三木笙子のレビュー一覧

  • 人魚は空に還る
    どうか、この心を、誰かがわかってくれますように。

    超絶美形の天才絵師・有村礼と、雑誌記者・里見高広の“帝都探偵絵図”シリーズ第一作。礼がこよなく愛するホームズの物語を翻訳する、それが高広の役割。そして、二人が出会った謎を、優しく解き明かす高広。ちょっと不思議なホームズとワトソンの物語。短編集で、ど...続きを読む
  • 水の都 黄金の国
    【収録作品】黄金の国/水の都の怪人/錬金術師の夢/新地動説/エピローグ  
    *異国の地で亡くなった幼なじみ・清人の後任としてイタリアに渡り、日本語教師となった誠次郎。下宿先の料理店で働くルカは清人に心酔しており、なにかと比較する。そんななかで誠次郎は、見初めた花売り娘を探す富豪、金貨をばらまく怪盗、...続きを読む
  • 世界記憶コンクール
    謎の背景には、親子の絆。

    お得意の分野、明治+美形+ホームズ&ワトソン。〈帝都探偵絵図〉シリーズの第二弾。とはいえ、実は小説で読むのは初めて。会話中心で読みやすかった。主人公コンビである雑誌記者の里見高広と美貌の天才絵師有村礼が直接かかわらない話もあり。何組かの親子が出てきて、それぞれの関係がある...続きを読む
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    守れない約束に後悔し続けた良治。
    約束を信じて待ち続けた伝。
    立場が違えば見えるものも違う。憎しみが生まれるはずがないことは分かっているけど、二人の記憶を受け継いだ者達が苦しんでいるのは辛かった。
    世代を越えて遠い日の約束を果たした徹と大地の絆は揺らぐことがなく強い。
    良治と伝は思いを石に託して再会...続きを読む
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    この物語は、三世代に渡る少年同士の友情の物語です。(そしてその三世代、三組の少年同士がそれぞれ血縁関係でないのに、結果的に巡り会うという因業めいた展開がニクい)
    お互いがお互いを思う故、あのような結果に終わってしまった「伝」の世代、「航」の世代、そしてその連鎖を断ち切ろうとする徹と大地の葛藤。
    ラス...続きを読む
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    わああ、そこで終わるか!っていう…。
    こいう後引く終わり方はズルイ!(笑。
    鉱物好きなので、石の描写も楽しめました。
    昔の記憶もよかったなぁ。
    あぁぁ、でもその後が気になりすぎます。もう!
    先輩のおばあさまももうちょい活躍すると思ったのになぁ…。
    紳士な松崎先生も好きです。
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    文庫化してただけだったうっかりしてた。とうに読んでた。

    いつもの作品よりも静謐さがなく、中高生にとっつきやすい作品になっているような気がする。
    あの静かで冷たい風の音のする作品が好きなものには多少の場違いさを感じてしまうことだろう。

    ただ、ラスト。

    ここで切るのが三木笙子作品の醍醐味なのだ、彼...続きを読む
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    読み始めた時は、心が躍るのをとめられなかった。

    石に宿る 遠い過去を生きた人の記憶。
    このモチーフだけでも展開に強く思いを馳せてしまう。

    さらに冒頭の地学部の部室がある旧校舎の描写や
    登場人物がとても魅力的で 期待が高まった。

    しかし後半は急ぎすぎたのだろうか。
    しっくりこないままで終わってし...続きを読む
  • 人形遣いの影盗み
    お、ロータス出てきた!
    個人的にはホームズよりルパン派なので、地味に嬉しい。
    礼さんに怒られそうだけど。
    びいどろの幻影的な空気も好きだけど、下宿のほんわかムードも良かったです。
  • クラーク巴里探偵録
    明治時代(たぶん…)のパリを舞台に、ヨーロッパ巡業中の曲芸一座の番頭・孝介と新入りの晴彦。贔屓客から依頼される事件の解決に奔走するーーという連作短編集。

    三木さんの作品は心底からの悪人ってのが出てこないので(必ず背後にはやむにやまれぬ事情がある)読んでて心が荒まなくていいです。
    最終話での高瀬がす...続きを読む
  • クラーク巴里探偵録
    日露戦争直後のパリ、日本の曲芸一座の二人が贔屓客から頼まれた厄介事の始末に奔走するという連作短編集。
    ミステリとしては薄味だが当時の巴里の雰囲気を楽しめる感じ。特に第3話の騙し絵の家は見てみたいと思った。
  • クラーク巴里探偵録
    【収録作品】第1話 幽霊屋敷(メゾンアンテー)/第2話 凱旋門と松と鯉/第3話 オペラ座の怪人/第4話 東方の護符
  • 人魚は空に還る
    なんとなく衝動買い。全体読みやすく面白いと思います

    このシリーズは初めてだったので油断していましたが、少しキャラクターが綺麗すぎると申しますか漫画的な空気感なのが個人的には少し苦手でした。
  • 人魚は空に還る
    幻想的な事件を廻る、お人好しなホームズ・高広(雑誌記者)と美形ワトソン・礼(売れっ子天才絵師)。一話完結短編集。
    最初、美形な方がホームズでお人好しの方がワトソンかと思ったけど、違いました。
    ちゃんとその理由も、文庫版の書き下ろしで説明されているので、読むなら文庫がお薦め。

    全体的に題材が綺麗で...続きを読む
  • クラーク巴里探偵録
    表向きの設定だけのほうがよかったような、それだけでは退屈だったような。年齢設定が老けてるような若いような・・・。
  • クラーク巴里探偵録
    面白かったですが、状況描写というか、説明が不足気味で突然な事が多くて、??ってなりながら読んだ部分が多かったような感じです。
    話は面白かったので少し残念。
    でも最後はほっこりして、清々しい気持ちになりました。
  • 人魚は空に還る
    明治40年代の帝都東京、雑誌記者と天才絵師が数々の謎を解き明かす連作短編集。

    クールビューティの天才と心優しい凡人のコンビであるならば、天才が探偵役、凡人が記述者役になりがちであるが、今作は「あえて」凡人を探偵役にしている。
    だが、その代わりに、あまり天才が機能していないようにも思える。

    表題作...続きを読む
  • クラーク巴里探偵録
    誰かが誰かを大切に思っていて。
    そのために自分を投げ打って。
    三木さんのお話は、読み終わったときには、やっぱり悪人がいないんですよね。ほぉ…って、静かなため息で余韻を味わう感じ。
  • 人魚は空に還る
    明治を舞台の日常ミステリ。

    探偵側が視点のミステリって珍しい。
    高飛車なワトソンくんに振り回されるホームズ(笑)

    どちらもなんだか可愛いな。
  • 人魚は空に還る
    明治、帝都と時代背景的にはすごく好きな雰囲気。
    起こる事件もそれほど生臭くはなく、ゆったり楽しめる人には面白いかも。
    個人的にはもうちょっとひねりが欲しかったかなーという印象です。

    あと毎回出てくる有村先生の美貌褒め称えが、どうにも気になって気になって。
    そんな小さなとこ気にして、すみません…。