加藤徹のレビュー一覧

  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~
    『貝と羊の中国人』(新潮新書)がよかったので続けて読んだが、これが全編あますところなくおもしろかった。「日本」とか「日本文化」が成立するうえでの「漢文」の役割を、漢字伝承の昔からさかのぼって検証していくというスタイルだが、トリビアのカタマリとも読める。

     そもそもヤマト民族は、漢字文化を吸収するで...続きを読む
  • 絵でよむ漢文
    なんとなく文学に浸りたくて、衝動買いした本。
    有名どころと思われる漢文を取り上げており、「受験で真面目に漢文を勉強した」+「中高時代に宮城谷昌光氏にどっぷり浸かっていた」私にとっては、半分ぐらい見知ったものだったが、逆にそれがよかった。

    見開きで一節としており、挿絵、漢文、書き下し文、訳文、平易な...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    中国文学研究者による、中国人の特徴、ものの考え方などについて論じた本。

    親中でも反中でもなく、いたってニュートラルな立場で書いているのも感じがいい。とはいえ、あくまでも日本人の目から見た主観の入った見方なので、これを中国人が読んだら面白くない部分も多いと思う。中国人のこういうところ、日本人から見る...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    『中国人とはなんぞや』
    を語るには、自分たちの生活体験からかたっても・・・
    なかなか、中国は見えない。
    というか・・・中国は語れない。
    ニンゲンであることは、変わりない
    と最近はよく思う・・・。

    この『貝と羊の中国人』は、
    歴史をさかのぼり・・・
    中国の深奥にまで踏み込み(私もだいぶ踏み込んできて...続きを読む
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント
    読みやすくて、おもしろかった!

    気になったことをメモメモ。

    ・中国の美意識・・・一極集中だという。なるほど。

    ・海外に流出する中国人。リスク分散のハシュ(←携帯で漢字が出なかった)本能で、どこかがやばくなったら、そうではない親族のもとに逃げるという考え。

    ・「自分たちは先祖と同じ民族」

    ...続きを読む
  • 本当は危ない『論語』
    論語の多面性と、面白い読み方を探っていく。書いた弟子達のパワーバランスだったり、間違いだったり、擬音感だったりと、論語および周辺書籍を読みたい、と思わせる素敵な本。日本人と中国人、どちらが粗野で仁を持っていないか、論語の捉え方から考えてみると面白いですね。
    歴史や古典の授業では、誰が何年に何をした、...続きを読む
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
     「西太后」は「せいたいこう」と濁らずに読むのが正式な読み方だそうだ。まず最初にそこを確認しておきたいところだ。

     筆者は前書きにおいて、本書の目的として「従前の誤った俗説や偏見を排し、彼女の生涯の真実を浮き彫りにすることにある」と宣言しているとおり、「稀代の悪女」というイメージを払拭する内容とな...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    かなり面白かった。
    知ってるようで知らない隣人のこと。

    彼らが血縁を大事にするのは、
    中国の歴史が国家的な大虐殺が繰り返されてきたから、
    「国」というものを信頼していないところにあるらしい。

    これはユダヤ人も似たようなところがある。

    ユダヤ人は国を持たないけれど、
    代わりに律法というも...続きを読む
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
    西太后について分かり易く、しかも詳しく納得いく流れで説明されており、時代背景などと共に当時を理解するうえで大変役立った。蒼穹の昴という小説を後に読んだが、この本のおかげで大変楽しむことができた。
  • 本当は危ない『論語』
    タイトルは奇抜だが、中身は論語の出処や歴史的背景、日本での浸透の仕方などを細かなソースをつけて説明している良書。これだけの論語知識があれば、道を外さず論語を読めるようになるでしょう。
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~
    「この停滞感に満ちた日本の現状を打破するには、強力なリーダーが必要だ」

    最近では、上のような物言いは、もはや誰が首相になっても耳にするようになった。

    私などは、首相に選ばれるたびにいちいち西郷隆盛とか、高杉晋作とかの明治の英傑と比較されてむしろ可哀想だ、と感じる。

    だって皆薄々感づいているので...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    本書から得た内容から判断して歴史としてカテゴライズした。
    自分としては基本的に「国民性」という概念に少々懐疑的な気持ちを持っている。間違いなく多様性が増して来ている最近の世界において、特定の民族に「このような特徴がある」と単一的に論じる事はできないと考えているからだ。この考えはある程度正しいと思われ...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    中国人と接する機会があったとき、もう一度読み返すべき本。

    中国人の考え方・文化・歴史からなぜ日本に敵対心を向けるのか?ということが文化的に理解でき、また、日本人として腹を立てる必要も無いことが納得できる。

    中国人の実利の追求には凄まじいものがあるが、その反面、儒教に代表されるイデオロギーに殉じる...続きを読む
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
    読みやすく面白い。西太后の一生を西太后自身の人物像、周囲の環境、清国の立場等を含めて概説した一冊。著者のユーモアのある言葉づかいも端々に見られ、笑いを誘う。
  • 本当は危ない『論語』
    タイトルは煽りが効いているけれど、まっとうな内容の本。論語の誕生・成立から発展に至るまでの歴史的経緯と、孔子の人となりの推測、そして、論語と日本のかかわりについて、既存の論語研究の成果を数多く引用しながら説明している。タイトルにある「危ない」とは、次の3点の意味での「危なっかしさ」を指していると私は...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    中国人との価値観の違いがどこから生まれてくるのかを知る手がかりにぬる本。書いてあることが本当かどうかはわからないが、納得できる論理ではあったと思う。
    結局これが『大陸的・島国的』とか言われるのかな。そして、ヨーロッパにおけるイギリスの立場と東アジアにおける日本の立場の違いは、協力関係に一度もならなか...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    民族性、歴史、社会、地政学など様々な視点から"中国人"を大づかみで捉えた本。示唆にとんでいて面白かった。
  • 貝と羊の中国人
    10億以上の人口なので当然十把一絡げにはできないけれども、中国人の国民性をいろいろな側面から見た本である。ある国を知るにはその国の歴史を知るのが近道だが、ここでも歴史的な側面が、現在どのように中国の意識に刷り込まれているか、というのもわかりやすく説明されている。
  • 貝と羊の中国人
    [ 内容 ]
    財、貨、賭、買…。
    義、美、善、養…。
    貝のつく漢字と羊のつく漢字から、中国人の深層が垣間見える。
    多神教的で有形の財貨を好んだ殷人の貝の文化。
    一神教的で無形の主義を重んじた周人の羊の文化。
    「ホンネ」と「タテマエ」を巧みに使い分ける中国人の祖型は、三千年前の殷周革命にあった。
    漢字...続きを読む
  • 本当は危ない『論語』
    大好きな加藤先生の新しい本。最初に「おわりに」を読んでぷっと吹き出す。しかし内容は至って真面目です。なんとな〜くしか知らない論語と日本への影響をやさしく解説してくれてます。でもマニア度は少し低めかな。