澤田ふじ子のレビュー一覧

  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    もう何回目でしょう
    木枯らしの便りが届く頃になると
    澤田ふじ子さんを
    読みたくなります

    何年か前に
    読んだはずなのですが
    ほとんど忘れてしまっているので
    なぜか ものすごく新鮮に
    感じてしまうのです

    理不尽に虐げられた
    市井の人が救われていく

    その一つ一つの物語を読むたびに
    気持ちの中に心地よ...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳十八 奇妙な賽銭
    公事宿事件書留帳シリーズ18巻。かたりの絵図・暗がりの糸・奇妙な賽銭・まんまんちゃんあん・虹の末期・転生の餅・6話。表題作『奇妙な賽銭』最近、夜毎どこかの貧乏長屋に銭が投げ込まれるという事件が京の町で起きていた。東町奉行所同心が夜見廻りをしていると、犬に吼えられている笠を被った小男を助けた。懐に大金...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    京都のお侍、というちょっと変わった設定のお話。

    京都の町奉行同心の長男でありながら本妻の子である弟に気を使い、放蕩のふりをして家を飛び出した菊太郎は、公事宿(訴訟人専用旅篭)鯉屋に居候して、鯉屋に持ち込まれる事件を解決していく。

    時に法を超えた手段も取る、なかなか決断力のある菊太郎だが、弱いもの...続きを読む
  • 惜別の海(下)
    秀吉は当時の朝鮮の人達や日本人にどれだけ酷い事を行ってしまったのかが良く分かる。名護屋城に動員された人数は28万人近くにふくれ上がり出兵先の朝鮮国の捕虜を日本に連行、奴隷として売買した事は蛮行というしかないし心が痛む。また謀叛を企んだとの言われなき罪で秀次の愛妾その他39名が処刑される場面はなどは可...続きを読む
  • 惜別の海(中)
    千利休の「利休百回記」の存在や豊臣政権の中で置かれた位置などから自分の死期を予測できる病を持っていた。秀吉に卑屈に命乞いをすれば生涯をかけて大成した茶湯がおとしめられるからだ、というのは頷ける感じがした。朝鮮出陣の為に、玄海灘を臨む佐賀県唐津市の東松浦半島に突貫工事で作られた名護屋城。日本全土から百...続きを読む
  • 惜別の海(上)
    豊臣秀吉が天下を治めた時代の話し。六角義弼に仕えていた大森六左衛門は六角家が滅びた後も近隣の各村から人望が厚い。地侍として大森家を率い武佐村の家臣達をまとめ城普請なども行っている。武佐村を始め馬淵、岩倉、長福寺の村々は石工だけではなく、秀吉のために多くの大工や人夫を働きに出さねばならず、田畑は荒れて...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    京都を舞台にした公事宿に持ち込まれる事件帖シリーズ。勧善懲悪というよりは、しみじみ、ほろ苦い後味が読んでいてクセになる。捕り物より人情を味わいたい方にお勧め。
  • 公事宿事件書留帳十四 世間の辻
    11/6-11/10
    絶品だ!
    短編の集まりだけど、一つ一つが
    読者の気持ちを揺り動かしてくれる。

    号泣はしないけど、
    涙がにじむ。
    お喜びはしないけど、
    「やった」と共感できる。
  • 公事宿事件書留帳七 にたり地蔵
    公事宿事件書留帳第七段。
    笑う地蔵が歩いてどこかに行った。続けて地蔵の身代金要求がきた事件。面白い事件に、解決方法もまた味があるのが、この小説の良いところ
    丁場にすわる下代の吉左衛門が手代見習いの佐之助に弘法大師の一説を説き聞かせる場面がある。当時は、こないにして、今よりも、いろいろな事を聞いて信心...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳六 ひとでなし
    公事宿事件書留帳第6段。
    わしらなんで生きてるねんやろうなあ。自らのこれまでの生き様を思う老人。死ぬ度胸がないさかい、さほど悪いこともようせんかったけどなあ。
    因果応報、もしかして前世でよほど善行をつんできたんだろう。
    澤田さんの人情噺は非常に奥深く、味わい深い。
  • 公事宿事件書留帳五 背中の髑髏
    公事宿事件書留帳第5段。
    京都の町の江戸時代の暮らしが垣間見えるのが、また魅力のひとつ。京都人の吝嗇を示す言葉で、茶漬けどすけど一杯食べていっとくれやすとすすめられる事があげられる。これは、この時代食べ物は貴重で、言葉だけでも厚意としていただき、辞去するのが礼だとされていたという。特に、京都の野菜は...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳三 拷問蔵
    公事宿事件書留帳シリーズ第三弾。

    生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終りに冥し。
    弘法大師の言葉が、作品のなかで、紹介されている。
    人はどこから生まれ、どこへ死んでいくのか。人は何度も生まれ変わっても、人間についても、生や死についても何もわからない。
    菊太郎は、人間は...続きを読む
  • 高瀬川女船歌九 似非遍路(えせへんろ)
    高瀬川女船歌シリーズ第九弾。
    標題の似非遍路、なさけの一振り、赤い手毬が良い。尾張屋の主人宗因や、角倉会所の頭取児玉吉右衛門が、勧善懲悪の八面六臂の活躍をする。
    読んでいて、実に気持ち良く、まあ水戸黄門のテレビドラマのように安心して、読み進められるのが、いいね。
  • 足引き寺閻魔帳
    2020年9月20日
    シリーズが続くらしい。
    必殺仕事人のような話。
    勧善懲悪はすっきりできる。
    酒呑みが多いよね。時代小説。
  • 螢の橋(下)
    内容(「BOOK」データベースより)
    後に数々の国宝をつくり出す名陶工・野々村仁清の下で頭角を現していく平蔵。豊臣家の再興を担う一味に担ぎ上げられ、東庵という僧侶に身を変えた真田幸村の遺児・大助。二人の運命的な出会いが、平蔵の陶工としての夢、そして幼馴染みお登勢との恋までも狂わせていく…。豊臣から徳...続きを読む
  • 大蛇の橋

    男の覚悟の美しさ

    封建社会の中で自分の大切な人達のあだ討ちをする男の覚悟の美しさに涙します。そして最後の意外なハッピーエンドに心癒されました。
  • 陸奥甲冑記
    澤田さんは多分始めて。重厚な歴史小説です。
    テーマが平安時代の東北と言うことで、今まで未知の領域。読後に簡単にインターネットで調べましたが、ほぼ史実(と言っても色んな解釈があるようですが)に沿った内容になっているようです。
    後半は東北の英雄・阿弖流為(あてるい)と坂上田村麻呂、二人の英雄の敵味方...続きを読む
  • やがての螢 京都市井図絵
    京都の風呂屋をメイン舞台に描かれた市井の人々の物語。男と女が生きてんだな、ということを感じるお話が詰まってた。彼らのトラブルに入り込んでいく二人の謎の男たちの姿もかっこいい。

    人々の話と平行して、二人の男の謎、やり取りも同時に興味惹かれ。社会における力のありそうなあれこれとか、血生臭さもあったり…...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    公事宿事件書留帳1
    時代小説で京都が舞台、全く馴染みが無いわけでないので面白いと思いました。梅雨の蛍は読み始めて、あれ!?この編、前に読んだ!
    どこか雑誌の短編に出ていたのか?
  • 公事宿事件書留帳十九 血は欲の色
    1年半振りにこのシリーズを読んだけど、安定した出来です。このシリーズのいいところは最後あっさり解決に持っていくところ。

    しかし、何年経っても菊太郎はんが内藤剛さんのイメージから抜けないわ・・・