河野裕のレビュー一覧

  • 凶器は壊れた黒の叫び(新潮文庫nex)
    「会話っていうのは、なにを言うのかだけが重要なわけじゃない。本当に大切なのは、なにを言わないでいるのかだ」
    「でも、言葉にしないと伝えようもないよ」
    「伝えるべき言葉を推敲しないといけないってことだよ。君が言ったことを、相手がどう受け取るのかまで考えて、不必要な言葉は省かないといけない。もしすべてを...続きを読む
  • その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)
    彼女の言葉を、また思い出す。
    「人に合わせてばかりだと、自分にできることがわからなくなるよ。」
     
     自由というのは呪いだ。ケーキを買うお金を持っていない子供だけが本当のケーキの価値を知っている。いつでもそれが手にはいっているようになったころには、本質は失くしてしまっている。ケーキも、季節も、自由も...続きを読む
  • 夜空の呪いに色はない(新潮文庫nex)
    正しさとは、罪と罰、大人と子供、選択すること、など、いろいろと考えさせられました。大人でも答えを出すのは難しい。大人になるということをああいう風に定義するのならわたしはきっとずっと大人になれない。情けないなぁ。
    なんども胸を打たれて、泣きそうになりました。
    大地くんの問題が思いのほか根が深く、壮大で...続きを読む
  • 月刊Gファンタジー 2020年2月号

    花子君

    コミックス新刊が待てずに買っちゃいました。
    花子君らしいちょっとSな怪異らしい所と、ヤシロが弱みな普通の少年らしい所が見られて、最高でした!
    ゼッタイフクジュウさせるつもりが・・(*^^*)
    人と怪異。
    ハッピーエンドはないんだろうけど、不思議パワーで何とか二人には幸せな結末を迎えて欲しいなあ。
    ...続きを読む
  • その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)
    あらすじ

    「いなくなれ、群青」の続きである、第2巻。
    季節は冬。ちょうどクリスマス真っ盛りの時期。
    主人公、七草の住んでいる周りから隔離されている島「階段島」の唯一の外部との通信手段の通販が停止されてしまった。
    そんな中「クリスマスの七不思議」という噂が広まっていた。
    そこで、七草とその友達の真辺...続きを読む
  • その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)

    水谷さん、佐々岡、七草の心情にそれぞれ共感するところがあった。
    水谷さんに共感したのは、相手が欲しい答えをしゃべろうとし、愛想笑いもする。そして出来ない人に期待はないけど、「なんで出来ないんやろな。」って思う。

    佐々岡には、自分がやる善意などがその人の為ではなく、ただ自分の中にあるヒーロー像とい...続きを読む
  • さよならの言い方なんて知らない。3(新潮文庫nex)
    ユーリイの戦い方が結構好きだ。ただ単純な強さではなく場を支配できるところにカリスマ性を感じた。0番目のイドラの意味が判明し、香屋の目的も明かされて物語的には大きく進展した。これからがすごく楽しみ。
  • さよならの言い方なんて知らない。3(新潮文庫nex)
    難しい設定やややこしい部分も多かったけれど、結できちんと伏線が回収されうまくお話が収束するのはさすがだなぁといつも思います。
    人が増えると名前や能力を覚えるのが大変ですが、まだなんとかついていけそうです。
    哲学やギリシャ神話など見慣れない単語が多いので難しいですが、続きが気になって仕方ない。これから...続きを読む
  • 夜空の呪いに色はない(新潮文庫nex)
    ◎時任と堀の攻防、魔女を手放した理由、七草と真辺の捨てたものとは

    「心を穿つ新時代の青春ミステリ」である「階段島」シリーズの第5弾。
    今回は謎めく郵便配達員・時任の物語が中心に構成され、現実世界に戻った七草も登場する。

    前回までのおさらいになるが、七草が現実世界に興味・関心を寄せる理由は一人ぼっ...続きを読む
  • 少年と少女と正しさを巡る物語 サクラダリセット7
    河野裕の少年と少女と、正しさを巡る物語を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの最終巻でした。
    浅井ケイは咲良田の超能力をもつ人たちの能力を残すことを選択します。
    そのために、友人となった能力者たちと協力して能力を消し去ろうとする浦地の説得を試みます。

