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甘美な恋の思い出と裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作はじめ、ふとした感傷が時をへだてて突きつける人生の哀しみを綴る「歳月」など、乾いてせつない珠玉七編を収録。
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Posted by ブクログ
どことなく切ないストーリーが魅力だと思います。 そして短編集と言う事で違う味のある話が読めるのも魅力ではないでしょうか。
久々に、「面白い」と思える文章を書く作家さんに出逢えました。 全部の書き方が、出し惜しみしてて悔しいくらい長編が気になる。 個人的に、[世界は冬に終わる]という話が1番好き。 『世界は冬に終わる そんな気がしていました』のフレーズが大好き。 [タンポポの雪が降ってた] 昔の短い恋が終わった春、タンポ...続きを読むポの綿毛がまるで雪のように舞っていたー…。懐かしい人からの手紙で、あぁ、確かにあの恋の終わりはタンポポの雪が降っていたのだと感傷にふけた。 [大空と大地] 失恋した自分を慰めてくれたのは、趣味で行った旅行先の空ではなく、いつもと同じ東京の空だった。 [世界は冬に終わる] 田舎から都会に出てきた郵便局員が、同じ郵便局で働いていた異国の人と、1枚の年賀状から人名を救う話(こう書くとなんかなぁ…)。 都会を夢見て、そして挫折した女性。その女性が出した、転居先不明かなにかで戻ってきた年賀状には、去年も確かにこう書いてあった。[世界は冬に終わる。 そんな気がしていました。]と。 『年の始まりってやつは、ひとりでいる人間には残酷なんだ。あん時、(略)ほんとはどうしていいかわからねえほどに、寂しかったのさ。故郷へ帰りたい。なつかしい人たちの顔を見たい。雪景色のシンジュクをながめていると、たまらなくそう思えてならなかった。 だから、理由じゃなく、あの人の孤独がわかったんだ。』 命は救われた、けれど心まで救われたのかはわからない。 けれど、不思議と温かい話だった。
とても若さを感じる短編集です。若さと言っても溌剌とした若々しさではなく、若さゆえの未熟さ・せつなさ・孤独感・そして希望を感じました。 一番気に入ったのは表題の「タンポポの雪が降ってた」のラストかなぁ。 ただ、 「時速百キロ以上で走るバスと、たぶん同じぐらいのスピードで走っているにちがいな...続きを読むい列車がすれ違うのに、四分も五分もの時間がかかるなんて、いったいどのぐらい多くの貨車を引き連れているのだろうか。」 という文は、理系としてちょっと気になります。 仮に、主人公が乗っているバスが時速百キロだとすると、時速二百キロの差となります。 時速二百キロということは、60分で200kmですから、1分で3.3kmです。4分なら13.3kmの列車となるわけです。 1両の貨車の長さはどんなに長いと言っても40mでしょう。 ということは、13.3km*1000/40=333台 機関車1両を含む26両連結の車列が、5編成連結でも130台なので、333台はないでしょう。
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タンポポの雪が降ってた
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香納諒一
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