香納諒一のレビュー一覧

  • 無縁旅人
    人がたくさん集まる都会。
    周りを多くの人が行きかい、喧騒にあふれ、
    活気ある都会に生きても、寂しい。

    いや、人が多くいればいるほど寂しさは増す。

    隣を歩いている人、座っている人は家族でも、友人でもなく「単なる人」。

    挨拶を交わすわけでも、心を通わすわけでもない。

    「単なる人」ばかりの中では余...続きを読む
  • 幻の女
    1999年度、第52回 日本推理作家協会賞 長編部門受賞。普通の推理小説が文庫で700ページはいささか長い。世界を舞台にするとか、大映ドラマほどの劇的なストーリー展開があるとか、ならば納得はするのだが・・・しかしながら、この作品はもの凄く考えられて書かれている。著者がインタビューで、完成した2つのス...続きを読む
  • 刑事群像
     謎解きの重層性は、とても素晴らしい。
     ただ一つの疑問は、二つのシリーズが合体する必要性が、どれくらいあったのか?
  • 刑事群像
    殺害され全裸で道路脇に放置された坂上実咲.捜査に当たる大河内,渡辺,庄野たち.奔放な実咲に関連する数名が捜査線上に上がるが,調べていくうちに3年前の事件との関連が出てきて捜査が展開する.元警官の沢崎も絡む.あまりにも多くの登場人物なので,メモを取りながら読み進めた.被害者の部屋に容疑者と息子を集めて...続きを読む
  • 刑事群像
    警視庁捜査一課シリーズ、大河内率いる小林班と庄野率いる中本班のタッグ。

    「贄の夜会」等で活躍する大河内チームと「刹那の街角」で活躍する庄野チームが一緒に読めるなんて、何て私得。と言っても、既出の作品を読む必要はなく、今作は単独で読むことが出来ます。二班の合同捜査になっても、子供の喧嘩のような変なバ...続きを読む
  • 刑事群像
    二人の刑事、大河内・庄野が別の作品にそれぞれ出ているらしい。
    香納作品の読者ではあるが、かなり昔に読んだので覚えていない。それを知らなくても作品は独立していて問題はない。
    事件を細やかに丁寧に捜査、推理、検証していく内容は自分に合っていて、読んでいて面白い。
    ただ、高級なマンションのセキュリティには...続きを読む
  • 刹那の街角
    短編集。警視庁捜査一課中本班。

    まさにこれが警察小説!!と言いたいぐらい、真っ当な警察小説だった。決して今風ではなく、一昔、いや二昔(?)前の警察ドラマ(「特捜最前線」のような)を見ているよう。でも、それがイイ。名探偵が如く、推理力バリバリのキャラクター性の強い刑事ではなく、一人の人間としての刑事...続きを読む
  • タンポポの雪が降ってた
    とても若さを感じる短編集です。若さと言っても溌剌とした若々しさではなく、若さゆえの未熟さ・せつなさ・孤独感・そして希望を感じました。

    一番気に入ったのは表題の「タンポポの雪が降ってた」のラストかなぁ。

    ただ、

    「時速百キロ以上で走るバスと、たぶん同じぐらいのスピードで走っているにちがいな...続きを読む
  • 幻の女
    主人公・栖本が5年前に別れた恋人・小林遼子に再会し、直後に彼女が殺害されたことをきっかけに物語が展開していく。
    彼女の正体、過去を知ろうとする栖本が探偵と協力しながら、裏社会に足を踏み込み徐々に真実に迫っていく。
    長編。分厚い。
    面白かった。
  • 蒼ざめた眠り
    帯に惹かれて読んでみたが、当たりでした。主人公にも感情移入しやすく、最後も辛い終わり方でしたが、余韻があって良かったです。ジャンルとしてはハードボイルドでしょうか、ミステリー好きや警察小説好きにはお薦めです。
  • ただ去るが如く
    元やくざの男が現金強奪事件に巻き込まれる。昔の組長の娘とその恋人、そして元相棒。複雑に人間関係が絡みながら事件は収束を迎える。
    大阪と日本海側の街を舞台にしている。
  • 蒼ざめた眠り
    2010年に『虚国』というタイトルで出版された本の文庫版です。

    実は、『虚国』、買っていたんですよねぇ。でも、単行本で厚くて(381ページ!)ずっと読めていなかったのです。

    それで、今回、気づかず買ってしまったのですが、作者曰く「連載時の原稿はほぼ捨て去り、書下ろしに近い形で書き上げた1冊で...続きを読む
  • 幻の女
    長かった。

    再会した女性が直後に殺され、留守番電話には「調べてほしいことがある」とのメッセージ。
    女性を調べれば調べるほど謎が深まる。
    彼女はそもそも誰なのか?
  • あの夏、風の街に消えた
    何だろう、ミステリーじゃないよね。ハードボイルドミステリ?
    「青春」って言葉がぴったり。子供から大人になる切ない感じ、もうちょっと私は忘れてしまったけど(笑)
    学生運動や天安門事件など、少し時代が違うので、実感としてはわかないんだけど、充分楽しめました。京都も新宿も、ある程度想像可能な地域なのでそれ...続きを読む
  • あの夏、風の街に消えた
    あえて分類するならハードボイルド系青春小説でしょうか。現代の事件に学生運動や天安門事件などが複雑に絡んでいます。私の年齢では臨場感を持って読むことはできませんが、それでも充分に楽しめます。香納氏の作品の中では主人公が若くて少し異色な感じもありますが、私は好きです。
  • 無限遠
    筑波を思わせる学研都市で起こった自殺事件と殺人事件。そこには、研究者の歪んだ欲望と子供たちの差別が内在していた。主人公の人物造形と文章が好きな作家なので最後まで楽しめたけど、意外性はなかった。
  • 幻の女

    読み応えありました(笑)
    愛した女性の過去を調べていく弁護士。
    どういう風な展開になるのか
    凄く気になりながらページをめくってましたw
    700ページという厚さですが
    読んでる感があり、読み終わった後
    満足感がありました(笑)
  • あの夏、風の街に消えた
    切ないです。登場人物がみんな魅力ありまくりで、特に久夫ちゃんがかっこよすぎです。
    31歳でその渋さですか。
  • 幻の女
    単純に、面白かった。スケールが大きいのだけれど。
    予想通り、文章が自分好みで(つまるところ、たまに詞的な文が入るのだね)、そういう点からも読みやすかった。
    殺された自分の知り合いの女性は、本当は誰だったのかー…。暴かれることが彼女のためか、それとも別人として眠らせてあげるほうが幸せだったのか…。
    ...続きを読む
  • 幻の女
    香納諒一の作品を讀んだのは、これが初めてである。
    第52囘日本推理協會賞受賞作品だと裏表紙に書いてあつたので、面白くない譯はあるまいと考へて購入した。

    面白かつた。
    主人公が愛した女は5年前に突然、主人公の前から姿を消した。
    そして偶然、再會したその日の夜に何者かに殺されてしまふ。
    女は何故殺され...続きを読む