加藤徹のレビュー一覧

  • 本当は危ない『論語』
    一般の解説書は、孔子を聖人君子、論語を聖典的にとらえ、
    非の打ち所のないもののように書かれていることが多いが、
    本書は、歴史的な背景を踏まえつつ、淡々と推測される事実
    を書いている。
    従来のイメージからかけ離れた部分も多いが、それにより論語の
    価値を貶めるものではなく、より深く読むための参考になる。...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    良書。中国人を理解するということ、異文化を理解すること、歴史に学ぶとはどういうことか、これらを全てを学べる本。
    トピックへの切り口も多面的で興味をそそられるものが多い。
    中国を理解するにあたって、読んでおきたい本。
  • 貝と羊の中国人
    貝と羊は本音と建前。国土の広さゆえの自分のテリトリーの広さと領土問題。よくよくわかっていないとお互いに誤解を招きそうだ。6千万人の人口の壁による王朝の崩壊の繰り返し、士大夫という歴史の黒幕など面白い考え方だった。分量は少なめで、非常にわかりやすくコンパクトにまとめられていて、とても読みやすかった。
  • 本当は危ない『論語』
    挑発的なタイトルですが、論語の成り立ち、孔子の人物像、発音、日本の歴史に与えた影響等を博識を以て分かりやすく解説。素読教育についても興味を持てました。
  • 貝と羊の中国人
          -2006.09.12記

     京劇が専門だという著者、加藤徹の「貝と羊の中国人」新潮新書。
    任期満了でやっと退陣する小泉首相の靖国参拝への頑なな執着で、この数年、中国からの批判がずいぶん過熱したものだったが、その中国の開放経済による経済成長至上主義と、一党独裁の官僚的支配に過ぎない共産主...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    著者が語る中国観を日本と比較したり、事例をふんだんに使ったりと、非常に分かり易く説明されており、これまで色々中国紹介本を読んできましたが、一番人に薦めたい本かなと思います。
    これからも付き合う必要がある以上、彼らの考え、彼らの力強さの源をこの本を振り返りながら知っていきたいなと。
  • 貝と羊の中国人
    中国と関わりのある人は、必読です!
    「中国人の暗黙知」、中国人の語るタテマエとかくされたホンネをわかりやすく解説した本です。
    同著者の「本当は危ない『論語』」もおすすめです
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント
    西洋脳と東洋脳、読んでいて確かに違いはあるって思った。イギリスの大学に出す日本についての論文には論ずる視点を沢山提供してくれる本だった。
  • 貝と羊の中国人
    殷の文化と周の文化の融合が、後の中国人(現代も含めて)の価値観の土台となったという説をベースに進む。
    随所に現れる、日本との比較が大変興味深い。
    「東アジア」について考えさせられる一冊。
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
    西太后と、彼女が生きた清末の史実が淡々と綴られている。日本の幕末と同く、中国での清末の時代も、国内では地方勢力が力をつけ、海外の勢力も入り乱れた権力闘争が繰り広げられたという意味で、歴史好きには非常に面白い時代である。
    そのような動乱期において、それほど政治に通じているわけでもない一人の女性が、50...続きを読む
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント
    東洋と西洋の考え方の違いを踏まえ、それぞれの文化の得意な部分を生かしていくヒントを与えてくれる本。ハイブリッド車のように、東洋と西洋の良さを相互作用によって、上手く動かしていくには、中国を知ろう!ということ。
    中国4000年の歴史に学ぶものは奥が深そう。
  • 本当は危ない『論語』
    今年読んだ新書では初めて、読後に爽快感をおぼえた。中国古典物では浅野裕一先生の諸著作(本書の著者とは見解を異にするが)以来の面白さ。オススメです!
  • 漢文の素養~誰が日本文化をつくったのか?~
    日本人はいつから漢字を使うようになったのか?卑弥呼は漢字を書けたのか?などから始まって、近代にいたるまでの、日本やその周辺国の人が書いた漢文を興味深く紹介。日本の国と漢字って、やっぱり切っても切り離せない仲らしい。カタカナ語が氾濫する今、「日本語の品格」っていう本を加藤先生に書いて欲しいな〜。
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
    蒼穹の昴を読んで、興味が湧き他に中国の歴史などを読んだが、この本はとにかく読みやすかった。名前などに馴染みがあったのもあるが、説明が丁寧で時にユーモアがあり、読み切ることができた。
    西太后については、諸説あるのだろうが、事実に基づいての推測に根拠が感じられた。
    最近の中国の動きや文化大革命など、中国...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    中国の文化を殷周の違い、貝と羊から書き起こし2000年代まで中国人の考え方、行動原理、習慣が書かれている。

    特に中国の大雑把な捉え方は参考になった。「春望」の一節で、二通りの解釈ができるところ等。
  • 西太后 大清帝国最後の光芒
    西太后の人生に触れるだけでなく、清の国の統治のあり方、何故、日本と比べ、近代化が遅れたのか等、筆者の個人的見解も含めて踏み込んだ考察もあり、学ぶこと多し。

    以下引用~
    ・「選秀女」は、清朝独特の后妃選定制度である。
    秀女とは、皇帝の妃や側室の夫人の候補のことである。清朝では、適齢期の旗人の少女たち...続きを読む
  • 東洋脳×西洋脳 多極化する世界で生きるヒント
     西洋のオープンエンドな世界観に対し、中国は予定調和的という指摘はうなずける。しかし、西洋でもプラトン立体の数に準じて太陽系の惑星の数が5つとか、ある種の呪縛があったように思う。
     付言:映画の「映」の字は、西洋人には「シャベルを持って蒸気機関車に石炭をくべている人」に見える。加藤教授のこの手のトリ...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    ちょっと古いので、今の中国とはまたちょっと違うんだろうな。と思うところもありつつ、非常にスラスラ読みやすい本です。例えも分かりやすい。
    改めて、お隣の国が、大陸ならではの歴史背景をもった国民性なんだな。と。で、ありかながら、ホンネとタテマエを持つところなど、日本人と同じところもありつつ、欧米圏の人か...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
    小飼弾氏の「新書がベスト」でおススメされていなかったら手に取る事も無かったですあろうが、非常に良かった。

    中国の歴史を俯瞰し、中国人の精神構造、政治、日本との関係等についてとても分かりやすく書かれてある。またここに書かれてある内容は、私個人の中国・中国人との交流における経験とも一致する。

    何だか...続きを読む
  • 貝と羊の中国人
     加藤徹『貝と羊の中国人』(新潮新書)は、新しい観点が豊富につまった中国人論。
     民族とは2つの異質な集団がぶつかりあって生まれる例が多いとしたあとで、中国もまた平原の農耕民である「殷」と、西域の遊牧民族である「周」の衝突によって「漢民族」ができたと指摘。そのうえで「貝」=多神教的な「殷」の文化=実...続きを読む