鳥谷センセにしてはおとなしめで糖分多めだなと、雑誌で読んだときには思いましたが、書き下ろしが大量に収録されている文庫で読み直したら、やっぱりエロな変態ロマンスになっていました。…そんなジャンルはあったでしょうか。
貧乏神社の息子の綾人は、真面目で家業も地道にがんばるDT美人です。大会社の御曹司の犀
...続きを読む川に口説かれても鉄壁の構えで拒みます。しかし、叔父が勝手に神社を自分の借金のカタに入れてしまい、893の取立てが家にやってきます。元同級生で昔から綾人に気があったらしい埇田から「俺の嫁になれ」と迫られ貞操までもピンチに。
窮地に立たされた綾人は犀川に助けを求め、金銭的援助をしてくれたら「性奴隷」になると持ちかけてしまいます。
DTのくせに大胆にも性奴隷から突入してしまう恋。
相手が犀川のような気品ある王子でよかったです。HENTAIですが、品があります。
鳥谷センセのエロは大体とんでもないHENTAIなんですが、どういうわけか常に品性が感じられるところが面白いです。えげつないHENTAIではないんですよね。今回も犀川の精液賛美がとてもポエミーなんです。青○で綾人のナニを池に飛ばしといて「綺麗だね」とか、犀川以外の男が言ったら絶対ドン引きそうなセリフも、彼にかかるとなんだかステキに聞こえてしまいます。
この神社には、今ではすっかり荒れ果てているけど、かつては綾人の亡き母親が丹精込めて手入れをしていて美しかった庭があるんです。その庭を犀川が自ら手入れをして蘇らせるところもよかったです。王子なのに力仕事もできて頼りがいがありそうですてき。
まあ、ライティングにこだわっていた目的とかいろいろ犀川の思考に変態臭さが漂っていても、それは一つの愛のカタチなんだな~と思うことができましたw
書き下ろしでは、恋に不慣れで愛する犀川に見当違いな態度ばかりしていた綾人が成長しているところも伝わってきてほっとしました。弟には引っ掻き回されたけど、最後はすごく幸せそうでよかったです。ずっとラブラブ変態バカップルまちがいなしです。