三木笙子のレビュー一覧

  • 竜の雨降る探偵社
    昭和の新宿を舞台にした連作短編。元神主の探偵・櫂と、幼馴染で大家で建築会社社長な助手役・慎吾。神主から探偵に転職というのは珍しいと思ったが、最後まで読むと表題の意味も含めて諸々納得。「竜の雨降る探偵社」間違って届く郵便物の謎。「沈澄池のほとり」友の死を悼む女性の真意と消えた手帳の謎。「好条件の求人」...続きを読む
  • 帝都千一夜 美男のシェヘラザード
    千一夜ということで、各話は短めで数多め。
    妖霊に関わる多種多様の話が読めて楽しかった。
    出てくる妖霊たちは、段々と人間臭くなるというか、異国の妖霊なのに日本に慣れている感じなのも面白かった。
    大正時代の日本と異国が混ざり合って不思議な世界観になっているというか。

    和恭が無愛想ながら妖霊の憑代になれ...続きを読む
  • 帝都一の下宿屋
    表紙のイケメンに魅かれて。
    美味しい食事を出してくれる下宿屋、最高ーじゃん。
    出ていきたくない気持ちわかる。
    別に猫かぶらなくてもいいような気もするんだが。

    若干安楽椅子探偵っぽい話かな。
    一応捜査、というか、色々調べてはいるけど、
    読み感としては、そっち。
    軽く読めるミステリー。
    おもしろかった
  • 帝都一の下宿屋
    装丁が素敵だなぁと思って読みました。

    うっすら謎解きほっこり下宿物語。
    湧水さんが桃介さんのことを大好きすぎていじらしい。もはやこれは恋では!笑

    そして坂口さんの毒舌に対して何かにつけて本を投げつけちゃう湧水さんに思わず笑ってしまったり。

    たぶんこちらの作家さんの本は2冊目くらいなのだけど、読...続きを読む
  • 帝都一の下宿屋
    帝都探偵絵図のスピンオフ?
    口の悪い作家、出不精のようにいってましたが、フットワーク軽くいろいろ出かけてました。
    三木笙子さんの書く人間が好き
  • 月世界紳士録
    面白かった。続きほしいくらいには好きだわ。
    いい感じに二人がでこぼこで、それでいて噛み合ってくるのが楽しいよ。
  • 人魚は空に還る
    表題作「人魚は空に還る」の最後、小川が筆名を明かすところでアッと膝を打った。ただ「赤い蝋燭と人魚」は笑顔になりようのない物語だったと記憶しているのだが。

    すっきりした文章で、全体が穏やかにまとまっている。ミステリを期待すると今ひとつかもしれない。系統としては坂木司さんの作品に近いが、やや及ばない印...続きを読む
  • 怪盗の伴走者
    今回は事前予約をしていなかったので、手に入るかドキドキしながら発売翌日にいつもの本屋さんへ。

    まさかのサイン本が並んでいてラッキー。

    シリーズ1,2冊めの時のような冷たく音のない清冽な印象は薄れてしまいましたが(あの空気が大好きだった)、
    全て終わったあと、最後の文章が書かれた左側に真っ白なペー...続きを読む
  • 月世界紳士録
    月にまつわる物語なんて、自分のためにあるようなものではないかと歓喜して購入しました。

    「月」に関係するお話というだけあって、登場人物もなにかしら「月」を連想する名前だったり。
    どんなに科学技術が発達し、衛星として、「モノ」として明らかになっていく月。
    それでも見上げて手を伸ばしても決して届かない月...続きを読む
  • 人魚は空に還る
    明治時代の帝都東京で不思議な事件に巻き込まれるお人好しの雑誌記者と美貌の天才絵師。絵師が探偵役かと思いきや、お人好しで優しい記者が探偵役(しかも武芸にも通じているらしいという)というギャップ。殺伐とした事件ではなく、ちょっと不思議な幻想的な出来事が題材で、人情味があって優しい雰囲気に仕上がっている。...続きを読む
  • 水の都 黄金の国
    明治のはじめ、遠いヴェネチアで日本語を教える日本人。
    セイが不思議な物事を解き明かす。

