加藤徹のレビュー一覧
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[ 内容 ]
かつて漢文は、東アジアのエスペラントであり、日本人の教養の大動脈であった。
古代からの日本の歴史を「漢字」「漢文」からひもとくことで、日本人が何を思い、どんな試みの果てに、この国が築かれてきたのかが明らかになってくる。
日本人にとってまだ漢文が身近だったころ、漢文の力は政治・外交にどの...続きを読むPosted by ブクログ -
[ 内容 ]
内憂外患にあえぐ落日の清朝にあって、ひときわ強い輝きを放った一代の女傑、西太后。わが子同治帝、甥の光緒帝の「帝母」として国政を左右し、死に際してなお、幼い溥儀を皇太子に指名した。
その治世は半世紀もの長きにわたる。
中級官僚の家に生まれ、十八歳で後宮に入った娘は、いかにしてカリスマ的支...続きを読むPosted by ブクログ -
中国の歴史や価値観を漢字、地形、ヒーローなど様々な視点から読み解いている。中国の歴史についてもっと詳しければより楽しめただろう。日本との歴史の関係性もなんどか引き合いに出されていて、今まで教わった日本史を新たな視点で見ることができた。やっぱり中国人の領土意識は面白い。Posted by ブクログ
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地元の本屋に置いてあったのををたまたま見かけて即購入。
「漢文」という枠組みから捉えて日本の歴史を記した本だけど、考えていた以上に面白かった。漢文が「威信材としての教養」から「生産財としての教養」へ、20世紀になってから「消費財」としてのそれへと変貌していくという説明は非常に納得のいくものだ。
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中国のおける三大悪女の一人と称される西太后。
本当は私達がイメージしている彼女とは違う側面もあったらしい…。
何故彼女は極悪非道の女扱いにされてしまったのか…。
そういう事が少しだけわかったような気がしました。Posted by ブクログ -
皇后選びの選秀女システムとか初めて知った。西太后直筆の朱諭とか見てみたい。確かに、腹心を何度も罷免してまた戻すというやり方は、毛沢東そっくり。これは中国の伝統なのかしら。Posted by ブクログ
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西太后に触れた書籍として最も優れている。
固定観念に縛られず、西太后の実像に迫っている。
現代中国を知る意味においても最適。
ただ昭烈帝の陵墓は一度も盗掘に遭っていないというのは嘘である。Posted by ブクログ -
どう見ても中国はでかいし、人も多い。中国語の大雑把さ、士大夫階層、善悪対立好み、などなど「う〜ん」と納得させられてしまった。中国に対して、また違った見方を示唆してくれる本です。Posted by ブクログ
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本書にも記されているが、明治期には江戸時代の流れもあって、漢文の素養が色濃く残っていて、明治期の作家の文章を見ると、それが如実に感じられる。だから現代のエンタテインメントな小説ばかりを読んでいて、ふと明治期の文人の作を読むと、アレレってな事に往々にしてなるのでアリマス。漱石もそうだし、弟子筋で昨今人...続きを読むPosted by ブクログ
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孔子の生涯と『論語』という書物の成立過程について解説するとともに、とくに日本において孔子の思想がどのように受容されてきたのかということを、わかりやすく説明している本です。
『論語』という書物の成立過程とその読まれかたについて、興味深い実例を紹介している本として、おもしろく読めました。ただ、とくに日...続きを読むPosted by ブクログ -
3年前から中国語の勉強を始めました。動機は色々あったのですが、勉強を始めてから気づいた面白さの一つに、漢詩があります。
外資系勤務なので中国の北京や上海オフィスの同僚と話すことも多いのですが、彼らの殆どが漢詩の有名な部分を記憶しているのに驚きます。
私の通っている語学学校でも漢詩の面白さを教えて...続きを読むPosted by ブクログ -
徹底的な男尊女卑社会であった清の時代において、如何にして中堅官僚の家系の娘が中国全土の権力を牛耳るに至ったのか。イメージが先行して稀代の悪女として語られがちな西太后の人生を、歴史的事実から追う一冊。
中国の王朝は大体200年ほどで交代するというが、清の王朝時代の末期であり、また19世紀後半という海外...続きを読むPosted by ブクログ -
中国の政治の常道として、カリスマ的政治家は実務派政治家を失脚させたり復活させたりして、彼らに権力が集中しすぎぬよう調整する。西太后はそれを誰から教わったわけでもなく、暗黙知的に体得していたのであります。臆面もなく人を失脚させたり自尽に追いやったりする振る舞いに凄みを感じます。蛇足ですが、P254に掲...続きを読むPosted by ブクログ