    一つ一つはささやかな友人た...続きを読む
  • 少年と少女と、 サクラダリセット6
    河野裕の少年と少女と、を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの6冊目でした。
    咲良田にだけ存在する超能力を全て消し去り、咲良田を普通の街にしようとする浦地の策略は成功したかに思えたのですが、記憶を保持する浅井ケイの能力だけは消されずに残ります。
    そして浅井ケイは最後の反撃に出るの...続きを読む
  • さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4
    河野裕のさよならがまだ喉につかえていたを読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの4冊目でした。
    サクラダリセットの登場人物の横顔を描いた短編が5編収録されています。

    ある日の春﨑さん(××編)、という短編が2編書かれていて、面白く読みました。
    さらに春﨑美空のキャラクターが好きに...続きを読む
  • 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2
    河野裕の魔女と思い出と赤い目をした女の子を読みました。

    咲良田を舞台にしたSF、サクラダリセットの2冊目でした。
    時間を戻すことができるリセットの能力を持つ春﨑美空とリセットを越えても記憶を保持できる浅井ケイとの二人はいつも一緒に行動しています。

    浅井ケイの中学時代の後輩、岡絵里は浅井ケイに勝ち...続きを読む
  • 猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1
    河野裕の猫と幽霊と日曜日の革命を読みました。

    サクラダリセットの1冊目でした。
    主人公浅井ケイが住んでいる咲良田にはいろいろな超能力を持っている人がいます。
    世界を最大3日戻すことが出来るリセットの能力、一度経験したことは絶体に忘れない能力、日時を指定して相手にメッセージを送ることができる能力、猫...続きを読む
  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)
    階段島シリーズ最終巻。
    1巻目からとても魅了され、最終巻の発売が待ち遠しく、買ってすぐに読んだ。
    いままで、割と多くの本を読んできたけれど、ここまで「言葉の質」がいい本に出会ったことはなかったと思う。
    この本を愉しむことができる頭を持ち合わせていて、本当によかった……。
    河野さんのほかの作品も読んで...続きを読む
  • きみの世界に、青が鳴る(新潮文庫nex)
    「いなくなれ、群青」シリーズの完結作。「愛」や「友情」、「憧れ」という青春時代の重要な価値観を基軸にしつつ、「理想」と「現実」の狭間で思い悩む少年少女たちの物語。
    魔法は誰にでも使えて、誰も使えなくなるもの。ただ、それがある内だけでも、守りたいものを守り続けることが、僕たちにできるささやかな抵抗なの...続きを読む
  • サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY
    『タイムリープ』のような時間SFが題材の乙一作品風青春ミステリ
    現時点では『六番目の小夜子』より余程上なので今後に期待
  • サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL
    時間SFミステリ青春風味として安定の仕上がり
    SFというところには難点があって『タイムリープ』と「リセット」までは良いが
    今回の未来視は作者もテトラポットで書いているのだろうけれど
    明らかにパラドックス
    『月見月理解』がミステリではない程度に本作もSFではないか
    しかしそれはそれとして
    理詰めという...続きを読む
  • サクラダリセット3 MEMORY in CHILDREN
    記憶を保持する能力が欲しい。
    その昔、自分のおこづかいからごく初めのころ買った『フォーチュンクエスト』の2巻か3巻において、すべてを忘れられなくなり他人を避けて暮らしている人物、という話が語られていた。
    楽しいことも悲しいこともみな忘れることができず、いつまでも覚えていなければならない。それはとても...続きを読む
  • サクラダリセット6 BOY, GIRL and ──
    題材だけみると少年マンガてきな「能力者バトル」であるはずなのだが
    それがなぜか
    とらわれの眠れる姫君と身を引くサブヒロインと勝利を約束された主人公、
    という「劇的」な構図になぜか収まっている転回がすごい
    この作品のひっくりかえりっぷりこそまさにこの作者作品の魅力である