    日常系ミステリー。
    町並みがとてもきれいです。
  • 水の都 黄金の国
    読み飛ばしてしまったのか、2話まで時代がよくわかんなかった。現代かな? 近代かな?って。現代でもそういう表現することあるから。
    2話で近代かとわかったのはいいのだけれど、清人を「清の人」としばしば読んでしまい、そうよね極東だもんね、ヴェネツィアの人にはごっちゃになるかもね、なんて解釈してとんだ斜め上...続きを読む
  • 水の都 黄金の国
    明治時代のヴェネツィアを舞台に日本語講師の誠次郎と下宿先の料理店で働くイタリアの青年ルカが謎を解いていく話。
    日本人に馴染みの深いマルコ・ポーロやガリレオが題材なので、歴史に弱い私でも読みやすい。
    共通の友人を失った二人が悲しみを乗り越えようと葛藤する様子が切ない。
    変わることを恐れるルカに少しずつ...続きを読む
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    石が持つ記憶を受け継ぐ人たちの話。

    小学生の頃に『石文』と言うものを知り、何て純粋な世界なんだろうと石が大好きになった私。

    文字のない時代、大切な人に想いを伝える為に石が使われていたそうです。
    自分の気持ちとピッタリの石を探しに探して、相手へと送るんだそうです。
    私なら、どんな石を探すかなぁと良...続きを読む
  • 竜の雨降る探偵社
    戦後の新宿にある探偵社が舞台の短編集。
    全体的に優しい雰囲気で静かな湖面を想わせる物語。リアルとファンタジーの狭間に在る感じが好みかな。
    友人のために大切なものを躊躇いも後悔もなく捨てた櫂の気持ちが温かい。
    子供の頃から自分を気遣ってくれた慎吾の幸せを思う気持ちが伝わってきた。
    干拓されてしまうけど...続きを読む
  • 竜の雨降る探偵社
    ふらりとよった書店で。何の因果かサイン本があったので買ってしまった。
    軽い読書にちょうどいい。読後感もなかなかいい感じ。
    昭和後期、新宿の片隅で小さな探偵社を営む主人公と幼なじみのバディもの。日常の謎系。なぜ郵便物がまちがって届くのか?友人が自殺した池のほとりに毎日現れる女の真意は?一件割りのいいバ...続きを読む
  • クラーク巴里探偵録
    ヨーロッパ巡業中の曲芸一座の敏腕番頭孝介と新入り晴彦。贔屓客から依頼されて厄介事の解決に乗り出していくが、二人は危険な計画に巻き込まれていく…。三木さんの作品はいつも雰囲気が好きで、今回もいつも通り安心の読後感。ただ、この作品はこれでおしまいと思われるので残念…
  • クラーク巴里探偵録
    目の悪い自分は、読み始めるまで表紙の子はツインテールの女の子だと思っていたので(建物の影が絶妙に髪に見えた)本編の舞台がパリで、主人公が男だったことの衝撃を。ええ、大馬鹿者ですとも。

    1話め1行目から音と音楽が聞こえてきたので、ああこれは結界石や金木犀方面のお話だなとわかります。
    1話2話が淡々と...続きを読む
  • 人魚は空に還る
    イケメン天才絵師とお人好しの雑誌記者と愉快な仲間たちが帝都で起こる事件の謎を解く。
    絵師殿は最初引きこもりなのかと思っていたが結構アクティブだった。
    佐野が結構好き。
    ロータスのその後が気になるので続きが読みたい。

    表題作を読んだ期間にロトのCMに出てた米倉さんを見て、花遊鞠子のビジュアルイメージ...続きを読む
  • クラーク巴里探偵録
    三木笙子新刊。今回は、気難しくてなかなか懐かない、頭のいい年下くん×秘密をかかえた万事そつのない、その従者くんのコンビです( ̄▽ ̄)。お料理上手なとこに萌え。餌付けは大事だ。

    舞台は巴里。まだ馬車が走り、阿片窟が残り、海外への渡航手段は客船、という時代。日本を離れても、こういう旧い都が舞台なのねー...続きを読む