悔しいくらい長編が気になる。
個人的に、[世界は冬に終わる]という話が1番好き。
『世界は冬に終わる そんな気がしていました』のフレーズが大好き。
[タンポポの雪が降ってた]
昔の短い恋が終わった春、タンポ...続きを読むPosted by ブクログ -
人物設定がわかりやすく、かつ短編でおもしろい。
そして、この人の特徴なんだろうな。読後、切ない。
読み終えて、ふ、っと気付く。あぁ、こんなこと忘れてたんだなって。
好きです。[刹那の街角]が個人的に好き。Posted by ブクログ -
スマホと防犯カメラとDNA鑑定がない時代の刑事物。現代と違った面白みと人情がある。やや長くて利害関係も複雑なため、登場人物たちの動機が把握しきれなくなったのは残念。Posted by ブクログ
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派手な展開で面白いが
登場人物の多くがが中国人で
聞き馴染み、読み馴染みが無いため
誰が誰だったかと苦労した
自分の地位を確立するために
何重にも人を咬ませ、真相に近づきそうになると殺されが繰り返されて
無慈悲な展開だった
その駒の1つになってしまった
少女に情が湧いてしまう
続編も読もうと思...続きを読むPosted by ブクログ -
1970年代の川崎、京浜工業地帯として発展する時代を背景にヘドロにより漁ができなくなった漁師たちの姿を描く。多摩川河口で元漁師の不審死体が発見。複雑な産業構造、社会的背景、そこに生きる人々…。昭和の時代に生きる人々の姿が生々しい。Posted by ブクログ
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辰巳さんが紆余曲折あって手に入れた緩い生き方と、旅先での事件なのでよくあるハードボイルドのように関係者に必要以上に深入りしない関わり方が心地良い。
作品中では特に何の予感もなかったのに、本当にこのシリーズは終わってしまうのかな?
単に連続刊行が終わるだけでシリーズは続くと思いたい。Posted by ブクログ -
普段警察小説はあまり読まないんだけども、これはおもしろかった。警官小説によくあるベタなリアリズムをほどよくそぎ落として、私立探偵小説を思わせるドライな描写に徹したことが勝因かなという気がする。お話の方は社会派なんだけどね。Posted by ブクログ
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主人公の辰巳さんがニュートラルなスタンスで依頼に対応するところが香納氏のハードボイルド作品としては異質かな。
車の中で生活し、本業?のカメラマン業務もそれほど仕事に追われているわけでもなく、かなり自由な生き方をしているところが羨ましい。
肝心の事件内容は善悪の区別をつけにくい難しいものが多いけれど、...続きを読むPosted by ブクログ -
中編小説とは、長編でもなければ短編でもない。そうつくづく思わせるのが、このキャンパー探偵シリーズである。長編小説ほど人物に入れ込める時間は読者に与えられないものの、短編小説よりは人間の個性が印象深く刻まれ、凝結された個々の人生の長さや深さとが体感できる。長編小説に書き換えることができるのではないか...続きを読むPosted by ブクログ
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辰巳翔一がこのようにシリーズ化されるなんて、かつての『春になれば君は』『虚国』ではもちろん想像だにしなかった。辰巳は固定した事務所で活躍する探偵というより、訪れた土地で副業的に巻き込まれるタイプの探偵と言う印象。これを決定づけたのが『虚国』であった。廃墟カメラマンが主業……と呼べるかどうかは収入の...続きを読むPosted by ブクログ
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キャンパー暮らしのカメラマンが探偵という奇妙な設定。旅情感が漂い良い感じです。作者の他の作品もそうだったが、雰囲気はハードボイルド風。アクションもあります。二話目の元アイドルの夫の不審死の謎を明かす事件が秀逸で、ラストまで目が離せなかった。彼は風景写真家になる前はパパラッチで、その元アイドルを追い込...続きを読むPosted by ブクログ
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ワーゲンタイプ2で生活の大半を過ごす写真家兼探偵?と言う主人公が、写真家としての仕事で出向く先々で事件に巻き込まれる短編集。
どいつもこいつも裏があるんじゃないか?と穿った目で見てしまうが、なんだか実は…と読み応えがある。
豆から惹くコーヒー、バーボンソーダなど自然の空気に触れながら味わうシーンはう...続きを読むPosted by ブクログ -
事実を一つ一つ丹念に確かめ、推理を構築し、
そしてまた、確かめる。
刑事は「ニコイチ」が原則だが、
彼女は一人で、粘り強く関係者の聞き込みに回り、
徐々に真実へと近づいていく。
それは、犯人にとっては、不安を増幅する崩壊への足音のようだ。
花房京子は、警視庁捜査一課の女...続きを読むPosted by ブクログ